作品データ :
原題 BOHEMIAN RHAPSODY
製作年 2018年
製作国 イギリス/アメリカ
配給 20世紀フォックス映画
上映時間 135分
日本公開 2018年11月9日

1970年代イギリスが生んだ国民的ヒーローで世界的人気ロックバンド“クイーン(Queen)”の栄光と知られざる苦闘の物語を、リード・ヴォーカル、フレディ・マーキュリーの短くも壮絶な人生を軸に描き出した感動の音楽伝記ドラマ。バンド・メンバー、ブライアン・メイとロジャー・テイラーの全面協力の下、バンドの誕生から、今なお語り継がれる<ライブ・エイド(LIVE AID)>での奇跡の復活までが、全編を彩るクイーンの名曲の数々をバックに、自らのコンプレックスと格闘し続けたフレディの愛と孤独とともにドラマチックに描かれていく。『ナイト ミュージアム』シリーズのラミ・マレックがフレディを熱演し、フレディの恋人メアリー・オースティンを『シング・ストリート 未来へのうた』のルーシー・ボーイントンが演じる。劇中の歌唱シーンでは、主にフレディ自身の声が使われ、一部をフレディ役のラミと、フレディの声そっくりの歌手マーク・マーテル(Marc Martel、1976~)が担当。監督は『X-MEN』シリーズのブライアン・シンガー。なお実際には、ブライアン・シンガー監督は撮影最終盤に降板しており、製作総指揮にクレジットされているデクスター・フレッチャーが後を引き継ぎ完成させた。
ストーリー :
1970年のロンドン。ルックスや複雑な出自に劣等感を抱くフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)は、ボーカルが脱退したというブライアン・メイ(グウィリム・リー)とロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)のバンドに自分を売り込む。類いまれな歌声に心を奪われた二人は、彼をバンドに迎え、さらにジョン・ディーコン(ジョセフ・マッゼロ)も加わって新生バンド「クイーン」として活動する。やがて「キラー・クイーン」(1974年)のヒットによってスターダムにのし上がるが、フレディはスキャンダル報道やメンバーとの衝突に苦しむ…。
レディー・ガガ(Lady Gaga)が「史上最高の天才エンターテイナー」と讃え、ケイティ・ペリー(Katy Perry)が「私に最も影響を与えた人」と語るミュージシャン。それが伝説のバンド“クイーン”のリード・ヴォーカル、フレディ・マーキュリーだ。その名を知らずとも、「ボヘミアン・ラプソディ」、「伝説のチャンピオン」、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」といった名曲をほんのワンフレーズ耳にしただけで、たちまち誰もが心浮き立ち、歌い出さずにはいられない。いかにしてフレディは、世間の常識や既成概念に逆らい、従来の音楽を打ち破り、世界中から愛されるエンターテイナーとなったのか?なぜ愛と孤独、プレッシャーに引き裂かれたのか?そして、崩壊寸前に陥ったバンドを立て直し、永遠のレガシーを確立できた理由とは…?1985年7月13日にUKとUSで同時開催のビッグ・チャリティー・イベント<ライブ・エイド>で、音楽史に残る史上最高のパフォーマンスを披露した彼らの華やかな活躍の裏には、誰も知らない物語があった…。
▼予告編
<ライブ・エイド>は「1億人の飢餓を救う」というスローガンの下、「アフリカ難民救済」を目的として、1985年7月13日に数々の超大物ミュージシャンが集結した、20世紀最大のチャリティー・コンサート。メイン会場は、英国ロンドン郊外の「ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)」と、米国フィラデルフィアの「JFKスタジアム(John F. Kennedy Stadium)」。この2大スタジアムを拠点に、開催時間は16時間(一説に12時間?)に及び、世界84カ国で衛星同時生中継された(録画放映分を含めると、140~150か国にも及び、計15~20億人が視聴したとのこと。日本でもフジテレビが放送権を獲得し、7月13日午後9時から翌日正午まで、番組「THE 地球CONCERT LIVE AID」を放送した)。
