2019年度最初の話題は…やっぱりE257系です。
定期運用最終日、「あずさ26号」として発車を待つE257系。同系列の定期列車としては最後となる大糸線南小谷乗り入れを担当したのは、2002年9月に落成した末っ子、M-116編成でした。この編成は、3月11日以降クハE257-116左側のHID灯が切れたままとなっていました。現在は新潟車両センターに疎開留置中。
2019年4月現在、E257系0番台として製造された154両全車両が運用を失った状態で、一部編成が細々と団体臨時列車などに充当されているのを除けば、ほとんどの車両が各地の車庫等に留置されているか、工場に入場中。
元々敷地の狭い松本車両センターには運用を終えた車両を留置しておくスペースも無く、現時点で松本に残っている車両は2両編成のM-203編成のみで、基本編成は長野、塩尻、幕張、尾久、東大宮、新潟と各地に分散留置されています。一方、付属編成については、現在も松本に残るM-203編成を除いた全ての編成が長野に集められた状態ですが、その構造の特殊さから転用されることなく廃車となる可能性が高いとみられています。
そんなE257系ですが、中央線での運用を終えた後はリニューアルを行った上で東海道線系統への転用が発表されています。昨年9月にはM-112編成が長野に、11月にはM-103編成が秋田に入場し、E257系のリニューアル工事が開始となっていましたが、今年3月~4月に両編成ともにE257系初の「リニューアル車」として出場しました。
管理人は、幸運にも両編成の出場を目撃できましたので、ご紹介します。
まずは、長野総合車両センターで改造を受けた、M-112編成改め「NA-09編成」。
冷たい雨の中、通い慣れた中央線をEF64 1032に牽引されて上ってきたNA-09編成。ライトは全てLEDとなり、テールライトは愛称表示器下からヘッドライトのHID灯部分に移動。前面やスカートの塗装も大きく変更され、より厳つい顔つきになりました。白と黒のシンプルなデザインが異彩を放っていましたが…
3月7日に長野車両センターを出場し、大宮総合車両センターまで輸送されたNA-09編成は、下記の編成を組んでいます。
↑新宿・東京方面(中央線基準)
クハE257-2112 (←クハE257-112)
◆モハE257-2012 (←モハE257-12)
モハE256-2012 (←モハE256-12)
◆モハE257-3012 (←モハE257-1012)
サハE257-2012 (←サハE257-12)
サロE257-2012 (←サロハE257-12)
◆モハE257-2112 (←モハE257-112)
モハE256-2112 (←モハE256-112)
クハE256-2012 (←クハE256-12)
↓甲府・松本方面
編成自体は以前と変わらず、所属表記は、大宮総合車両センターを表す「宮オオ」。
車番は、全車が原番号+2000となっていますので、新たな番台区分「E257系2000番台」となるようです。
元の車番は「0番台」であり、一見「1000番台」を飛ばしたように見えますが、実は0番台のうち1M方式の中間車(6号車)がモハE257-1000を名乗っていたので、2000番台となるのが順当。
「サロハE257」改め「サロE257」。普通車区画もグリーン車に改造されました。
注目されていたグリーン車ですが、従来の半室構造(普通車合造)から全室に変更となっています。従来の普通車区画もグリーン席とし、従来のグリーン車区画とシートピッチを合せているため、窓割りと合わない「ハズレ席」が発生しています。同じく普通車を改造したE653系のグリーン車とは対照的。
ちょっと不思議な新しいロゴマーク。「SERIES E257」の文字は0番台のロゴから引き継ぐ形に。0番台では全ての号車にそれぞれ固有のイラストマークが設定されていましたが、2000番台では全号車共通となっています。何かを象ったデザインなのでしょうか…?
ちょっと見づらいですが、座席も更新。青色基調で黒色の固定枕がついているように見えます。
車内は座席を中心にリニューアル。黒を基調としカラフルな菱形模様が特徴的だった座席表地は青+黒の新しいデザインとなり、枕部分にクッションを設置していますが、座席のフレーム自体は従来のものを流用している様です。窓側にはコンセントを設置。また、荷棚にはE353系と同様の着席表示ランプが設置されています。ただ、このNA-09編成は新しい青色の座席と従来の黒色の座席が混在するという不思議な状態となっていました。
「白と黒のシンプルすぎる塗装」「前面に中途半端に入った青色」「新旧混在した座席」「長野出場直後に大宮入場」と、ちょっと不思議なポイントが多かったNA-09編成ですが、出場と前後して公開されたJR系労組の資料に「E257系投入の遅れ」という文言が見つかります。「工程が予定の60日から80日に延びた」「第1編成は塗装など残工事が発生」「工事が終わるまでは松本所属、対応は長野で行う」と記載されており、どうやらこのNA-09編成は「未完成」の状態で長野を出場したようです。
では、「完成形」はどのような姿なのかと言うと…
時は流れて4月9日。
秋田に入場しリニューアル工事を施工されていたM-103改め「NA-03」編成が出場、EF81 134の牽引で尾久まで輸送されました。
新津駅に停車中のE257系2000番台NA-03編成。
白黒だったNA-09編成とは違う、青色を大胆に用いたデザイン。これが「完成形」のようです。
NA-09編成は青色を塗り終えることができないまま出場となったんですね。
ただ、このNA-03編成、外観は「完成形」のようですが、中身はそうでもないようで…
NA-03編成と、E257系2000番台の詳細については、次回の記事でご紹介します。
それでは。