ここで、オーストラリアと日本の学位の違いについて、説明しておく。

AQF(Australian Qualifications Framework) によって、学位、資格のレベルがはっきり分類されている。

オーストラリアでは、1週間~数週間で取れる資格には、学校から発行される証書には、“Certificate”と書かれていて、ランクが1~4に分かれている。

次に、1~3年の学校を卒業すると、“Diploma”。4年の学校だと“Degree”。という扱いになっていく。つまり、“Certificate”だと軽い扱いとなり、(講習を受けた程度か)という印象を持たれかねない。

オーストラリアの学位を整理すると、以下の通り。

【専門学校】
Certificate I (4~6ヶ月)
Certificate II (6~8ヶ月)
Certificate III (約1年)
Certificate IV (1~1.5年)
Diploma (1.5~2年)
Advanced Diploma (2~3年)

【大学】
Bachelor Degree (3~4年)学士号 

【大学院】
Graduate Certificate (通常半年)
Graduate Diploma (通常1年)
Masters Degree (通常1~2年)
Doctoral Degree (通常3年)博士号…PhD


(財)東洋療法研修試験財団に、英文のはり師・きゅう師免許証翻訳を依頼すると、「免許証」の事を“Certificate”と英訳してある。ぼくが卒業した専門学校の卒業証書、卒業証明書の英文には、“Graduation Certificate”と英訳されてある。

調べてみたところ、文部科学省では、専門学校の卒業証書に記載されている「専門士」という日本語は、“Technical Associate Degree”になるとしているため、オーストラリアの正規の翻訳家に、卒業証書の英訳を依頼すると、“Technical Associate Degree”と書かれる。
正式の英文免許証には、「Certificate」と書かれ、英文卒業証明書には、「Technical Associate Degree」と書かれるため、オーストラリアの学位と一致しない。
自然療法協会などに加入する時の障害になる訳だ。一体、日本の「Certificate」は、「Technical Associate Degree」は、何に相当するのか。
これが何に相当するかで、今後の展開が大きく変わる。つまり、「Diploma」だと、協会加入は困難だが、「Advanced Diploma」や「Bachelor Degree」なら、間違いなく加入出来る。
そこで、日本の卒業証書がオーストラリアのどの学位になるかを査定する機関・AQF(Australian Qualifications Framework) に$150支払って、依頼した。1ヶ月後に届いた書類には、“Diploma”と書かれていた。

これで、日本の鍼灸専門学校のオーストラリアでの学位は「Diploma」と判断された事になる。低く見られた訳だ。文部科学省が、日本の鍼灸専門学校を「Advanced Diploma」とでも英訳してくれていたら、円滑に作業が進んだはずだ。と、思う。