『おおかみこどもの雨と雪』 細田 守 | ほんとなかよし

ほんとなかよし

本紹介ブログ(と格好つけてる読書感想ブログw)
ノンジャンル手当たり次第読んだ本を紹介♪

ネタバレ自重・的外れで独断偏見に満ちているけど
読んだ誰かが読書をちょっとだけ好きになるブログ

だったらいいな・・・

大学生の花は、人間の姿で暮らす“おおかみおとこ”に恋をした。ふたりは愛しあい、新しい命を授かる。“雪”と“雨”と名付けられた姉弟にはある秘密があった。人間とおおかみの両方の顔を持つ“おおかみこども”として生を受けたのだ。都会の片隅でひっそりと暮らす4人だが、突然“おおかみおとこ”が死んでしまう。残された花は姉弟を連れて田舎町に移り住むことを決意する―。映画原作にして細田守監督初の小説登場。


内容 「BOOK」データベースより


劇場版「時をかける少女」や「サマーウォーズ」でお馴染みの細田 守氏の書き下ろし小説。同名映画の原作にして脚本ともいえる作品。“おおかみおとこ”との異種の愛や“おおかみこども”の登場などファンタジー調の作品ではあるが、ごく一般的な恋愛・家族小説として読む事も可能。人間と狼という住み分けが必要な種族が交わる事で様々な弊害や葛藤が生まれるも主人公・花が懸命に直向きに乗り越えていく姿が素敵な作品。映画と共に楽しむとグッドな作品だと思います。

と言いながら当方は映画を観ておりません、それだけに本作品を十二分に楽しめなかった読者の一人ではないだろうかと思います、「おおかみこどもの雨と雪」は会話と心理描写が中心の作品で非常に読みやすい、しかし反面常に頭の中に映像を思い浮かべながら読まないと全体の流れが掴み難い作品だという印象を受けました。(多くの読者は自分なりの空想を広げて読んでいるだろうとは思うが・・・)幸い映画の宣伝や表紙絵などでアニメ映像が頭に入った状態で読んでいる為に、“おおかみおとこ”や“おおかみこども”のイメージは自然と湧くのですが、もしそういった一切の情報がない状態で小説としてだけ読んでいたならば・・・そういった映像が浮かんだだろうか?狼男といった空想上の特殊な設定を背負った人物像を描くにしては外見に関する詳細や説明が不足している気がしてならなかったのが残念でした、ただ全体のニュアンスや伝えたい部分がストレートに表現されているのも流石は映画製作の人って印象ですね、ご都合主義的な一面もありますが無駄にこねくり回さずに自然な設定で演出をする上手さもグッド!狼を通して自然と触れ合う設定ですが、自然を完全肯定する訳で無く共存する困難さや田舎特有のコミュニティー的な視点を踏まえている辺りは考え抜かれている印象を受けると同時に、人間とは違った次元で語られる狼を含む野生動物の視点を取り入れている感性は驚きました。主人公花はあくまで人間の視点で物語を進めて行きます、読者も同じ目線で物語を追い楽しんでいってもらえればと思います。最後に一つ残念なのは、映画という2時間枠で設定されている作品なだけでに作中の時間の流れが早い!!あっというまにポンポン話が進んでいっちゃいます。そこがテンポが良いと感じるか、一つ一つが軽く感じるかで受ける印象も変わってくるのではないでしょうか?花の半生(20年にも満たない期間ですが)が読めるのはグッドですが、一つ一つ掘下げたエピソードも読んでみたくなりました。ってことは逆に二時間の映像作品で人生を描く事は難しい事なんだって事なんですよね・・・そういった時間的制約の中で作品を生み出す監督ならではの独特の軽快さと胸を射抜く感動を味わえる作品ではないかと思います。


おおかみこどもの雨と雪 (角川文庫)
細田 守
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-06-22)
売り上げランキング: 52,912