和代さんの声を聴けて本当に嬉しい
実家の母からの電話。
お米を送るから待っててね、と。
母は私のことを“和代さん”と呼ぶ。
小学校の高学年くらいから
母の言動に
いちいち突っかかるようになった
言葉できつく当たる時もあったし
無言で、目で威嚇するような態度をとったこともある。
きっと、母は
ずっと、変わっていない。
感情豊かで
すぐに態度にでる。
天真爛漫と言えば、そうなのだが
子どもの私が
ほしい態度ではないことが多く
それを母の幼さのせいにして
心の中で文句ばかり言っていた。
あなたは大切な宝物よ
と言いながら、
ハグしてくれたこともあったのに
当時の私は
「は？クチだけでしょ？」
「表面的につくろわないでよ！」
なんて、思っていた。
今思えば…
あれが、本格的な思春期の始まりだと思うけど。
こどもだった私は
この家にいても私が苦しいだけ
と、思いこんで
高校を卒業後、
関西で一人暮らしを始めた。
母は電話をくれるたびに
「元気な声を聴けて嬉しい」
「和代さんの声が聞けて嬉しい」
と、言う。
そう。
電話をくれるたびに、必ず。
それが、今日は
なぜだか素直に嬉しかった。
母は、ほんとうに
そう思っているんだ、と感じた。
不思議な感覚だった。
わが子が３人とも高校生になり
私が一人暮らしを始めた年齢に
近づいてきたからかもしれない。
それに加えて
いろんな思い込みがあって
私は、自分の見たいように世界を見ていて
自分に都合のいいように
現実を創ってきたんだなぁ、ということが
ストレスクリアを実践して
体感として沁みてきているから…ということもあると思う。
あんなに苦しかった母への想い。
めっちゃいやだ！と思っていたのは
めっちゃ好きだ！と思っていたんだな、と気づく。
欲しくて欲しくてたまらなかった
母からの愛情が
もしも、もらえなかったら
生きていけないほどだったから
いらない…と突っぱねていた。
ひとりで出来る。
ひとりでやっていける。
でも、それは
本当は天真爛漫な自分を
律しなければならない
という想いからきていたんだ。
自分の本当の想いに気づくと
するすると絡まった糸がほどけていく感覚になる。
ずっと私は愛されていた
でも、
その愛に甘えることなく
自分でやってみる道を選んだ
それが私に
たくさんの経験をさせてくれたし
私をずっと
成長させつづけてくれている。
あと数年で
わが子は巣立っていく
「あなたの声が聞けて嬉しい」
と、きっと…
私も言うんだろうな。
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