REIT:物件タイプをみる
財務面やスポンサーリスク等の話が先行しましたが、REITの価値を決めるのは結局のところ個々の物件の良し悪しとポートフォリオマネジメントの巧拙で
す。個別物件は余りにも多く、またブツは実際に見ないとなんともいえませんが、ポートフォリオの面から少しだけ整理します。
まず各銘柄を物件カテゴリから整理すると以下のようになります(もっと細かく分類すると11種類くらいになるという専門家もいますが、それはREITアナリストにお任せしましょう)。
1.レジ中心 :プロスペクト(100%)、スターツ(100%)、日本レジ(99.36%)、ビ・ライフ(95.29%)
2.オフィス中心 :DAオフィス(100%)、クリード(91.75%)、ケネディクス(86.9%)、MID(81.68%)
3.商業施設中心 :ラサール(63.92%)
4.バランス型 :プレミア(オフィス46.42%、レジ53.38%)、クレッシェンド(同46.87%、44.0%)
(各銘柄別の物件カテゴリシェア)
レジデンス系については、立地にもよりますが都内主要5区近辺・近郊で利便性の高い賃貸物件への需要は底堅いと思います。5区内のシングル向けのような投 資物件の稼働率は少し落ちているようですが、ファミリー向けの近郊物件には実需がありますから、大きく崩れることは無いのではないでしょうか。ただし雑誌 等でも盛んにいわれていますが、超郊外(首都圏でも通勤2時間超等の地域)の物件などを持っていると正直キツイかもしれませんね。最近北関東の物件を仕事 で視察しましたが閑古鳥でした。
オフィスは全国的には空室率が落ちてきており、都内でも徐々に契約賃料の引き下げを聞くようになりまし た。ただし都内の空室率は深刻というほどの落ち込みには至っていません。最近稼動し始めたAクラスビルには満室に遠いものもあるようですが、REITの取 得対象でいえばまだ97~99%程度の稼動を保っているようです。ただし地方は今後厳しいかもしれません。
商業施設系は、消費・小売の 景況低迷を考えるとちょっとリスクがあるかもしれません。大型テナント退店による空室リスクや、退去をちらつかせた大幅な賃料減額交渉を迫られる懸念があ るからです。たとえばトップリート保有物件ではイトーヨーカ堂が退店を撤回する代りに賃料の35%減を実現したというような話もあります。ホテル系は正直 よく分からないところがあります。景気との絡みでいえば観光需要や出張ユーザーのリピートが減り、稼働率に影響があると思いますが、データをみるかぎりで はREIT保有ホテルの稼働率はまだかなり高い水準です(そのような下方リスクを織り込んで買えるモノを取得しているとも考えられます)。ただしレジデン ス等に比べると長期的には不安要素もあるかもしれません。
まず各銘柄を物件カテゴリから整理すると以下のようになります(もっと細かく分類すると11種類くらいになるという専門家もいますが、それはREITアナリストにお任せしましょう)。
1.レジ中心 :プロスペクト(100%)、スターツ(100%)、日本レジ(99.36%)、ビ・ライフ(95.29%)
2.オフィス中心 :DAオフィス(100%)、クリード(91.75%)、ケネディクス(86.9%)、MID(81.68%)
3.商業施設中心 :ラサール(63.92%)
4.バランス型 :プレミア(オフィス46.42%、レジ53.38%)、クレッシェンド(同46.87%、44.0%)
(各銘柄別の物件カテゴリシェア)
レジデンス系については、立地にもよりますが都内主要5区近辺・近郊で利便性の高い賃貸物件への需要は底堅いと思います。5区内のシングル向けのような投 資物件の稼働率は少し落ちているようですが、ファミリー向けの近郊物件には実需がありますから、大きく崩れることは無いのではないでしょうか。ただし雑誌 等でも盛んにいわれていますが、超郊外(首都圏でも通勤2時間超等の地域)の物件などを持っていると正直キツイかもしれませんね。最近北関東の物件を仕事 で視察しましたが閑古鳥でした。
オフィスは全国的には空室率が落ちてきており、都内でも徐々に契約賃料の引き下げを聞くようになりまし た。ただし都内の空室率は深刻というほどの落ち込みには至っていません。最近稼動し始めたAクラスビルには満室に遠いものもあるようですが、REITの取 得対象でいえばまだ97~99%程度の稼動を保っているようです。ただし地方は今後厳しいかもしれません。
