大変お久しぶりです。気付けば5ヶ月間を開けてしまいました…
さて、この間にもいろいろと話題はあったわけですが、2017年度(ギリギリ)最後にご紹介するのは、今年初めに新潟地区向け量産先行車が製造されたこの車両の話題です。
新津駅構内で入換中のGV-E401-1+GV-E402-1の2両編成。
GV-E400系には、両運転台のGV-E400、片運転台のGV-E401、GV-E402の3形式が存在します。この車両は分類上は「気動車」に当たりますが、ハイブリッド気動車(HB-E系)の様にそれまでの「キハ」などの記号から脱却した形式名となっています。
このGV-E400系は日本では珍しい「電気式気動車」。
一般的な気動車はエンジンにより生じた動力を(トルクコンバーターを介して)車軸に伝えることで列車を動かしていますが、電気式気動車はエンジンにより生じた動力で発電機を動かして電力に変換、その電力でモーターを動かすことで列車を動かしています。
エンジンを直接動力源としないというのはハイブリッド気動車キハE200系、HB-E300系、HB-E210系と同一です。そもそも、このGV-E400系自体それらのハイブリッド気動車から走行用蓄電池を省略したものと考えて良さそうですね。
ヘッドライトは上下2段にLEDが並んだ形状。行先表示は3色ながら表示が切れにくい仕様に。車体の構造は、近年標準の拡幅車体ではなくストレート車体、客用扉も両開きではなく片引きと、キハ110系に近い形に。…ここにきて拡幅車体を見送った理由が少々気になるところです(軽量化…?)
一度生じさせた動力を電力に変換するなど一見無駄が多いように見える電気式ですが、この方式では現在JR東日本管内で主力となっている「電車」の動力システムと共通化することが可能で、保守作業などの過程で電車で培ってきた技術や経験を生かすことが出来る、とのこと。
ただ、電気式気動車ではエンジンの他に発電機、さらにはモーターまで搭載することから重量が増加してしまうというデメリットがあり、それ故に軌道が弱い日本の鉄道ではあまり採用されてきませんでした。
その点はGV-E400系でも顕著で、車体の軽量化、機器の小型化などを進めたものの、重量はあの「重たい車体に非力なエンジン」と言われるキハ40系列を超えるほどとなっています。
新潟地区では新津運輸区に配置されているキハ40系列の老朽取り替え用に2019年度から導入し、現在新津車が運用されている(ほぼ)全ての線区への投入が予定されています。また、秋田地区への導入も行われるようです。
(現在新津車が快速「べにばな」として運用されている白新線が運行予定線区に記載されていないのが少々気になるところですが…)
全面、側面共に6色の小さな四角形が並んだ特徴的なカラーリングのGV-E400系(新津車)
排障器に欠取はありますが、現時点では電連は取り付けられていません。
現在、GV-E400系は運用予定線区を中心に性能確認のための試運転を行っています。
登場当時は無かった助手席側窓の形式表示も入り、だんだんと新潟の地に馴染んできたようにも見えます。
また、保安装置についてもATS-P、Psの両方を搭載していますので来月から供用開始となる新潟駅高架ホームへの乗り入れにも対応しています。
新潟地区では、電化区間の主役は新型E129系へと変わりました。今度は非電化区間に置き換えの波がやってくる…予定です
今後2年程度で試運転の結果を反映したGV-E400系量産車が登場し、新津の気動車は順次置換えられていくと思われます。また、3月のダイヤ改正以降、新津の気動車は保安装置の関係でキハE120系やキハ47、キハ48が新潟駅に「出禁」(中間封じ込めなら可)となった関係で運用が変化しており、新津の気動車は「今が旬」なのかも知れません。
見慣れた風景の記録も忘れずに…
それでは。