イベント臨時バスの話題
こんにちは。今回は久々にバスの話題です。現在、BRT萬代橋ラインで運行されている4台の連節バス。新潟交通西部営業所に所属していますが、実は新潟市が購入し新潟交通に運行を委託している車両で、車両側面には 「NIIGATA CITY」「NIIGATA KOTSU」と2つのサインが書かれています。スカニア製シャーシにボルグレン「オプティマス」車体を架装した新潟市の連節バス「ツインくる」。日本では唯一(それどころか世界初?)の車両でしたが、最近西鉄に親戚ができました。ちなみに、昨年末頃に運転席側ミラーが改修され、登場時とは若干印象が変わっています。新潟市がこの連節バスを導入した最も大きな目的は常に混雑が予想される「萬代橋ライン」での輸送力確保のためですが、実はもう一つ目的があります。それは「大規模イベント開催時の輸送力確保」。新潟市内で大規模イベントが開催される際、その会場となることが多い「朱鷺メッセ」や「スポーツ公園」は新潟駅からかなり距離があり、イベント開催時は多数の臨時シャトルバスが新潟駅と会場を結んで運行されます。そのシャトルバスとして輸送力の大きい連節バスを利用したい、というのが新潟市の考えです。ちなみに、イベントが開催されることが多い土休日は「BRT萬代橋ライン」での連節バス運用は2運用となるため、2台の余力をイベントシャトルバスで活用可能です。ですが、昨年9月の運行開始以降、連節バスは事故や故障、車両改修などが繰り返し行われたため常に車両不足の状態となってしまい、イベントシャトルバスへの充当は行われてきませんでした。そんな連節バスでしたが、今年度に入るとかなり安定。目立ったトラブルも耳にしなくなりました。そして今年5月、ついにサッカーJ1「アルビレックス新潟」ホームゲーム向け臨時シャトルバスとしての運行が行われました。「直行 スポーツ公園バスターミナル」表示でシャトルバス運用に入った連節001号車。スポーツ公園行き臨時バスの目印、「スタジアムマーク」も表示されています。普段、BRT萬代橋ラインとしての運行時は新潟駅万代口発着となりますが、スポーツ公園行きシャトルバスは新潟駅南口~スポーツ公園バスターミナルでの運行となるため、当日は新潟駅南口に連節バスが発着する珍しい光景を見ようとやってきたバス愛好家の姿が多くみられた他、初のイベントシャトルバス運用を取材するテレビクルーの姿もありました。新潟駅南口で待機する連節001号車。通常運用では連節バスは南口側には入りません。後日新潟交通HPで公表された輸送データでは、輸送人員数は平均で一般バスの1.5~2倍弱、最大では1便で99名を輸送、となっており、新潟市の目論見通り大量輸送に貢献することが証明されました。さて、月日は流れて6月18日。アイドルグループ「AKB48」による大規模イベントが新潟市のハードオフエコスタジアム(エコスタ)で開催されました。「本来のターゲットではない客層」によって指定券瞬殺となった話題の臨時夜行快速「スターライト上野」号や、在来線、新幹線での多数の臨時列車運行など、鉄道の話題も多かったこのイベントですが、バス関連でも話題がありました。エコスタ(野球場)は前述の「スポーツ公園」内の施設で、この日も新潟駅南口~スポーツ公園バスターミナル間で臨時シャトルバスの運行が行われ、連節バスも充当されました。スポーツ公園バスターミナルに到着する連節001号車。連節バス(2台)には専用表示も用意されていました。側面も専用表示に。(往路バージョン)経由地には歴代1位の名前が表示され、左端は今回の結果が入るため「???」に。このようなイベントでは他事業者でも同様の表示を設定した例は多いようです。往路輸送を終え、スポーツ公園で待機する連節001,002号車。ちなみに、専用表示には選挙結果を反映した「復路001号車」「復路002号車」バージョンも用意されおり、話題となったとか。新潟では珍しい「イベント専用表示」まで用意してイベント輸送を完遂した連節バス。運行初期と比べれば問題も少なくなり、運行安定期に入ってきたのかな、という感じもします。活躍の場を少しずつ広げる連節バスの今後に期待です。おまけ。今回のAKBイベント輸送では、連節バスも含め50台近くの車両が動員されましたが、その中には特徴的な車両も含まれており…新潟交通からは最新のエアロスター(内野車)も登板。新潟交通観光バスからは阪急バスからやってきた新発田の58MCに…国際興業からやってきた京ヶ瀬のワンステエルガや…西武バスからやってきた潟東の96MC軍団まで登場。さらには…最近大分からやってきた越後交通三条営業所のノンステエアロスターまで登場。…新潟駅に越後交通(路線車)がやってくること自体、かなり珍しいことではないでしょうか?元・大分バスに取り囲まれる、元・阪急バスの図。…まったく違う見た目ですが、一応全車KC-MP。余談。今回の記事では「スポーツ公園」という言葉を多用しましたが、この「スポーツ公園」には「デンカビッグスワンスタジアム(ビッグスワン)」(サッカー場)と「ハードオフエコスタジアム(エコスタ)」(野球場)があります。サッカーの試合は「ビッグスワン」、6月18日のAKBイベントは「エコスタ」で行われました。なお、いずれの場合でもシャトルバスは「スポーツ公園バスターミナル」発着となります。今回のイベント輸送では、新潟交通はもちろんのこと、越後交通の車両までシャトルバスに使用されましたが、これは珍しいことで、通常のサッカー試合開催時等は新潟交通の車両のみでの運行です。というのも、通常「スポーツ公園」行きシャトルバスは「新潟交通が運行する臨時バス」なのですが、今回のイベントに限り「旅行会社がバスを貸し切って運行するツアーバス」扱いとなったため、各社のバスが集結することになりました。また、運行形態の変更に伴い運賃も変わり、通常の臨時バスが「片道270円、往復500円」のところ、今回はなんと「往復のみ1000円(当日券は1200円)」!それでもシャトルバスは大盛況でした。…いい商売ですよね。一方、安く済ませたい乗客は定期路線に流れ、定期バスが積み残しを大量に出すほど大混雑していたのは何とも言えない光景でした。ちなみに、肝心のイベントの中身ですが…管理人はアイドル関連の知識は皆無なのでノータッチ。それでも、熱気は十分に伝わってきましたし、新潟市による「経済効果15億円」の試算もあながち間違っていないかな、といった様相。いつか、こういう大規模イベントに参加してみたいなぁ、と思いながらもただひたすらバスを記録していた管理人は相当に浮いていたことでしょう(苦笑)それでは。