商業施設系は、消費・小売の 景況低迷を考えるとちょっとリスクがあるかもしれません。大型テナント退店による空室リスクや、退去をちらつかせた大幅な賃料減額交渉を迫られる懸念があ るからです。たとえばトップリート保有物件ではイトーヨーカ堂が退店を撤回する代りに賃料の35%減を実現したというような話もあります。ホテル系は正直 よく分からないところがあります。景気との絡みでいえば観光需要や出張ユーザーのリピートが減り、稼働率に影響があると思いますが、データをみるかぎりで はREIT保有ホテルの稼働率はまだかなり高い水準です(そのような下方リスクを織り込んで買えるモノを取得しているとも考えられます)。ただしレジデン ス等に比べると長期的には不安要素もあるかもしれません。
REIT:分配金、外部成長
今回は、利回りの分子を構成する分配金と、その成長の源泉となる外部成長(物件保有額の動き)についてみてみます。
(分配金と保有物件額の増減)
まず分配と株価の関係ですが、今期に大幅な増配を行ったFCレジデンシャルやプレミア、MIDリートは株価も10万円以上をキープしています。配当水準が そもそも低いジャパン・シングル、プロスペクトトは株価5万円割れです。東京グロースも株価7万円台と低迷しています。
大幅な減配となったジャ パン・シングル、クレッシェンド、クリード、エル・シー・ピーは株価の動きとしても急落しています。収益の基礎なる物件保有額をみると(右表)、FCレジ デンシャルは3割近い減少であり先行きは暗いかもしれません(そもそもファンド規模も小さい)。また半数の10銘柄で保有額の伸び率がマイナスか5%程度 に留まっており、外部成長へ向けた動きは鈍くなっています(ただし昨年から今年初めは物件価格が高止まりして買えなかったという背景もあるでしょう)。
そもそも、REITが分配金を増やしていくには賃料またはNOIを上げるか(内部成長)、物件を増やしていくか(外部成長)しかありません。日本の REITはスタートしてまだ数年ですから、一部の老舗銘柄を除けばまだ規模を追わないといけない段階のものが少なくありません。おおまかにいえば保有総額 1,000億円未満はスモールキャップといえるでしょうが、利回り上位19銘柄のうちだけでも半分以上の10銘柄で1,000億円未満となっています。そ のうち4銘柄は500億円も下回っています(FCレジデンシャル、ビ・ライフ、東京グロース、日本ホテルファンド)。こうした状態だと1物件の取得の成否 や賃料上下で分配金が大きく増減するので投資家は不安になります。今はとても物件を積み増す余裕はないでしょうが安値で拾える時期とも考えられるので、良 い出物を地味に取得している銘柄は注目かもしれません。
(分配金と保有物件額の増減)
まず分配と株価の関係ですが、今期に大幅な増配を行ったFCレジデンシャルやプレミア、MIDリートは株価も10万円以上をキープしています。配当水準が そもそも低いジャパン・シングル、プロスペクトトは株価5万円割れです。東京グロースも株価7万円台と低迷しています。
大幅な減配となったジャ パン・シングル、クレッシェンド、クリード、エル・シー・ピーは株価の動きとしても急落しています。収益の基礎なる物件保有額をみると(右表)、FCレジ デンシャルは3割近い減少であり先行きは暗いかもしれません(そもそもファンド規模も小さい)。また半数の10銘柄で保有額の伸び率がマイナスか5%程度 に留まっており、外部成長へ向けた動きは鈍くなっています(ただし昨年から今年初めは物件価格が高止まりして買えなかったという背景もあるでしょう)。
そもそも、REITが分配金を増やしていくには賃料またはNOIを上げるか(内部成長)、物件を増やしていくか(外部成長)しかありません。日本の REITはスタートしてまだ数年ですから、一部の老舗銘柄を除けばまだ規模を追わないといけない段階のものが少なくありません。おおまかにいえば保有総額 1,000億円未満はスモールキャップといえるでしょうが、利回り上位19銘柄のうちだけでも半分以上の10銘柄で1,000億円未満となっています。そ のうち4銘柄は500億円も下回っています(FCレジデンシャル、ビ・ライフ、東京グロース、日本ホテルファンド)。こうした状態だと1物件の取得の成否 や賃料上下で分配金が大きく増減するので投資家は不安になります。今はとても物件を積み増す余裕はないでしょうが安値で拾える時期とも考えられるので、良 い出物を地味に取得している銘柄は注目かもしれません。
REIT:スポンサーと格付
