ブログ開設から現時点(2015.11.21)で、コーナーキックの調査
(なでしこリーグ、NWSL、カナダW杯日本戦、東アジア杯、なでしこリーグ10・11月のTV放送)で、
だいたいコーナーキックの現状が把握出来たので、
ちょっと早いかとは思いますが、いったん中間まとめをして、
提案(結論)もそろそろ書いて行こうと思います。
 
というか、私のDVD・HDデッキに残している映像は一通り見終えたと言うことも、中間まとめをする理由です。
 
なお、何度も書きましたが、サッカー経験者ではないので、
あくまでも机上の空論。バスケットの経験とアメフトファンとしての知識からの提案です。
 
まずは着眼点の再確認から。
 
私なりの統計をもとに論じていきます。
 
着眼点の検証、即ち、ピックプレーはコーナーキックで使うべきかという課題。
 
ここまでの調査でのデーターをまとめると以下のようになります。
・コーナーキックの重要性・有効性
   コーナーキックからの得点は全得点の12%。
   コーナーキックの3.5%。
   改善の余地は十分ある。
・コーナーキックが身方攻撃選手に渡っていない。(127本調べ)
   34%到達。フリーの選手への到達は25%。
   シュートを打ったのは24%。
 
ここにも改善の余地が有りそう。せめて、半分くらいは到達できるようにと思う。
 
・走り込んでフリーになる確率(127本調べ)
    105/357(29%)
・フリーになってボールを受けた選手(127本調べ)
    27/105(26%)
   キッカーと受け手の意思疎通がなされていないと言うことなのでしょう。
   チーム戦略として、守備側の隊形によってどこでフリーの選手を作るかを
   明確に定めていないということなのでしょう。
・ピックプレーの効果(127本調べ)
    フリーになる確率    22/34(65%)
    うちボールを受けた選手  6/22(21%)
   ただし、ピックプレーには偶発的に起きた成功例を含むし、
   ピック空振(失敗)は見てもわからないものも有ったはずなので、
   実際に試みて成功する確率は少し低い。
・コーナーキックがシナリオ通り決まる確率をタッチ数から判断すれば、
 127本調べに、NWSLの分析を加えると次の通りです
    2タッチ以下 24(60%)
    3タッチ以上 16(40%)
   一発で決まらずに、ごちゃごちゃしてから決まるケースが結構多い。
   やはり、フリーの選手にボールが届いていないと言うことでしょう。

こう並べてみると、着眼点としては正しかったというか、
アメリカ代表がカナダW杯決勝で、なでしこJAPANにピックプレーを
多用してきた意図が納得できる。
 
特にフリーになる可能性が高まることが肝心です。
ピックプレーを使えば、約2倍のゴールが期待できて、コーナーキックからの得点率で約10%、全得点の20%台まで増えそうな気配があります。
 
ただし、現段階では、ピックプレーの成功率という、肝心なところの数字的根拠が見方次第という、お粗末な分析ではあります。
もちろん、統計的に実証するなら、
ピックプレーを多用するチームのコーナーキックの得点率と、
ピックプレーを用いないチームのそれとを比較すべきです。
 
しかし、残念ながら、現状ピックプレーを多用するチームは、
アメリカ代表以外見付けていないし、
仮に有ったとしても、コーナーキックの得点率は10%程度でしょうから、
信頼できる数字になるまで調べるのは、最低でもピックプレーを採用したコーナーキックを200本(50試合)程度の調査が必要です。
なでしこJAPANやなでしこリーグの事例をちまちま集めてたら、
あと何年かかるのかわかりませんので、
とりあえず、乱暴な計算でお許し下さい。
 
あくまで、コーナーキックでピックプレーを使うという着目が、正しいのか否か、
そして、その効果のあらましを語る中間まとめのための根拠です。
以下、私なりの分析結果の詳細を紹介しておきます。
 
 
(1)コーナーキックの重要性・有効性
 
3-A2 カナダW杯の統計(HIGH-LIGHT動画から)

で紹介しましたが、なでしこリーグ・エキサイティングシリーズの公式記録を集計したものをアップデートします。

イメージ 1
 
イメージ 2
 
(2)コーナーキックに対する各チームの対応
 
ゾーンディフェンス
  アメリカ代表、スイス代表、カメルーン代表、エクアドル代表
  (FIFA-HIGHLIGHT動画によると、ドイツ)
マンツーマンディフェンス中心で2~3名ゾーン配置
  なでしこJAPAN、オランダ代表、オーストラリア代表、イングランド代表、
  北朝鮮代表、韓国代表、中国代表、I神戸。新潟L、浦和L、ベガルタL、
  日テレ
   (FIFA-HIGHLIGHT動画によると、フランス)
 
基本的にはピックプレーを攻撃で使えるのは、マンツーマンに対して攻めるときだけで、リオ五輪でゾーンディフェンスを敷くであろうアメリカ代表・ドイツ代表に対し、攻撃で使えないという難点はありますが、対アジア諸国には使える手段ですから、来年3月の五輪予選では見せてもらいたいものです。
 
(3)コーナーキックでピックプレーを使っているチームと選手
 
これまでの調査で明白に使ってきたチーム
・カナダW杯アメリカ代表のモーガン選手とヒース選手
4-1 NWSL(アメリカ)ゴールシーンを見て、シアトルレインは進んでいそう。

・東アジアカップなでしこJAPANの北原選手と川村選手

・東アジアカップ北朝鮮代表の13番と14番
 
他はちょっと断定できていません。25チームの試合を見て4チームだけです。
さらにそのうち、チームとして組み入れているのは、アメリカ代表と北朝鮮代表だけだと、見た感じでは思います。

(4)コーナーキックのSTATS
 
 コーナーキックを失敗も含め詳細分析しているのは、14試合(カナダW杯のなでしこ戦7戦、東アジア杯なでしこ戦3試合、なでしこリーグの4試合)の、127本(コーナーキック119本、オフサイドを実質気にしなくても良いフリーキック8本)です。
これらをあくまで私の個人目線で分析しています。
                  対する主体のディフェンス
                  マンツーマン    ゾーン      合計
コーナー本数           109       18        127
 (ゴールライン付近のフリーキックを含む)
得点                    8          1          9
センタリング→シュート    8/10       6/2     14/12
センタリング→パス     10/3         1/0     11/3
ルーズボール           10          0          10
クリアー               19/19       2/6     21/25
(内ゾーン配置          13/7       2/4      15/11
キーパーパンチ          8/5        0         8/5
キーパーキャッチ         9/1       0/1       9/2
* フリー/競り合い
ショートコーナー不発        6          1          7
フリーになった選手      21/65      6/13      27/78
   (ボール受け/ボール来ず)  
ピックプレー:推定含む   22/12        0         22/12
   (成功/不成功)
 
以上です。
 
 
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