Banda Black Rioは70年代にRio de Janeiroから生まれたMovimento Black Rioが盛り上がりを魅せる中、登場したCarioca Groupである。北米のFunkに触発されて始まり、FunkやSoul、JazzのみならずSambaや Forróといった、あらゆる"Back Music Brasileira"のRhythmを融合させ、Afro-Cariocaの誇りがBrasil全土を席巻し政治的、文化的に、さまざまなジャンルの芸術家や知識人も巻き込み、軍事独裁政権による弾圧へのCounter Cultureとして大きなうねりが生み出されていた頃、Sax奏者Oberdan MagalhãesはBanda Black Rioを結成する。SambaがAfro-BrazilianのCommunityから生まれ都市音楽として流行したように、69年にRio de JaneiroのClube Astóriaから始まったと言われるこのMovementは、76年にJornal do Brasil誌に掲載されたBrasilで黒人であることの誇りという『O orgulho (importado) de ser negro no Brasil:Black Rio』という記事によってBlack Rioと呼ばれ、その名をとって生まれたGroupは77年にDebut Album『Maria Fumaça』をWEAからリリースする。Tim MaiaやCassiano、Raul Seixas、Caetano Velosoらのバックで演奏してきたSax奏者Oberdan Magalhãesは60年代の後半から、Raul de SouzaのImpacto 8やCry Babies、Dom SalvadorのAbolição、 Osmar MilitoやLuia MelodiaのGroupで演奏して出会った有能なMusicianを集めてこの傑作を完成させた。ドラムスにDom Salvador E AboliçãoのLuiz Carlos Batera、鍵盤にCristovão Basto、ギターにはCláudio Stevenson、そしてSom Imaginárioにも在籍していたベースのJamil Joanes、Tim MaiaとやっていたTrumpet奏者Barrosinho、Trombone奏者のLúcio Trombone(Lucio Da Silva)というメンツ。Tim MaiaやCassiano、Hyldon、Gerson King Comboらが登場してSceneが盛り上がるを見せる中に真打登場である。残念ながら、彼らは、いずれも名作となったアルバム3枚を残して解散するが、本日ご紹介するのは、その最後の作品となった3作目のアルバム。
『Saci Pererê』はBanda Black Rioが80年にRCAからリリースしたアルバム。1st AlbumとはOberdanとギターのCláudio、Trumpet奏者Barrosinho以外はメンバーが代わり、鍵盤奏者はJorjao、TromboneでDom Salvador E AboliçãoのCarlos Darcy、ベースでDecio Cardoso、ドラムスでSom ImaginárioのPaulinho Bragaが加わっている。また2人のVocalist AbóboraとGersonが参加している。
アルバム1曲目はGilberto Gil作の“Saci Pererê”。いきなりユッタリマッタリの歌モノで意表を突く。そこは流石Banda Black RioでRelaxして抜群の演奏力がVocalとChorusをサポートして心地良い。
鍵盤のJorjao作“Miss Cheryl”はキレキレのHorn隊にぶっといSlap Bass、小気味よいギターのカッティング、ChorusはBrasilのEW&F。
Oberdan作の“Melissa”はBanda Black Rioらしい"Back Music Brasileira"でFunkyなリズム隊が躍動しChorusやSaxソロもご機嫌。
Horn隊の奏でるThemeから最高なMellowで心地良い“De Onde Vem”はLincoln OlivettiとRonaldo Barcellosの名コンビの作品。
ギターのCláudio作“Subindo O Morro”はHorn隊とギターの絡みが心地良すぎるアルバムで一番お気に入りのインスト曲。
JorjaoとZé Rodrix共作の必殺のBallad“Amor Natural”もEW&F風のChorusに伸びやかなVocalがMellowで心地良いサウンドにのって極上の仕上がり。
大好きなJoão Bosco作の“Profissionalismo É Isso Aí”もSambaの香り漂う心地良い"Back Music Brasileira"。Boscoの同年作『Bandalhismo』にも収録。
笑い声から入るMellow FunkなParty Tune“Broto Sexy”。OberdanとPaulo Zdanowski共作の"Back Music Brasileira"。ギター・ソロも良き。
Gastão LamounierとLuís Mendes Jr.共作の“Tem Que Ser Agora”も甘美で切ない絶品の味わい。
アルバム最後をシメるのはTrumpetのBarrosinho作“Zumbi”。ご機嫌なHorn隊とぶっといベースは勿論、Scatがヤバ過ぎ。
(Hit-C Fiore)