プルースト 「失われた時を求めて」 感想編 | 七転び八転び!? 15分で1冊 

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人生、いいことの方が少ない。

「薬害エイズ訴訟」の体験とそれまでの過程、読書の感想と要約をを綴ります。

・感想:

はっきり言ってつまらない。
よく分からないことが分かった。

読んだ理由は有名だから。
この手の作品は内容を理解したことが大事なのではなく読んだ事実が大事だと思う。
当然要約は自力でやったら大変なことになるので解説を参考にさせてもらった。

大体日本人でどれだけ読破した人がいるというのか?
まず、読者に冷たい。
非常に我儘で独り善がりの作者だ。
一文が長すぎる。
行替えをほとんどしていないのでページをめくっただけで読む気を無くす。
話のメリハリが無く読みづらい。
フランスの上流階級の話なので日本人にはピンとこない。
しかし生け花・花瓶・乃木将軍の言葉などがでてきたりしていて日本は上流階級には教養の試金石にすらなっている感じがした。

敢えて良かったところを探せば例えの表現(「まるで○○のようだ」)に同じ使い回しはしない(多分)のは凄いと思った。
これらの表現方法を全て研究・マスターすればかなり知的に思われる会話ができそうだが、そこまでやる気になれない。

解説によるとそれぞれテーマがあるようだ。
「特権階級の批判」「多面的な性格」「芸術の目覚め」「性の逸脱」など。

フランスの「サロン」というのは金持ちが暇に任せてパーティーをするものらしいが、そこには「貴族階級」「上流階級」があるらしくお互いのつばぜり合いもあるようだ。
ドイツを批判しながらもドイツに頭が上がらないところも垣間見える。
老婆の戦争を他人事のように語らせることで作者の戦争反対メッセージと受け止められるかも。
作者は、こんなのくだらない、と腹の中では思っているが反旗を翻すほどの度胸は無い。
娼家に行ったとか不倫・浮気したとかあるが金持ちに自慢なのか頽廃を批判しているのか。

作中にははっきり書いていないが関係者の話では作者は同性愛者だっとか。
一応、異性愛に失恋したとか振ったとかの描写はあるが、やはり当時の風潮では同性愛者は肩身が狭かったのだろう。
もしかしたら実体験ではなく恋愛対象を作中で男性から女性にすり替えたのかもしれない。
別の同性愛者の登場人物を非難しているあたりが裏腹の作者の心情だったのかも。

自画像を観ても神経質そうだし繊細さゆえに作品を作り出したが50歳前半で死んでしまった。
結局未完成だったらしく作者死後に未発表作品が見つかりと、だらだらと続いていたようだ。

フランス文学といい最近は流行じゃないし本作品を読む日本人は、よっぽどの変人か大学で専攻した人くらいではないのか。
ダラダラと読んだこともあって読み終わるのに半年もかかった。
よって小生ももう一度開くことは無いだろう。

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