2231 :ECM・MEMSの直結式平衡出力ファンタム回路について | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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  直結式平衡出力ファンタム回路

 このサイトでも、かつて「DIRECT-1」「DIRECT-2」「DIRECT-XXX」というアクティブ素子を用いない直結式のECMのファンタム動作・伝送回路方式をご紹介してきました。

しかし、残留ノイズの点などいまいち信頼性に疑問を持ちながらのご紹介でした。

 

 また昨年の記事:2109「MEMSマイク C・Rだけのファンタム回路 実験破壊で見えた問題点」ではアクティブデバイスなしでファンタム動作させようと、ブレッドボード上で直結式でMEMSマイクを動作させた場合、普通に動作するのだが、特に電源部の不安定な接触の中では「アッ」という間にMEMSが破壊するため危険要因を観測・追求しました。

 

 

数か月前DPA 4060を入手、さっそくファンタム動作アダプター(DAD6001BC)を分解調査しました。

中には一切アクティブ素子は存在せず、さっそく現物から回路を起こしました。

 

(筆者が現物基板より回路トレースして描いた図であり正式なものではありません)

DPA 4060のファンタムアダプター(DAD6001BC)現物より回路起こししたものです。

部品・パターンは何度も見なおしていますが、わずかな誤認識は否定できません。

 

 

ECMの出力位相からカプセルは「バックエレクトレット」型ではなく「膜エレクトレット」型の2線式であることがわかります。

しかしそれでも高音圧に対応できるノウハウは学びたいところです。

もちろん音質は申し分ありません。

 

 

 

 

かつてご紹介したDIRECT u1 の場合

ソースフォロワー3線式回路です。

2014年記事「DIRECT u1」の回路

 

ECMではなんら問題なく動作します。

 

 

 

 

 

 

 

MEMSマイク時の危険性

2109「MEMSマイク C・Rだけのファンタム回路 実験破壊で見えた問題点」 記事にて「DIRECT回路」平衡入出力回路でMEMSマイクを動作させたが・・・これはイカン

 

ファンタムON (A-D間、C-D間に-12Vのサージが発生・印加)

 

 

ファンタムOFF(A-D間、C-D間に+12Vのサージが発生・印加)

(1div=5V)

 

 

 

「ファンタムON」は出力XLRコネクタの接続、「ファンタムOFF」もあえてXLRコネクタの引き抜き、という禁断の方法でおこなった。

結果、ONでもOFFでもMEMSマイクは破壊することを確認、3個壊してやめた。

 

しかし、コンデンサマイクとしてはその程度の荒っぽい取り扱いごときで絶対に壊れてはなりません、それは「欠陥マイク」そのものです。

 

 

したがって、MEMSマイクでこの回路は採用できないそのプロセスはケミコンの漏洩電流が犯人と見ていますが・・・深追いはしていない。

 

 

ECMでは

MEMSマイクは低電圧OP-AMP構成のCMOSデバイスにつき、電圧衝撃にはきわめて弱く、サージ電圧で簡単に破壊に至る、しかしJ-FET1本のECMでは何の問題もありません。

 

DPAの実例からみてもこの方式をあきらめる必要はないと思います。

むしろECMでもMEMSマイクでも安全に採用できるノウハウを見つけることが今後の課題でしょう。

 

 

以上

 

 

 

 

 

本記事の無断ネット盗用は犯罪です。

 

 

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