当日、約8万人の観衆が詰めかけたウェンブリー・スタジアムでは、ブギー・ロックの代表的なグループ、ステイタス・クォー(Status Quo)がオープニングを飾り→元ビートルズのポール・マッカートニー(Paul McCartney、1942~)がトリを務め→フィナーレは出演者全員による「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(Do They Know It's Christmas?)」で、会場全体が大合唱の輪となった。また、約10万人の観衆を集めたJFKスタジアムでは、ジョーン・バエズ(Joan Baez、1941~)がトップバッターであり→ボブ・ディラン(Bob Dylan、1941~)、キース・リチャーズ(Keith Richards、1943~)、ロン・ウッド(Ron Wood、1947~)の3人がトリを務め→出演者全員によるフィナーレの「ウィ・アー・ザ・ワールド(We Are The World)」で、イギリス同様に会場全体が大合唱となった。
Status Quo/The Style Council/The Boomtown Rats/Ultravox/Spandau Ballet/エルヴィス・コステロ/ニック・カーショウ/Sade/スティング/フィル・コリンズ(Phil Collins、1951~)【歌唱後、ヒースロー空港からコンコルドに乗り込みJFKスタジアムへ移動。イギリス・アメリカの両会場に出演した唯一のアーティスト】/ハワード・ジョーンズ/ブライアン・フェリー/デヴィッド・ギルモア/ポール・ヤング/U2/Dire Straits/Queen/デヴィッド・ボウイ/The Who/エルトン・ジョン/Wham!/ポール・マッカートニー/ボブ・ゲルドフ
ジョーン・バエズ/The Four Tops/ビリー・オーシャン/Black Sabbath/Run-DMC/ リック・スプリングフィールド/REO Speedwagon/Judas Priest/ブライアン・アダムス/The Beach Boys/アルバート・コリンズ/Simple Minds/The Pretenders/Santana/テディ・ペンダーグラス/マドンナ/トム・ペティ/ケニー・ロギンス/The Cars/ニール・ヤング/The Power Station/Thompson Twins/スティーヴ・スティーヴンス/ナイル・ロジャース/エリック・クラプトン/Led Zeppelin/Duran Duran/パティ・ラベル/Daryl Hall & John Oates/エディ・ケンドリックス/デヴィッド・ラフィン/ミック・ジャガー/ティナ・ターナー/ボブ・ディラン/ライオネル・リッチー/ハリー・ベラフォンテ
(the Finale at Live Aid in front of 80,000 people in Wembley Stadium, London on the 13th July, 1985)
(the Finale at Live Aid in front of 100,000 people in the John F. Kennedy Stadium, Philadelphia on the 13th July, 1985)
名立たるアーティストが国とジャンルを越えて多数参加した<ライブ・エイド>。当時の全英・全米のヒット・チャートを賑わしていたアーティストや、伝説的なアーティストがこれほど終結した音楽イベントは、後にも先にもないと言われる。それは、まさしく音楽が本来的に持つ国境を越えた巨大なエネルギーを否応なしに感じさせる、地球規模の歴史的な一大コンサートにほかならなかった。
<ライブ・エイド>はUKウェンブリー・スタジアムで現地時刻正午に開幕、追ってUS・JFKスタジアムのステージもスタート。両会場は衛星中継でリンクされ、英国側と米国側で活発なやりとりを交わしながらステージは進行(基本的にイギリス・アメリカ会場と交互にアーティストが歌唱)。そして、ウェンブリーにて午後6時41分、マーク・ノップラー(Mark Knopfler、1949~)率いるダイア―・ストレイツ(Dire Straits)に続いて登場したのがQueen(クイーン)だった。
