2301 :あたらしい年に(2023年を迎えて) | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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 新年おめでとうございます

           2023年新春

 

 

今年最大の課題はマイクロホンと伝送路の「EMC」問題とします。

 

 

 

今年の大きな課題

マイクロホンの完成度は最後にはシステムEMCイミュニティで決まる。
 劇場・ホールの吊り回線と関連してしばしばこのトラブルを引き起こすことが知られているが大抵は原因追求されることもなく、語り継がれるものの概して表に出てくることはない。
ある時はマイクのせいにされ、ある時は回線のせいにされるホールの恥部のような闇問題なのか、本当は何?その解決法は?
受ける側の「EMC」問題と発生側の「EMI」問題とを不可分としてこの課題を解決させていく所存です。これは私のたずさわっている「自作マイク」特有の問題ではなく、すべてのマイクロホンが抱える共通の大きなテーマであることを申し上げます。
昨今の現場の電磁環境の変化により自作マイクとしてもいよいよ踏み込まねばならない問題でありながらオーディオ領域の技術でないのが特徴です。無線技術と原始的な電気物理がカギでありドロドロと複合して非常に分かりづらいかも知れません、よろしくお付き合いください。
EMC=(Erectro Magnetic Compatibility)=「電磁環境両立性」ECMマイクと呼び方が似ていますがEMCの方はノイズ問題です)

 

 

 

マイクロホンの歴史を変えたMEMSマイク

 

単なる音センサーであったMEMSマイクは気になる存在でした。

2010年、MEMSマイクが「iphone4」に実用搭載されていた事を後年知り、2015年からささやかな実験を繰り返し、一般マイクロホンとしての可能性と現実の厳しさに一喜一憂しておりました。

 

コロナ禍直前の2019年より特定品種に絞って「一般マイクロホン」としての可能性探索と試行錯誤の連続を経て自作マイクロホンとして高次元な実用性の命を吹き込みました。

それは1968年~69年の間に登場したECM(エレクトレットコンデンサーマイク)以来のマイクロホン方式、半世紀ぶりのエポックです。

 

 

 

 

大ホールでの使用実例

写真は読者のYO様ご提供、フィリップス方式マイキング例です。

マイクはProbeⅡLz  X4 (於:東京芸術劇場)

 

 

吊り使用した4本のProbeⅡLz

 

 

 

 

晴れ 転機となった「ProbeⅡ」の実現

2021年2月、「ProbeⅡ」の発表により試行錯誤に一旦終止符を打ったことで、MEMSマイク(ICS-40730)による録音マイクの飛びぬけた性能が一気に認知され、支持されはじめました。

 

そしてほどなくホール吊り回線用のProbeⅡLz をリリースしました。

 

ProbeⅡのローインピーダンス長距離(300m)版ProbeⅡLz

 

 

それらは世界の高級マイクに匹敵する性能を持つことが注目され、実証は各地の読者の手で繰り返されながらMEMSマイクが一気にハイレゾ録音で市民権を持つきっかけになりました。

(ICS-40730、IM73A135V01使用のマイク)それらは更に磨きをかけることがいま求められています。

 

 

Invensense社に加え2022年、Infineon社のIM73A135V01の発掘で、2巨塔体制となり守備範囲を広げました。

しかし盤石たるマイク方式として昇格するにはまだ足りません。

それは一定水準以上の「アナログ型単一指向性MEMSマイク」が未だ登場していないことです。

 

「デジタル型」ではとっくに実現させている、というのはECMや他方式でもいい別次元の議論、概してピュアなマイク方式としては不自然です。

 

当サイトでも当初から単一指向性の追及と試作をおこなってきましたが決定打に至っておらずMEMSマイク方式の課題の1つです。

 

 

 

 

 

Shinさんマイク八つのお約束

 

1.為せば成る、為さねば成らず

2.常識こそ思考停止の犯人、指針は原理原則

3.製作マイクはとりわけ高音質を求める

4.「美しい音は美しいカタチに宿る」、外観へのこだわり

5.業務用途を基準とし現場での標準互換を最優先する

6.「ミニプラグ・ジャック」「ツェナーダイオード」完全否定

7.研究・高品位自作を柱としたマイクロホン学びの場でありたい

8.「満足」は最大の敵、「退歩」への道

 

 

 

 

MEMSマイクに対する定説の誤解

 

定説1.「MEMSマイクは大音圧に強い」という誤解

データシート上「最大音圧160dB」と読み取れるスペック表記がある。これは「絶対最大定格」、つまり非可逆的「電気的破壊値」、その意味で、MEMSマイクのそれは他のコンデンサマイク同等です。

 

定説2.「ダイアフラムは小さいほどSN比で不利」という誤解

ICS-40730や米粒大のIM73A135V01では-73、-74dB、それに対して6~10φのECMでは-58~-62dB程度に過ぎない。ICS-40730やIM73A135V01で「静寂」が録れるのはこの差そのものである。

 

Schoeps(ショップス)博士の「マイクは小さければ小さいほど良い」という持論が場を変えてMEMSマイクでいま花開いている。

 

 

ことしもよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

本記事の無断ネット盗用は犯罪です。

 

 

 

虹 おしらせ

MEMSマイク使用、話題のProbeⅡ Probe-T  L-730mems およびFetⅡmems およびそのLzタイプなど、読者のみなさまからのご注文により優秀機種の手づくり製作を承っておりますのでお問い合わせください

fetⅡ、fetⅡi、fet3、LZⅡb   は今や貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作を承ります

 

 

モノ作り日本もっと気出せ 

 

【おことわり】

★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。

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