先週、5月27日に開祖忌法要を執り行いました。
開祖忌は、1980年5月12日に逝去された少林寺拳法の創始者
開祖 宗道臣先生の遺徳を偲び、これからも少林寺拳法の修行を通じて「人づくり」に邁進して行くことを改めて心に誓う日です。
開祖は中国で敗戦を迎え、昭和21年に帰国し、焼け野原になった祖国で、己のことしか考えない人々、将来に対する希望を失った人々を見て、「これではいけない。これからの半生を骨のある青少年の育成に捧げよう」と決心され、人づくりによる国作りを目的とするこの道、少林寺拳法を創始された。
そして「正直者が馬鹿を見ない」理想境作りを目指して、少林寺拳法を教え、広めていったわけだが、この運動は一代で完成するものではない。
愚公移山の故事のように、開祖からはじまり、直弟子、孫弟子、曾孫弟子、玄孫弟子、と何代にもわたって引き継いでこそ、理想境に近づくことができるわけです。
そもそも人づくりとは時間がかかるものであり、人づくりによる国作りには、もっと時間がかかる。
昨今は「タイパ」(タイムパフォーマンス)というキーワードを耳にする機会が増え、動画なども倍速再生するのが流行っている。
「時は金なり」なので「タイパ」は「タイパ」で否定はしないが、何でも短期的にものを見るのは、文字通り、短見短視というもの。
今だけ、金だけ、自分だけ、という人が増えれば、社会は確実に衰退してしまう。
阪急電鉄、東宝グループの創業者 小林一三は、
「百年先の見える者は、気ちがいにされ、現状に踏みとどまる者は落伍者になる。十年先を見て実行する者は成功者である」という言葉を残しているが、我々ももっと長いスパンでものごとを考え、思考の射程距離を伸ばし、長い目で見る目を養っていこう!
そんなことを、開祖忌法要の法話としてお話しさせていただきました。
本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『105』