身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法 -19ページ目

身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

我孫子道院 道院長のブログ

先週、5月27日に開祖忌法要を執り行いました。

 

開祖忌は、1980年5月12日に逝去された少林寺拳法の創始者
開祖 宗道臣先生の遺徳を偲び、これからも少林寺拳法の修行を通じて「人づくり」に邁進して行くことを改めて心に誓う日です。

 

 

開祖は中国で敗戦を迎え、昭和21年に帰国し、焼け野原になった祖国で、己のことしか考えない人々、将来に対する希望を失った人々を見て、「これではいけない。これからの半生を骨のある青少年の育成に捧げよう」と決心され、人づくりによる国作りを目的とするこの道、少林寺拳法を創始された。

 

 

そして「正直者が馬鹿を見ない」理想境作りを目指して、少林寺拳法を教え、広めていったわけだが、この運動は一代で完成するものではない。

 

愚公移山の故事のように、開祖からはじまり、直弟子、孫弟子、曾孫弟子、玄孫弟子、と何代にもわたって引き継いでこそ、理想境に近づくことができるわけです。

 

そもそも人づくりとは時間がかかるものであり、人づくりによる国作りには、もっと時間がかかる。

 

 

昨今は「タイパ」(タイムパフォーマンス)というキーワードを耳にする機会が増え、動画なども倍速再生するのが流行っている。

「時は金なり」なので「タイパ」は「タイパ」で否定はしないが、何でも短期的にものを見るのは、文字通り、短見短視というもの。

 

今だけ、金だけ、自分だけ、という人が増えれば、社会は確実に衰退してしまう。

 

阪急電鉄、東宝グループの創業者 小林一三は、

「百年先の見える者は、気ちがいにされ、現状に踏みとどまる者は落伍者になる。十年先を見て実行する者は成功者である」という言葉を残しているが、我々ももっと長いスパンでものごとを考え、思考の射程距離を伸ばし、長い目で見る目を養っていこう!

 

 

そんなことを、開祖忌法要の法話としてお話しさせていただきました。

 

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『105』

 

5月13日~14日にかけ、四国 香川県の金剛禅総本山少林寺において、道院長講習会(一次)が開催され、ワタシも帰山し、受講してまいりました。

 

全国から330人の道院長が集り、各地の仲間や先達と再会。
実技の時間は最新の指導方法を体解体得。
講義では指導者のあり方、布教の実践などについて学びました。

 

講習会二日目には1980年5月12日に遷化された
少林寺拳法創始者 宗道臣先生の法要も執り行われ、
開祖の遺徳を偲びました。

 

 

開祖忌法要では、開祖の直弟子、古参の先生にもお目にかかれます。

 

最古参、12期の大先達、田村道明先生と

 

 

そして例によって今回も、山門外でも自主稽古を!

高松港からフェリーで1時間、
アートの島で知られる直島に渡って、
錫杖伝の第一人者、故上田清先生の直島道院を訪問。

上田先生のお墓参りもかないました。

 

 

その他、大人の社会科見学で、

宇多津町の復元入浜式塩田も見学。

休憩中の職人さんにいろいろお話しを伺うことが出来ました。

(次回の道院帰山合宿では、塩田体験もプログラムに入れる予定!)

 

また日本のウユニ塩湖と呼ばれる

フォトジェニックな瀬戸内の天空の鏡、「父母が浜」も視察。

ここも次回の帰山合宿の立ち寄り候補のひとつ。

 

このように香川県は、もっとも小さな県ですが、見どころはたくさん!

まだ本山に帰山したことがない拳士は、ぜひ一度帰山してみてください。

 

美味しいものもたくさんありますよ~

讃岐うどん(県内に専門店が六百数十軒。県全体がうどんのテーマパーク。一軒一軒味が違うので食べ比べを)

 

開祖が愛した骨付鶏。
とてもスパイシーでビールとの相性は抜群。
稽古で汗を流したあと、仲間とかぶりつく味は格別。

オヤ・ヒナ二種類があるが、ワタシはオヤ派。

 

瀬戸内の海の幸もたまりません

 

いまやLCCも就航し、成田ー高松は、1万5000円もあれば往復出来ます。

 

定期的に本山に帰山し、いろいろ“充電”し、修行意欲を高めることを強くおすすめいたします。

 

 

◆おまけ◆
高松空港の「空港だし」も復活していました。
(4月までコロナで休止していた)

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『111』

GWも明けたところで、我孫子道院に新しい仲間が加わりました。

 

新入門の拳士は、Tさん父娘。

 

 

小学5年生のAさんと、お父さんのMさん

 

我孫子道院では9組目の親子拳士になります。

 

まだはじめたばかりですが、二人とも非常に筋がよく、

早速、6月の千葉県大会にも出場することになりました!

