JR九州YC1系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

国鉄型車両、キハ66系の老朽化で更新が不可避となって来た中、電車と気動車の特性を組み合わせたハイブリッド車両が長崎地区に登場しました。

 

YC1系、JR九州が製造した初のステンレス気動車で、同期と言える北九州地区の電車、821系とは異なりコーポレートカラーの赤は入っていません。

 

最近のJR九州は系列名にアルファベットを入れることが多くなっており、一見何を表しているのかが全く分かりませんが、YCとは「優しくて力持ち(Yasashikute Chikaramochi)」の意味だそうで。ハイブリッド式気動車はJRでは東日本、東海、九州が保有することになりましたが、いずれも頭文字が異なる形式となっています。JR化後30年が経過し、各社が方向性は似ているものの別々の道を歩み始めたことが分かる一例とも言えます。

 

前面は817系から続く栓をしたようなデザインが引き続き採用されています。またワンマン運転での後方の安全確認のためか、カメラが付いています。

 

前面の行き先表示はやはり大型で、遠くからの視認性は抜群です。

 

で、821系もそうでしたがライトが多数仕込まれており、点灯時はそれはもう明るいです(笑)  関西在住民としては、スーパー玉出が頭をよぎります。

 

このグループ、登場から既に3つの番台区分が誕生しています。試作車的位置付けの0番台、座席配置を見直した100番台、連結器を変更した200番台が存在しています。

 

側面の行き先表示も大きめ、三ヶ国語に対応しています。そうそう、普通列車のみならず、一部の快速シーサイドライナーにも運用されています。

 

車内です。こちらは100番台の車内で、一応セミクロスシートですがその数は少なく、ロングシートが大半を占めています。

 

こちらは反対側の車両を車端部側から。横に見えるのはトイレではなく、蓄電池関連のものと思われます。このようにデッドスペースが多い割に狭幅車体なので、乗車定員を稼ぐためにこのようになったんでしょうね。

 

ドアです。両開き式で、キハ200系列まで存在していたステップが無くなりました。転倒防止にもなりますし、バリアフリーの観点からも嬉しいですね。また半自動機構も備えており、ボタンが設置されています。ただ運用開始から、換気を行う必要から使用されたことはありません。

 

ドア上には開閉ランプがあります。ランプはオレンジ色、それと開閉チャイムは最近のJR九州らしく、首都圏でお馴染みの二打点チャイムです。

 

車端部です。仕切り扉がありますが、やはり換気の関係で開きっぱなしです。仕切り扉自体は最近流行りの全面ガラス張りです。

 

最前面です。817系から続く電話ボックス然としたスタイル、この形式にも引き続き採用されています。運賃表示機はLCDディスプレイ式となっており、右上というあまり見ない位置にあります。

 

天井です。照明はダウンライトを並べたもので、個人的には「通勤電車にも持ってくるようになったか」という感想を持ちました。井原鉄道や和歌山が先行していますが、新造車体では821系とともに初になるでしょうか。

 

窓です。821系と異なり、3分割されています。日除けは相変わらず省略、着色窓で済ませています。景色がよい路線だけに、暗く映ってしまうのが残念。

 

座席です。ドア間はロングシート、両端2席はヘッドレスト付きとなっています。ロングシートでクロスシート並みの快適性を、ということでしょうか。100番台・200番台は821系と同じスタイルの座席ですが、0番台はハイバックではないタイプのロングシートだったですね。袖仕切りはガラス、見た目はいいですが汚れや万が一の破損時を考慮すると「いいのかねぇ…」って思ってしまいます。

 

優先座席は赤いタグを付けていますが、ちょっと分かりにくい気はします。ステッカーがあるのでそれでカバー、という感じですね。

 

車端部の4人掛けです。座り心地としては821系と同じく背ズリ部分が微妙です。「高めで厚めのクッション付けとけば快適やろ」みたいな気持ちの手抜きで何とかなるほどのもんでは無いんですけどねぇ、わずかな数cmの誤差は大きな不協和を生むということ、デザイナーとしてちゃんと心得ておくべきだと思います、特急型車両然り‥。

 

クロスシートです。ボックスシートのみで、100番台・200番台は車端部の一か所にのみに設置されています。0番台ではドア間にもありましたし、トイレ前にも1列席のものがあり、中央には観光列車でおなじみ折り畳みテーブルまで設置する気合の入りようでしたが、やはり普段使いの方がメインなので結局このスタイルに落ち着いたのでしょう。

 

モケットが区画により異なるのはいつものことです。シートピッチは、数いる普通列車用車両のボックスシートの中でも群を抜いて広いです。そのかわり(?)か、通路側に肘掛けはありません。多分にテーブル設置の前提のままここも手抜きしちゃったんでしょうねぇ、頂けません。

 

トイレです。車椅子対応だからとしてもやたら大きくなっているのは、このスペースがトイレだけでなく蓄電池関連の何がしもあるからなんでしょうね。

 

・・で、0番台はともかく、他の番台で一般客からも不評を買っているであろうこの区画。ドア間がオールフリースペースとなっており、着席定員が大幅に減少しています。ボックスシートが無くなったのは車椅子の通り抜けに難が出るからなんだろうなぁと邪推しますが、多分トイレの位置をドア間にしちゃったのが着席定員大幅減の遠因でしょう。

 

・・一応、介助者用シートはありますが。着席定員としてカウント出来るものでもないでしょうねぇ。