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ほんとなかよし

本紹介ブログ(と格好つけてる読書感想ブログw)
ノンジャンル手当たり次第読んだ本を紹介♪

ネタバレ自重・的外れで独断偏見に満ちているけど
読んだ誰かが読書をちょっとだけ好きになるブログ

だったらいいな・・・

形而上学、実存主義、弁証法…哲学の用語って、なんでこんなに難しいの。普通の簡単な言葉に置き換えてくれればいいのに…そう思ったことはありませんか?本書では、元サラリーマン・市役所職員という異色のキャリアを持つ“庶民派”哲学者が、重要度の高い用語だけを厳選&超訳。「そういうことだったのか!」と目からウロコが落ち、「哲学=難解」が「哲学=面白い!」に変わる一冊。


内容「BOOK」データベースより


私の読書紹介ブログは基本的に読書順に掲載していますので作品の新旧が前後する事もしばしば・・・私は超訳シリーズを「カタカナ語」→「故事成語」→「哲学用語」と読みましたが、出版順は「哲学用語」→「カタカナ語」→「故事成語」です。シリーズ通してコンセプトは同じですがテーマが別ですので順不同で読んでも大丈夫でございます。

哲学は難しいイメージが強い、特に用語そのものが難解で意味不明。哲学関連で売れている書籍の多くが哲学を解説したり抜粋したものばかりで有名哲学者の著書にはなかなか手を出せないのが実情です。ですが、知的階級の人のお話や書籍を読むと哲学用語が満載されていたり何かと知識として不可欠な印象を持ってしまうのも哲学独特の魅力でしょう。そんな扱いづらい哲学用語を解りやすく解説してくれるのが本書です。超訳ものは全て“辞典”となっていますが本書が一番辞書っぽい印象を受けました。辞書は不思議なもので辞書をひく事で新たな不明単語を調べるという事が発生します、そして調べていると、また同じ単語に戻ってくるといった事象が発生します、例えば“月”と辞書でひくと、地球の“衛星”とでる。次に“衛星”とひくと惑星を周回する天体、“月”などとなる。“月”=“衛星”となんとなく解るのだけど・・・こういった堂々巡りを味わえるのは超訳シリーズで唯一「哲学用語」辞典だけでした。これだけでも辞典としての価値があるのと、唯一著者名が明らかなのも本書の真価を上積みしているように思えました。さて、本書を読んでハッと勉強になった事は、哲学で使用される用語が一般的な日常用語ですら意味が異なるといった点ですね。有名な言葉でニーチェの“超人”といった言葉がありますが、我々一般人が日常使ってイメージしている超人とはかなり異なる意味が込められている事が解ります。その他にも、“批判”“反省”“正義”など日常使用する単語が哲学上では全く異なる解釈のもので使用されているといった事が本書で勉強になりました。むしろこんな基本的な事すら知らずに哲学書に手を出していたのかと思うと自らの無知っぷりにあきれ返るばかりで大変勉強させていただいた気分になりました。ちょっとした哲学談義をしてみたい、哲学に手を出してみようかなって人にはオススメの一冊。


超訳「哲学用語」事典 (PHP文庫)
小川 仁志
PHP研究所 (2011-11-03)
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塞翁が馬、人口に膾炙す、孟母三遷、乾坤一擲、千里眼、白眉…。目上の人からポロッと「故事成語」の混じったトークをされて、ドキっとした経験はありませんか?本書では、「常識として知っておきたい故事成語」から「あまり知られていないけどためになる故事成語」まで一挙超訳&解説。文庫書き下ろし。