 

この親子で一緒に修行できるというのも、少林寺拳法の魅力のひとつ。

 

親子なので、もともと家族であるわけですが、

めでたく少林寺拳法に入門し、等しく同じ修行をする拳士となったことで、二人は同期、同門の拳士となり、道院の仲間たちとは兄弟弟子の関係になります。

 

武道・武術の世界には、
「以武会友」は、「武(拳)を以って、友に会う」という言葉がありますし、
同門の拳士は家族のようなもの(「道院是一家」)。

 

師から見れば、弟子は「弟の子」=甥っ子、姪っ子のような存在で、

道院には、自分より年下の、兄弟子・姉弟子もいれば、
自分より年上の弟弟子、妹弟子もいるわけです。

 

そうした中で、祖を滅せず師を欺かず、長上を敬い、後輩を侮らず、
同志互いに親しみ合い助け合い、協力して、修行に邁進していきましょう。

 

そして多感な時期でも、同じ少林寺拳法を学び、切磋琢磨する中で、先輩親子拳士と同じように、親子の絆を強めていってください。

 

他人とだって、兄弟弟子になれるのが道場ですので、その効果は絶大です!?

 

というわけで、親子での入門は超おすすめ!

Tさん親子に続く、親子拳士の入門、お待ちしております。

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『109』

新年度となり、新しい生活をスタートさせている方も多いと思いますが、

そんな皆さんのために、

我孫子道院では、道場開放行事のひとつとして、

5月27日(土)に、

「防犯講座&護身術教室」を開催します。

 

 

今年は、千葉県警にもご協力いただき、
前半は、我孫子警察署の生活安全課の警察官による
「出前型防犯講話」。
後半は、少林寺拳法の拳士が教える「簡単護身術教室」の
二部制で行ないます。

 

護身というのは、技法よりも考え方、発想の方が重要な面もあるので、まずはそれを「知る」ことからはじめていただければと思います。

 

武道や武術と無縁だった方、運動が苦手という方でも大丈夫。子供や女性、年配の方にこそ体験していただきたい内容です。
 

終了後、質疑応答を兼ねた「茶礼(されい)」 = 簡単なティータイムも設ける予定です(約30分)。

 

会場は我孫子道院の専有道場(子ノ神大黒天 境内)

https://goo.gl/maps/eYtGpVjJ53D2

 

皆様のご参加をお待ちしております。

 

お申し込み・お問い合わせは、我孫子道院ホームページまで

 

 

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『106』

釈尊が最初の説法=初転法輪(しょてんぽうりん)で語られたとされる
仏教の実践的原理「四諦」「八正道」。
 

じつは釈尊、

大悟のあと、初転法輪の前に、通りがかりの出家者、ウパリに法を説いたのだが、伝えたかったことが伝わらず、その反省から四諦を考え、
「苦集滅道」の順序で、仏教の根本真理を伝えることに至ったという。

 

ゆえに、四諦は「仏教とは何か」を語るための重要なキーワードになるのだが、なかなか自分の言葉で語るのは難しい……。

 

正直得意ではないテーマなので、これまであまり法話でも取り上げてこなかったのだが、今回は少林寺拳法の柔法のひとつ、「逆小手」という技法を例に、「四諦」について説明してみた。

・龍華拳 逆小手

 

 

逆小手は、少林寺拳法の柔法で最初に習う投技になるが、
初心者はなかなか上手く投げられない。

 

逆小手ができないことは、

四諦でいえば「苦」(苦諦)にあたり、

できないのには原因がある。これが「集」(集諦 )。

原因を明らかにすればできるようになることが、「滅」(滅諦)

その具体的な方法が「道」(道諦)

なんだと説明しました。

 

このように四諦の「苦集滅道」の順序には、人に何かを伝えるときの大事な極意が凝縮されていて、日常生活にも応用できると思うので、大いに研究してもらいたいところ。

 

なお釈尊は、苦しみを「滅」するための具体的な方法として、8つの道「八正道」(はっしょうどう)を説かれています。

 

「八正道」については、また別の機会に……。

 

とりあえず、四諦の法話の備忘録として、ここに書き止めておきます。

 

本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『104』