James Setouchi

2026.9.2

 

 私も少し発言してみよう。

 

3 韓国の若者の読書ブームについて

 

 R8.9.2(水)のNHKラジオでこんなことを言っていた。(大略を紹介する。放送された順番通りの正確な要約ではないが、大略この通り。)

 

韓国の若者の間では、今、読書がブームだ。

20代の若者の読書率は75%。(JS:日本ではそうはいかない。韓国での「読書率」の定義は厳密には知らないが。)

・電車やブックカフェなどでも本を読む若者の姿が増えている。(JS:日本では若者はスマホを見ている。)

・本屋も二十代三十代の人で賑わっている。

本屋の数は増えている。(JS:日本では本屋の数は激減。)

・読書はカッコイイ、とするのを「テキストヒップ」といい、Z世代のトレンドになっている。

・読書する姿をSNSにアップしたり、気に入った文章をノートに写してアップしたり、本をデコレートしてアップしたりしている。

・ソウルの野外図書館の「公共読書クラブ」に1万人の会員を募集したところ、2時間で定員一杯になってしまった。イベントや読書記録で読書マイレージのポイントがたまり、ソウル市内の書店で本を買うときにお得になる。

 

・その背景には、韓国の社会背景と、政府の政策とがある。

 

政府の政策としては、2006年に読書文化振興法を作り、国の文化政策として国と自治体が一体となって読書振興のためのインフラを整備することにした。(JS:日本にも読書推進の法律はある。子供読書の日や文字活字文化の日もある。)

・本は非課税。

・低所得層には文化や観光に使うためのお金が(今のレートで)ひとりあたり1万7千円が給付される。

・公共図書館の本は地元書店で買う、オンライン書籍販売の割引を法で禁止するなど、地元書店を保護する。

・おしゃれな図書館が誕生している。

 

社会背景としては、過酷な競争社会のため、人々がヒーリング関係の本、わかりやすい哲学の本、古典などを求めている。

・若者は、短時間でせわしなく情報量の多いデジタルに疲れ、ゆっくりと本を読むことを求めている

・若者は本を読むことをカッコイイと思っている。

・ハンガンのノーベル賞受賞もある。

・批判としては、スマホありきのブームではないか、過酷な現実からの逃避ではないか、といった批判もある。

・が、きっかけは何であれ読書するということはいいことだ、とレポーターは言う。

・このブームは日本にも伝わるだろう、そのためには政府の後押し(図書館のリニューアル、財政的な裏付け、読書カードの配布など)も要るだろう、とレポーターは言う。

 

 以上がラジオ放送の大略。

 以下は私JSの感想。

 

・韓国の若者と言えば、男子は全員長身・マッチョでイケメン、女子は全員美肌、だとステレオタイプで捉えていたら、間違う。一方ではこうやって読書をしているのだ。すばらしいことだ。その中から将来どのようなものが生まれるだろうか、楽しみだ。(読書力→文化力→実は「国力」とは「文化力」。)日本はどうか。

 

・どんな本を読んでいるか、はあまり言っていなかった。ヒーリング系やわかりやすい哲学入門書などは日本でもある程度売れている。古典はどうかな。

 

昭和の初め、「勉強ばかりしてもダメだ」の大合唱で体ばかり鍛えて日本が軍国主義化し滅亡へと歩みを進めていたとき、一部のエリート(旧制高校生昭和浪漫派)は書物(古典)に逃避し沈潜した(面がある)。

 

 しかし戦後はこれを反省し、角川源義などは、「今回の敗戦は文化力の敗戦だ、文化を建て直すのだ」と言った。近代文学派をはじめ、新しい日本(平和で自由で民主的な日本、人間尊重の日本、西洋近代精神に学ぶ日本)の建設のために新しい文化を作り上げようと努力した。若者は世界文学(フランス文学やロシア文学など)を読んだ。こうして若者は、旧来の体制を批判できるだけの視野と思索を持つに至った。

 

 最近の若者はそうではない。またしても「勉強ばかりしてもダメだ」の大合唱(愚民化政策!)のせいで、ろくに本を読まず勉強をせず刹那(せつな)的なパーティーが大好きで(パリピー)、社会体制について深く考察を巡らせることも苦手だ。スポーツで騒ぐが、新聞も読まない。ヒロシマやナガサキやオキナワについてさえあまりご存じないとは驚きだ。スマホのゲームや数秒単位のSNS動画にエンドレスに時間を費やす若者が増えているとしたら・・・?(一部の若者はものすごく本も読み勉強しているのだが・・・!)

 

・韓国には徴兵制がある。また過酷な競争社会がある。その中で、韓国の若者たちは、どのような本を読み、どのように新しい韓国社会を築いていこうとするのだろうか。私はこのような問いを持った。私は割と(いや、非常に)親韓的な人間だ。東アジアでみんなで平和で幸せな世界で暮らしたい。

 

NHK「鶴瓶の家族に乾杯」で鶴瓶さんと奈緒さんがソウル(京城)やスウォン(水原)に行って、地元のおじさんや若者と仲良くしていた。鶴瓶さんが75才だと言うと67才のおじさんが「ヒョンニム(兄上)」だと言って礼儀正しくしていた。韓国の人は礼儀正しいのだ。奈緒さんは韓国語がうまくてニコニコしながらすぐ仲良くなっていた。すばらしい。NHKはいい番組をつくるな。