クイーンの4人組【フレディ・マーキュリー(Freddie Mercury、1946~91)+ブライアン・メイ(Brian May、1947~)+ロジャー・テイラー(Roger Taylor、1949~)+ジョン・ディーコン(John Deacon、1951~)】は、全出演者中、最多の6曲を披露(一部の曲はショート・バージョンでの演奏)。―「ボヘミアン・ラプソディ(Bohemian Rhapsody)」、「レディオ・ガ・ガ(Radio Ga Ga)」、「ハマー・トゥ・フォール(Hammer To Fall)」、「愛という名の欲望(Crazy Little Thing Called Love)」、「ウィ・ウィル・ロック・ユー(We Will Rock You)」、「伝説のチャンピオン(We Are The Champions)」。
そのライブ・パフォーマンスは他の出演者を圧倒し、イギリス会場が一気に盛り上がるほど素晴らしいものだった。冒頭「Bohemian Rhapsody」から沸き起こるシンガロング(sing along)、フレディ・マーキュリーの茶目っぽい発声による「エーオー(Ay‐Oh)」のコール&レスポンス(call and response)、そしてラストを飾る「We Are the Champions」のステージング…。クイーンはMCもほとんど挟まず畳みかけるように次々と演奏、与えられたわずか20分という枠の中で全身全霊のパフォーマンスを見せた。
この<ライブ・エイド>出演が当時、崩壊寸前状態と言われていたクイーンを再浮上させる大きな転機となった。1985年当時、クイーンはレコードの売り上げが全盛期の半分ほどまで落ち込み、“過去のバンド”という烙印を押されていた。その一方で、各メンバーはソロ活動に力を入れており、メディアでは再三にわたって不仲説や解散説が取り沙汰されていた。<ライブ・エイド>当日、クイーンは全世界の観客を相手とする、臨み得る最高の舞台で、持てる力を出しきって、まさに起死回生のパフォーマンスを披露するにいたった―。後日、英国各メディアは報じている、<ライブ・エイド>の主役はクイーンだった(“Queen Steal the Show at Live Aid” )と。
(なお、<ライブ・エイド>のクイーンの演奏曲目について言えば、「クイーン」自体としては前出の6曲であるが、一度ステージを降りてから時間を置き、午後9時48分にクイーンの2人、フレディ・マーキュリーとブライアン・メイのみが再登場して「悲しき世界(Is This The World We Created?)」を演奏しており、これを含めれば7曲ということになる。)
本作『ボヘミアン・ラプソディ』のクライマックスをなすのは、<ライブ・エイド>でのクイーンの再現シーンである。そこでは、前掲の6曲(ないし7曲)から、「ボヘミアン・ラプソディ」「レディオ・ガガ」「ハマー・トゥ・フォール」「伝説のチャンピオン」の4曲が再現された。そして、使われている楽器や衣装はもとより、会場となったウェンブリー・スタジアムのセットや、ステージまわりの各種小物~ピアノの上に置いてある灰皿や飲み物のカップ類~までもが緻密に再現されている。また、フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレック(Rami Malek、1981~)は、優秀なムーブメント・コーチの助けを借りて、<ライブ・エイド>当日のフレディの動きを忠実に再演している。
( the great song from the great singer Freddie Mercury of QUEEN during the LIVE AID Concert 1985|the brilliant performance of actor Rami Malek from the movie BOHEMIAN RHAPSODY 2018)
(クイーンに特徴的なのは、メンバーそれぞれが際立った個性を持つこと。ブライアン・メイは、自作のギター「レッド・スペシャル」とピックの代わりに使用する6ペンス・コインにより独特の音色を奏でるギタリストとして有名。また、ジョン・ディーコンのファンキーかつタイトなベース・プレイや、相反するように派手なドラミングで沸かせるロジャー・テイラーとのコンビもユニーク。そして、“唯一無二”の優れた歌唱力と独自のヴォーカル・パフォーマンスで高く評価されているフレディ・マーキュリー。彼はレザーやタイツを身に着けた衣装からマイクスタンドの使い方まで、後続のヴォーカリストに多大な影響を与えた。)
[※追記(2019/01/28):2019年1月25日(金)、本作を新宿ピカデリーで、18:20~再見]










