夕べの雨は止まなかった。

けれど、粒はずっと小さく、霧雨。

北へ。

走り出す前から、予感はしてたが、寒い!

ものすごい寒い!

霧雨はくまなく私を濡らすし、寒風が刺すように貫く。

道にあった温度計は、14℃。

私の装備は、20℃以下に対応してないんだよー…。

一応、昨日長袖を出してはいたけど、全然足りない。

渇かなかった靴は足を冷やし、腕から首からどんどん体温が奪われていく。

「さび~~~!!!」

何か温もりをー!!

コンビニでホットの何かを食べるか!?

いや、道の駅で一度靴下を変えるか。

いっそネットカフェ?!

ぐるぐると温もりを考える。

が、八戸から三沢方面へ来ると、何も無い。

アゴが冷えすぎていてー。

温もり~~っ!

すると、神様は、見捨ててなかった!

温泉があったのだ!!!

「これだ!入るしかないっ!!」

源泉掛け流しののぼりはイコール天国。

息も絶え絶えの様に温泉に飛び込んだ。

お湯ー!!

ドブーン!!!

あ、あ、あ、あ~……。

ぬくい…

冷え切った体はなかなか温まらず、しばらく浸かってた。

2階に展望風呂があったので、何が見えるのかな~?と行ったら、ガラス張りの浴場からは目の前の国道…。

まる見えじゃないっスか…。

「このガラスは、外から見えにくい作りになってます。」

『にくい』て。まあいいけど。


薄黄緑色の濁り湯は、私をじゅうぶん過ぎるほど暖めてくれた。

湯上がりにカップ麺を食べたら、急に眠くなった。

まだ雨が降ってるし、ちょいと横に…。

畳に横になった。

クー、カー、と、自分の小さなイビキが聞こえる。

寝返り。

スカー…。

ふと目覚めると、お昼過ぎだった。

ま、予想通り。

雨も止んでいた。

さーて、多少の予定変更をせねばな。

コーヒー飲んで目を覚ましてたら、受付のおばちゃんが、
「バイクでしょ?寒いから、もっかいお風呂入ってから行けば?」

ありあとーっす!!

再びトプン。

あー、何かまた寝たい…。

いやいや、行くぞ!

旅中に、もう一度温泉宿に泊まりたいなー。

ほかほかになって出発!!


安いのに快適な施設!偶然通り掛かったのがここで良かった。