映画『モリのいる場所』 | 普通人の映画体験―虚心な出会い

普通人の映画体験―虚心な出会い

私という普通の生活人は、ある一本の映画 とたまたま巡り合い、一回性の出会いを生きる。暗がりの中、ひととき何事かをその一本の映画作品と共有する。何事かを胸の内に響かせ、ひとときを終えて、明るい街に出、現実の暮らしに帰っていく…。

2018年11月19日(月)「ココロヲ・動かす・映画館○(通称ココマルシアター)」(東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-15、JR吉祥寺駅北口徒歩約5分)で、15:30~鑑賞。

「モリのいる場所」

作品データ
製作年 2018年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 99分


2017年に没後40年を迎え、再び注目を集める伝説の画家・熊谷守一(くまがい・もりかず、1880~1977)とその妻・秀子(1898~1984)の晩年の暮らしぶりを、山﨑努と樹木希林という共に日本映画界を代表するベテランの初共演で描いた人間ドラマ。亡くなるまでの約30年にわたり、庭の動植物を観察して描き続けた熊谷守一=モリのエピソードをベースに、晩年のある夏の1日をフィクションとしてユーモラスに描く。監督・脚本は、『モヒカン故郷に帰る』の沖田修一。

ストーリー
1974(昭和49)年の東京・池袋。94歳になる画家のモリ(山﨑努)。彼が暮らす家のちっちゃな庭には草木が生い茂り、彼の描く絵のモデルになるたくさんの虫や猫などが住み着いていた。モリは30年ばかり、じっとその庭の生命たちを飽きもせずに眺めるのを日課にしている。そして、76歳になる妻の秀子(樹木希林)との二人で暮らす家には、毎日のように様々な来客がひっきりなしに訪れる。モリの写真を撮ることに情熱を燃やす若い写真家・藤田(加瀬亮)、モリに看板を描いてもらおうとする温泉旅館の主人・朝比奈(光石研)、隣人の佐伯さん夫婦、郵便屋さんや画商や近所の人々、さらには得体の知れない男まで。今日もモリと彼を愛する老若男女が集う賑(にぎ)やかで可笑(おか)しくて温かな一日が始まる…。

▼予告編