REITは物件の調達を巡るパイプライン契約や、運用会社の資本、人材確保等の面でスポンサー(大株主、設立母体等)への依存度が高いのは確かです。そ
の一方、REITの財務はスポンサー会社から切り離されており、スポンサーの信用リスクが波及する可能性は一般的にいってありません。また仮にスポンサー
に万一のことがあったとしても、REITが保有する物件のテナントがすぐさま退去になったりするわけでもないので、投資口の保有者としては分配金がゼロに
なったりすることもありえません。
しかし今の市場は明らかにスポンサーリスクがREIT本体と同じであるかのように評価しているといってよいでしょう。これは信用リスクだけではなく、
「利益相反リスク」
へ の懸念も大きいと考えられます。私募ファンドの組成とアセット・マネジメントで急成長してきた新興系スポンサーの中には私募ファンドのEXIT先として REITを想定していた場合が少なくないと思われるからです。実際、プロスペクト、ラサール、クリード等では取得物件の鑑定評価が甘いであるとか、物件の アスベストの検査が不十分であるといった指摘を証券取引等監視委員会から受けており、これに基づいて金融庁が業務改善を命じる等の行政処分がなされていま す。
しかしそうした指摘が多少あったとしても、構造計算問題事件のときのように物件全体が瑕疵まみれで使用に耐えないといった事例はそうそうあ るものではないでしょう。むしろ行政処分等を通じて他のREITでも管理の適正化がなされていけば、今後の違反事例は減っていくわけで株価がここまで下が る理由にはならないと思います。
しかし、実際問題としてスポンサーリスクが市場で語られていることも事実でしょうから、格付とあわせてまとめてみると以下のとおりです(出所:上記ダイヤモンドと同じ)。
(REITのスポンサーと格付)
スポンサー本体の資金調達困難が伝えられるパシフィック系の2銘柄(日本レジ、日本コマ)はいずれも投資不適格寸前で、なおかつ格下げ方向で見直し中で す。クリードも投資不適格寸前となっています。インボイスは傘下のダイナシティが破綻して200億円以上の損失を出しています(ジャパン・シングル・レジ デンス)。ただし破綻したニューシティ・レジデンスは破綻直前までAA格だったため格付があてにならない可能性も十分あります。リプラスの破産も突然のこ とでした。
しかし最初に書いたように、REITはスポンサーの信用リスクとは切り離されています。またスポンサーが仮に法的処理に 入った場合でも(多少の右往左往はあるかもしれませんが)、入札で速やかに後継スポンサーが決まればREITの運営は維持されるでしょう。リプラスを米系 ディストレスファンドのオークツリーがTOBしたのが好例です。昔に高値で買って回収できていない投資家は別として、最近の底値で拾っている投資家なら TOBでプレミアム付きで引き取ってもらえるならばある意味「たなぼた」と考えることもできます。最悪、後継スポンサーが決まらずに清算される場合はどの 程度純資産があるかによりますが、今の不動産市況ではREITが保有する多数の物件を簿価を上回る値段で売り切ることは至難でしょう。したがって貸し手銀 行団は却って債権の回収が困難になりますから、民事再生でもREIT同士のM&Aでもして(M&Aには実現可能性に議論があるようですが)、存続 を図るのではないでしょうか。そのように考えるなら、スポンサーリスクだけがクローズアップされて売られている銘柄はむしろ買い場なのかもしれません (注:言うまでもありませんが、特定銘柄の買いや売りを推奨するものではございません。投資は自己責任でお願いします(笑))。
しかし今の市場は明らかにスポンサーリスクがREIT本体と同じであるかのように評価しているといってよいでしょう。これは信用リスクだけではなく、
「利益相反リスク」
へ の懸念も大きいと考えられます。私募ファンドの組成とアセット・マネジメントで急成長してきた新興系スポンサーの中には私募ファンドのEXIT先として REITを想定していた場合が少なくないと思われるからです。実際、プロスペクト、ラサール、クリード等では取得物件の鑑定評価が甘いであるとか、物件の アスベストの検査が不十分であるといった指摘を証券取引等監視委員会から受けており、これに基づいて金融庁が業務改善を命じる等の行政処分がなされていま す。
しかしそうした指摘が多少あったとしても、構造計算問題事件のときのように物件全体が瑕疵まみれで使用に耐えないといった事例はそうそうあ るものではないでしょう。むしろ行政処分等を通じて他のREITでも管理の適正化がなされていけば、今後の違反事例は減っていくわけで株価がここまで下が る理由にはならないと思います。
