2226 :MEMSマイク&角型無指向性極小カプセル実装方向(第2編) | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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前編より 

 

 

  MEMSマイク&角型無指向性極小カプセル実装方向(第2編)

はてさて、【第1編】ではメーカー製極小無指向性マイクにおける垂直実装例を見てきたが、MEMSマイクの場合はどういうことになるのだろうか。

スペクトラム波形と音の印象でそれぞれを見ていきたい。

 

実測グラフは筆者の10cmフルレンジSPからのホワイトノイズによって測定、波形はそのハンディを前提としてご覧ください

 

ICS-40730 :自由空間で音穴を音源方向に向けた場合

 

 

ICS-40730 :自由空間で短辺・電極の逆を音源方向に向けた場合

 

星音穴を音源方向に向けても、短辺・電極の逆方向を向けてもMEMS背面の遮蔽物があれば反射による位相のかく乱は避けられません。

自由空間でさえ、正面を向けた場合可聴域内で角バッフルの影響がこのように現れることを見過ごしてはならないと思います。

 

 

 

ProbeⅡ」:単MEMSマイク同様、自由空間で音源に向けた

(構造上IC-40730の短辺・電極の逆を前方に向けている)

「完成マイク」にするとさらにはっきりとその良さが見える。

 

3つのグラフで音穴を音源方向に向けた場合、可聴領域においてMEMSマイク(ICS-40730)短辺・電極の逆を音源に向けた場合のほうがスペクトラム波形がキレイなことが分かります。

それはProbeⅡでもほぼ同様となった。

 

ProbeⅡおよびL-730memsでは音場型マイク形式を採用しています。

 

音はその周波数にかかわらず1秒間340mの高速で飛ぶ「流体」です、

それをいかに阻害せずスムースに後ろに流す設計のマイクかどうかがここでは決め手となります。

 

 

音圧型無指向性マイク、音場型無指向性マイク(自由音場マイク)の論文を調べていくと音の「入射角90度」=(短辺・電極の逆)向けの効果と入射角=0度としたデメリットについて書かれたものがあります。MEMSマイクではさらに注意が必要でしょう。

 

 

 

  MEMSマイク共通の大きな課題はコレ

どうやって高域端のコレをかわすかが課題です。

 

 

 

 

他の機種の結果

「小さい」・「細い」ことはいいことだ

 

 

 

 

 

AOL=138dBはMEMSマイクとしては最高スペックです。

MEMSマイク最大許容音圧スペックのInvensense ICS-40638 これもイケますね。

 

 

 

 

 

 

 

直径2mmは妻楊枝と同一サイズです。

 

~「マイクは小さければ小さいほど良い」~

世界的なマイクロホンメーカーSCHOEPSの創立者、SCHOEPS博士の持論として語り継がれている。

その言葉、筆者には染み入る。

 

 

 

で、以上の周波数特性データは20KHzで一応切っていますが、MEMSマイクって可聴域外の高域動作についてはデーターシートにはあったりなかったりして、実際には40KHz、80KHzと、とんでもなく伸びているのが普通ですので、書き加えておきます。

 

 

さいごに

MEMSマイクの一般マイク化の過程において、これは形状からくる自然のなりゆきですが、「音場型」マイクロホンに向いており、この記事の中でも良い結果をだしているところです。

 

むしろMEMSでありながらデカいマイクになることは自然の摂理に反すだろう、小さいものは小さく完成させ、大きいものは大きく完成させることにその生命力が発揮できることを疑わない。

 

 

ここ2年間の意識的な「MEMSマイク実用化」のなかで目標のC-451EBはいつしか超え、さらに次の峰に向けてパフォーマンスを磨いているところです。

 

めざすのはDPA 4006やSCHOEPSの「最高峰」といえるマイクと並び、それを超えることです。

あと少しです、「無指向性マイクの最高位」それをめざし、かならず実現させます。

自作マイクロホンの可能性と進化をとめてはならない。

 

 

 

以上

 

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