11/6付の日経新聞土曜版「プラス1」に、「知らなきゃ損するお金の制度」という記事が掲載されていましたので、ご紹介したいと思います。

人生の様々な場面で生活の支えとなる「お金の制度」

「知らないままでは損をする」ものを、専門家が選んでいます。

 

第1位から第10位まで、次の通り。

第1位 高額療養費制度

   毎月の医療費負担に上限

第2位 年金受給の繰り上げ・繰り下げ

   22年4月以降は「75歳から」選択肢

第3位 年金保険料の免除・猶予

   受給資格期間に算入、追納で受け取り増

第4位 iDeCo(イデコ)

   (個人型確定拠出年金)税優遇 加入年齢に注目

第5位 傷病手当金

   業務外の病気やケガが対象

第6位 遺族年金

   働き方や家族構成を確認

第7位 厚生年金の適用範囲

   対象拡大「扶養」の働き方に影響

第8位 NISA(少額投資非課税制度)

   売却益や配当に税金かからず

第9位 副業時の確定申告

   所得20万円意識、税還付も

第10位 教育訓練給付制度

   社会人の「学び直し」支援

 

これまで、このブログで取り上げてきた話題もありますね。

どれも、覚えておきたい制度ばかりです。

 

第1位 高額療養費制度

 毎月の医療費の上限を超える負担が生じた場合に、払い戻してくれる制度。

 その人の収入によって、上限額は異なります。

 標準的な給与の方であれば、月9万円弱の負担に抑えられます。

 さらに、「付加給付」を上乗せしてくれる健康保険組合もあり

 最終的に月2万円程度で済む場合もあります。

 

 ただし、これが適用されるのは、「保険診療」のみ。

 それ以外の出費は、民間の医療保険で備えましょう。

 つまり、保険診療については、高額な医療保険への加入は不要です。

 

ブログ内の過去関連記事はこちら

 

第2位 年金受給の繰り上げ・繰り下げ

 原則65歳から受け取る公的年金を、60~65歳の間に早めに貰うのが「繰り上げ

 1ヵ月ごとに、0.5%の減額(2022年4月以降は0.4%)。

 60歳で受け取れば、5年分60ヵ月で、30%の減額となります。

 

 66歳以降の遅めに貰うのが「繰り下げ」です。

 1ヵ月ごとに、0.7%の増額

 70歳まで5年間繰り下げると、42%増になります。

 2022年4月から、75歳まで繰り下げられるようになります。

 75歳まで繰り下げると、84%増額となります。

 

 繰り上げは、長生きした場合、年金総額が少なくなることに注意。

 繰り下げは、損益分岐点まで12年ほどかかる上、

 税金や保険料の負担が増えて、

 さらに長生きしないと、元が取れないこともあり、検討を要します。

 

 

第3位 年金保険料の免除・猶予

 収入が少なくて、国民年金の保険料を払う余裕がない場合、

 保険料の全額または一部が免除されたり、

 納付が猶予される制度(学生や50歳未満で所得が一定額以下)。

 

 何も手続きせず、保険料が未納になった場合に比べて、

 年金を貰うために必要な加入期間(年金受給資格期間)に

 算入されるというメリットがあります。

 また、障害年金や遺族年金の対象にもなるので、

 若い方でも、忘れずに手続きする必要があります。

 

 ただし、免除の場合は、年金額にも反映されますが、

 猶予の場合は、年金額には反映されません。

 どちらも、10年以内であれば、後から保険料を納めて、

 年金を増やすことができます。(追納

 

第4位 iDeCo(イデコ)

 公的年金に上乗せして、個人が任意で加入する私的年金

 税の優遇があります

 掛け金は全額所得控除、運用益も非課税となります。

 給付を受け取る時は、一時金で受け取れば退職所得控除

 年金で受け取れば、公的年金等控除の対象になります。

 他の退職所得や年金所得と合わせて考える必要があります。

 22年には、加入できる年齢や、受け取り開始年齢が拡大されます。

 

第5位 傷病手当金

 健康保険組合などに加入する会社員などの方々が、

 業務外の病気やケガで働けない時に受け取れます

 給与の3分の2程度が、最長1年半支給されます。

 22年からは、不支給期間は除いて、1年半がカウントされるようになります。

 条件を満たせば、退職後も受け取ることができます。

 

 

第6位 遺族年金

 国民年金や厚生年金の被保険者が亡くなった時、

 その人に生計を維持されていた遺族が受け取る年金

 遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。

 遺族基礎年金は、18歳未満の子がいる場合に受け取れます。

 働き方や、家族構成によって、受給内容は異なります。

 

 

 

 

 

第7位 厚生年金の適用範囲

 一定の基準を超えると、パートやアルバイトの方も、

 厚生年金に加入できるようになりました。

 対象となる事業所の従業員数も、徐々に拡大されています。

 厚生年金に加入すると、扶養から外れ、保険料負担も増えますが、

 将来の年金額が増えたり、傷病手当金を受け取れるなど、

 メリットもたくさんあります。

 

 

 

 

第8位 NISA(少額投資非課税制度)

 株などの売却益や配当には、通常約20%の税金がかかります。

 NISA口座で、毎年一定額範囲で購入した金融商品の利益には

 税金がかかりません

 一般NISA、つみたてNISAがあり、金額の上限や期間が異なります。

 24年に一般NISAは新NISAとなります。
 

第9位 副業時の確定申告

 会社員がフリーランスとして副業をした場合、

 その所得が年間20万円を超えるなどすると、

 確定申告が必要となります。

 2か所以上から給与をもらっていると、多くの場合、

 確定申告によって、税が還付されます。

 

第10位 教育訓練給付制度

 労働者の主体的なスキルアップを支援するため、

 厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講・修了した方に対し、

 その費用の一部が助成される制度

 専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の3種類があり、

 専門的な資格から検定試験まで、幅広い訓練が用意されています。

 雇用保険の加入期間などの条件があります。

 退職していても利用できるなど、対象となるケースは多いので、

 調べてみると良いでしょう。

 

今回は、日経新聞の記事をご紹介しました。

ファイナンシャルプランナー、税理士、社会保険労務士らの専門家の方々の協力で、「一般の人が良く知らなかったり、誤解が多い」「使いこなせないと家計への影響が大きい」といった観点から、「多くの人が使う可能性があるお金の制度」を、重要な順に集計したそうです。

どんな制度も、申請しなければ適用されません。

知らないで損をすることのないように。

「お金の制度」を、有効に活用しましょう。

このブログの過去記事も、参考にしてみてくださいね。