しかし、実際問題としてスポンサーリスクが市場で語られていることも事実でしょうから、格付とあわせてまとめてみると以下のとおりです(出所:上記ダイヤモンドと同じ)。
(REITのスポンサーと格付)
スポンサー本体の資金調達困難が伝えられるパシフィック系の2銘柄(日本レジ、日本コマ)はいずれも投資不適格寸前で、なおかつ格下げ方向で見直し中で す。クリードも投資不適格寸前となっています。インボイスは傘下のダイナシティが破綻して200億円以上の損失を出しています(ジャパン・シングル・レジ デンス)。ただし破綻したニューシティ・レジデンスは破綻直前までAA格だったため格付があてにならない可能性も十分あります。リプラスの破産も突然のこ とでした。
しかし最初に書いたように、REITはスポンサーの信用リスクとは切り離されています。またスポンサーが仮に法的処理に 入った場合でも(多少の右往左往はあるかもしれませんが)、入札で速やかに後継スポンサーが決まればREITの運営は維持されるでしょう。リプラスを米系 ディストレスファンドのオークツリーがTOBしたのが好例です。昔に高値で買って回収できていない投資家は別として、最近の底値で拾っている投資家なら TOBでプレミアム付きで引き取ってもらえるならばある意味「たなぼた」と考えることもできます。最悪、後継スポンサーが決まらずに清算される場合はどの 程度純資産があるかによりますが、今の不動産市況ではREITが保有する多数の物件を簿価を上回る値段で売り切ることは至難でしょう。したがって貸し手銀 行団は却って債権の回収が困難になりますから、民事再生でもREIT同士のM&Aでもして(M&Aには実現可能性に議論があるようですが)、存続 を図るのではないでしょうか。そのように考えるなら、スポンサーリスクだけがクローズアップされて売られている銘柄はむしろ買い場なのかもしれません (注:言うまでもありませんが、特定銘柄の買いや売りを推奨するものではございません。投資は自己責任でお願いします(笑))。
ソフトバンクのCDO(続報)
「ソフトバンク 特損、最大で750億円も CDO巡る疑念浮上」 日経2008年11月18日
ソフトバンクが保有する「合成CDO(債 務担保証券)」と呼ぶデリバティブ(金融派生商品)に全額焦げ付きの恐れが出てきた。二〇〇九年三月期にも最大七百五十億円の特別損失が生じる可能性があ る。米国発の金融危機が波及した形だが、なぜ複雑な金融商品を購入する必要があったのか疑問の声もあがる。
「あと二銘柄デフォルト(債務不履行)すると特損が七百五十億円ある」。孫正義社長は先月二十九日の決算説明会でこう説明した。
一般的に合成CDOはクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を組み合わせて構成する証券化商品。CDSの対象企業の信用リスクをまとめて肩代わりす る形で「保証料」を受け取る仕組みだ。ソフトバンクの場合は、百六十の構成銘柄のうち八銘柄がデフォルトすると七百五十億円の全額が損失になるという。前 期の連結純利益の七割に当たる損失発生の可能性があるということになる。
孫社長によるとCDOは、買収先の旧ボーダフォンの社債を事実上繰り上げ償還したのに伴って購入したものという。
〇六年四月、ソフトバンクは英ボーダフォンから日本法人(旧ボーダフォン)を、短期のつなぎ融資を使って買収。短期融資を、事業証券化で調達した長期資金 に置き換えようとしたが、その際に、旧ボーダフォンの社債千億円(償還済み二百五十億円)を繰り上げ償還する必要が生じた。
社債を投資家から買い戻して償還するのは無理なため、償還額に見合う資金を別途確保することで実質的に繰り上げ償還の効果を得る財務手法を活用。その一時的な資金の預け先(運用先)に選んだのが合成CDOだった。
こうした場合、会計の実務指針では資金の運用先についても「元利金が保全される高い信用格付けの金融資産」を求めている。ソフトバンクは「国債も検討した」(孫社長)が、結局はゴールドマン・サックスが組成してAAの格付けだった合成CDOを選んだ。
「元利金が保全される」商品として国債並みの高格付けを与えたムーディーズ・ジャパンの大槻栄美子氏は「二年前にデフォルトは想定されていなかった」と話す。
ルール上は繰り上げ償還社債の担保の開示義務はない。ソフトバンクは「アナリスト説明会で言ってきた」。デフォルトが六銘柄に及び、損失の可能性を一般投資家に伝えた。