内容「BOOK」データベースより


超訳シリーズの“故事成語”バージョン。故事成語を“超訳”“用例”“解説”と一つ一つ理解し易い構成で紹介しているのは超訳シリーズの基本的手法であり同じなのであるが、「超訳「カタカナ語」辞典」に比べて非常に勉強になるというのか為になる一冊である印象を受ける。というのは、カタカナ語辞典で取り扱う用語は比較的最近に使用され始めた造語や単語が多く、まずもって歴史や時間の洗礼を受けていない用語が多い、つまり今後淘汰されるかもしれない言葉が載っている可能性がある。反面故事成語は諺の元になったり四字熟語といった形で現代まで残っている言葉ばかりなのである。言葉、用語として時代を経て受継がれるものにはそれだけで価値があるように思える。そういった骨董的な価値だけでなく本書の素晴らしいポイントは、故事成語の語源となった古代中国の歴史エピソードが満載されている点であろう。何故その故事成語が誕生したのか、四字熟語に込められた意味や意義を知る事でより一層故事成語の凄さを感じる事になるだろう。歴史エピソードには、まやかしや誇張が多いのも事実ではある、神秘的なエピソードがあったり不可思議な話も多いのだが、基本的には聖人君子と称される人物(孔子・孟子等)が唱えた言葉などが多く、東洋思想の道徳規範を司った人物たちの唱える言葉の数々は万人に染み渡り受継がれてきた事が素直に納得できるものばかりであるのも美しく感じる点だ。日中の関係と言えば、歴史的見解の相違等と直に悪いイメージを持つ事になるのが近隣国の宿命である、そして経済や文化の面では繋がっている等と協調されがちなのであるが、その文化面での古代中国の文献から成立した言葉を知るって事も大切な事かもしれませんね。素直に凄いなぁと感心する言葉が多くて、上手に諺等さまざまな形で受け入れている日本人の美徳感も味わえたので良い一冊だったように思えます。

本書の楽しみ方の一つですが、皆が知っている言葉も多く掲載されていますので、その語源となったエピソードを雑学知識として話してみるのも良いかもしれませんね。薀蓄臭くなっちゃうと知ったかぶりと思われてしまうので使いすぎには注意ですが、少し知的な会話を望む人には最適な一冊かもしれませんね。誰かに話したくなってしまう辞典ってのも独特で良いポイントですね。



超訳「故事成語」事典 (PHP文庫)
造事務所
PHP研究所 (2012-09-05)
売り上げランキング: 60,982

一度は見たり聞いたりしたことがあるけれど、「その意味は?」と聞かれると説明できない…そんな知っているようで知らないカタカナ語を厳選して超訳&解説。また、類義語や関連語も多数紹介しているので、本書をひと通り読めば、知ったかぶりして恥をかくことはなくなるはず。もちろん、通常の辞書のように使うことも可能。「読む」もよし、「引く」もよし、のお得な一冊。


内容「BOOK」データベースより


ひらがな・カタカナ・漢字と使う日本人、とりわけカタカナは造語や新語が多いのか革新的なイメージがついている。漢字は象形文字的なビジュアル面での情報があるのか、新しい単語を初見である程度理解したり把握する事が可能ですが、カタカナはなかなかそうはいかない・・・そもそもが英単語をそのまま日本語表記しただけのものが多く、英語知識まで必要とされる全くもってうっとおしい言葉である。日本語と英語の両方を言語として習得している人にとっては代替が不可能な単語として英単語が会話の中で登場する事があるわけだけども、一般的な日本人が使うカタカナ語の多くは、別の言葉で表現しても良いにも関わらず何かしら格好がつくからだとか、博識に見えるからだとかの見栄や欺瞞に満ちた表現方法として使用される場面が多い。新書やビジネス書に影響を受けて新カタカナ語を使っている上司や同僚に何とも言えぬムカツキを覚える事はないだろうか?それは貴方(私)が知らないからなんです!そんな時に役に立つ一冊が本書「超訳「カタカナ語」辞典」。パっとみて解る“超訳”使用方法が解る“用例”語源や関連知識が解る“解説”があるため一つ一つの言葉を手軽かつ的確に理解・把握できる仕組みになっているのがグッドです。ただし、あくまで超訳です!知ったかぶりをして恥をかくことはなくなるかもしれませんが本書を読んで完璧にカタカナ語を使用出来るかといえば疑問符が付きます。超訳とありますが超簡単に訳したものと認識した方が良いでしょう・・・例えば“ニュートリノ”という単語が紹介されていますが、超訳どころか解説部分が超(簡単に)訳したレベル以下で科学・物理知識のある人の前ではお話にならないレベルの内容です。本書の全てがそのレベルとは言いませんが、おそらく真に意味を理解して使用している人物からすればあくまでその次元の内容である可能性があるわけです。本来別の意味で置き換える事が出来る言葉ならば新しい言葉として成立する筈がありません、真に単語の意味を理解する為にあくまで予備知識として把握する事をオススメします。でもまぁ~多くの人々が意味も解らずに使用しているのが新カタカナ語です、難しく考えずに楽しく雑学の一つとして習得して損はない情報ばかりだと思います。本書もそういった色合いが強いのかオヤジギャグ満載で面白可笑しく笑って読める一冊です。


超訳「カタカナ語」事典 (PHP文庫)
造事務所
PHP研究所 (2012-04-04)
売り上げランキング: 45,069

大学生の花は、人間の姿で暮らす“おおかみおとこ”に恋をした。ふたりは愛しあい、新しい命を授かる。“雪”と“雨”と名付けられた姉弟にはある秘密があった。人間とおおかみの両方の顔を持つ“おおかみこども”として生を受けたのだ。都会の片隅でひっそりと暮らす4人だが、突然“おおかみおとこ”が死んでしまう。残された花は姉弟を連れて田舎町に移り住むことを決意する―。映画原作にして細田守監督初の小説登場。


内容 「BOOK」データベースより


劇場版「時をかける少女」や「サマーウォーズ」でお馴染みの細田 守氏の書き下ろし小説。同名映画の原作にして脚本ともいえる作品。“おおかみおとこ”との異種の愛や“おおかみこども”の登場などファンタジー調の作品ではあるが、ごく一般的な恋愛・家族小説として読む事も可能。人間と狼という住み分けが必要な種族が交わる事で様々な弊害や葛藤が生まれるも主人公・花が懸命に直向きに乗り越えていく姿が素敵な作品。映画と共に楽しむとグッドな作品だと思います。

と言いながら当方は映画を観ておりません、それだけに本作品を十二分に楽しめなかった読者の一人ではないだろうかと思います、「おおかみこどもの雨と雪」は会話と心理描写が中心の作品で非常に読みやすい、しかし反面常に頭の中に映像を思い浮かべながら読まないと全体の流れが掴み難い作品だという印象を受けました。(多くの読者は自分なりの空想を広げて読んでいるだろうとは思うが・・・)幸い映画の宣伝や表紙絵などでアニメ映像が頭に入った状態で読んでいる為に、“おおかみおとこ”や“おおかみこども”のイメージは自然と湧くのですが、もしそういった一切の情報がない状態で小説としてだけ読んでいたならば・・・そういった映像が浮かんだだろうか?狼男といった空想上の特殊な設定を背負った人物像を描くにしては外見に関する詳細や説明が不足している気がしてならなかったのが残念でした、ただ全体のニュアンスや伝えたい部分がストレートに表現されているのも流石は映画製作の人って印象ですね、ご都合主義的な一面もありますが無駄にこねくり回さずに自然な設定で演出をする上手さもグッド!狼を通して自然と触れ合う設定ですが、自然を完全肯定する訳で無く共存する困難さや田舎特有のコミュニティー的な視点を踏まえている辺りは考え抜かれている印象を受けると同時に、人間とは違った次元で語られる狼を含む野生動物の視点を取り入れている感性は驚きました。主人公花はあくまで人間の視点で物語を進めて行きます、読者も同じ目線で物語を追い楽しんでいってもらえればと思います。最後に一つ残念なのは、映画という2時間枠で設定されている作品なだけでに作中の時間の流れが早い!!あっというまにポンポン話が進んでいっちゃいます。そこがテンポが良いと感じるか、一つ一つが軽く感じるかで受ける印象も変わってくるのではないでしょうか?花の半生(20年にも満たない期間ですが)が読めるのはグッドですが、一つ一つ掘下げたエピソードも読んでみたくなりました。ってことは逆に二時間の映像作品で人生を描く事は難しい事なんだって事なんですよね・・・そういった時間的制約の中で作品を生み出す監督ならではの独特の軽快さと胸を射抜く感動を味わえる作品ではないかと思います。


おおかみこどもの雨と雪 (角川文庫)
細田 守
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-06-22)
売り上げランキング: 52,912

セックス教団のイベントに潜入取材し、幸福の科学からは記事内容の修正を要求され、親鸞会からは刑事告訴され警察の家宅捜索を受ける……。数々のカルト宗教を取材した著者が明かすカルト宗教との暗闘記!! 知られざるカルト宗教の実態と、そこに惹かれた人々の素顔。


内容「BOOK」データベースより


カルト集団・宗教・スピリチュアル産業の社会問題をいじる専門誌「やや日刊カルト新聞」主筆藤倉 善郎氏の一冊。著者自身のジャーナリスト体験記を中心にカルト宗教や類する霊感商法集団の実態を暴露する本、大事件に発展しない限り報道される事は無いが一度被害を受ければ人生が狂う程の被害を受ける可能性を秘めた集団を一般人に知らしめる事を目的としており、ちょっと笑える内容でとっつき易いテイストで書かれている点はグッド。法曹界を巻き込んでの奮闘記や、ちょっぴり変わった暴飲暴食デモの話など話題性を秘めた作品ですので楽しく読めますね。カルト宗教を非としたスタンスでの書物ですので基本的にカルトや類する集団の世間一般の常識と乖離した部分などが強調されて書かれています。集団の異常性やアブノーマルな空気を感じ取るには十分な作品といえますが、そういった発想や思想が何故誕生しそして人々が(一部とはいえど)惹かれてゆくのかのプロセスの様なものの考察といった部分が無かったのは残念に思えます、あくまで言葉を交わせない程に懸け離れた思想集団との距離の保ち方を学べる程度の作品となってしまっており、「ここが変だよカルト集団」的な印象を持ってしまったのが物足りないと感じる部分でしょうか。しかし本書の活動の真髄は「やや日刊カルト新聞」にあると思いますので、本書でこの話題に興味を持った方はそちらを読み進めると面白そうですね。マスコミのニュースにならない所で様々な被害者が出ていたり社会問題が発生している事等も解りますので一般知識として得ておいて損は無い情報かもしれませんね。

私は特に宗教傾倒の無い人間です、宗教を信じていない自分を信じているってタイプの人間。人は何かを信じなければ生きられぬ存在です、カルトのような集団でも信じている人にとっては全てとなってしまう、だからその他多くの一般的(とされる)宗教観をもった人々と懸け離れた思想になるわけだけれどもそういった宗教観に走ってしまうほどにスタンダードな価値観を社会や集団が与える事が出来なくなった社会にこそ危険が潜んでいると思うし改善しなければならないと思う。よく新興宗教に未成熟な若者が多く入信してしまう等と言われている、かつてのオウムにも高学歴集団が入信していたと言われていた。若者という社会に出ていない存在に、反社会的な組織や集団への魅力を感じさせる、まやかしとはいえ希望を見出させてしまうのはどういった事なんだろう?向かうべき思想信条を与える事が出来ない社会や教育にも問題があるように思える、自由を履き違えて与える・導く事を忘れた社会構造の成れ果ての一つの形なのではないかと危惧するばかりである。



「カルト宗教」取材したらこうだった (宝島社新書)
藤倉 善郎
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