CDO格下げの可能性に対応し、みずほコーポレート銀行と七月末に信用補完契約を結んだ。全額焦げ付いても社債の償還資金にみずほコーポの事実上の保証が 付き、携帯事業の融資も保たれる。「今の情勢では全損は確実」(外資系証券会社)という。一〇年八-九月に再び七百五十億円の償還資金が必要になる見通し だ。
ソフトバンクが保有する「合成CDO(債 務担保証券)」と呼ぶデリバティブ(金融派生商品)に全額焦げ付きの恐れが出てきた。二〇〇九年三月期にも最大七百五十億円の特別損失が生じる可能性があ る。米国発の金融危機が波及した形だが、なぜ複雑な金融商品を購入する必要があったのか疑問の声もあがる。
「あと二銘柄デフォルト(債務不履行)すると特損が七百五十億円ある」。孫正義社長は先月二十九日の決算説明会でこう説明した。
一般的に合成CDOはクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を組み合わせて構成する証券化商品。CDSの対象企業の信用リスクをまとめて肩代わりす る形で「保証料」を受け取る仕組みだ。ソフトバンクの場合は、百六十の構成銘柄のうち八銘柄がデフォルトすると七百五十億円の全額が損失になるという。前 期の連結純利益の七割に当たる損失発生の可能性があるということになる。
孫社長によるとCDOは、買収先の旧ボーダフォンの社債を事実上繰り上げ償還したのに伴って購入したものという。
〇六年四月、ソフトバンクは英ボーダフォンから日本法人(旧ボーダフォン)を、短期のつなぎ融資を使って買収。短期融資を、事業証券化で調達した長期資金 に置き換えようとしたが、その際に、旧ボーダフォンの社債千億円(償還済み二百五十億円)を繰り上げ償還する必要が生じた。
社債を投資家から買い戻して償還するのは無理なため、償還額に見合う資金を別途確保することで実質的に繰り上げ償還の効果を得る財務手法を活用。その一時的な資金の預け先(運用先)に選んだのが合成CDOだった。
こうした場合、会計の実務指針では資金の運用先についても「元利金が保全される高い信用格付けの金融資産」を求めている。ソフトバンクは「国債も検討した」(孫社長)が、結局はゴールドマン・サックスが組成してAAの格付けだった合成CDOを選んだ。
「元利金が保全される」商品として国債並みの高格付けを与えたムーディーズ・ジャパンの大槻栄美子氏は「二年前にデフォルトは想定されていなかった」と話す。
ルール上は繰り上げ償還社債の担保の開示義務はない。ソフトバンクは「アナリスト説明会で言ってきた」。デフォルトが六銘柄に及び、損失の可能性を一般投資家に伝えた。
CDO格下げの可能性に対応し、みずほコーポレート銀行と七月末に信用補完契約を結んだ。全額焦げ付いても社債の償還資金にみずほコーポの事実上の保証が 付き、携帯事業の融資も保たれる。「今の情勢では全損は確実」(外資系証券会社)という。一〇年八-九月に再び七百五十億円の償還資金が必要になる見通し だ。
REIT:借入関連②~短期・金利・地銀
前回に引き続き、REITの借入関連の指標をみてみます。ちょうど週間ダイヤモンドがいいデータを集計しているのでこれを参考にします。
(短期借入比率・金利悪化度・地銀借入比率)
(注)データ出所:「週間ダイヤモンド」(11月15日号)
まず借入金全体に占める短期借入金(1年以内返済)の比率ですが、ラサールで4割、ジャパン・シングル・レジデンスと日本ホテルファンドで3割前後ありま すが、その他の銘柄では0~13%程度とそれほど高くありません。REITは不動産ファンドといっても長期保有が前提で私募ファンドのように短期でレバ レッジ効果を狙う必要はないため、この水準は普通です。
一方、借入金の調達条件の悪化度合いとして調達金利の上昇(ベーシスポイント)をみ ると、クリード、プロスペクトの70bp以上悪化をはじめとして大半が20bp以上の悪化しています。期間よりも金利による圧迫感が強いといえるでしょ う。金利は相当上がってきているので、銘柄によっては分配金の減額⇒予想利回りの低下を招く場合もあるかもしれません。
なお借入先として地銀の シェアが高い場合にも注意が必要です。地方金融機関は業績悪化から融資の引き揚げ圧力が高まっている可能性が高いからです。そもそもREITに融資する際 にも親密なメガバンクや信託に”ぶら下がる”形での融資が多いと思われ、市場環境が悪化すれば一挙に回収されるリスクは否定できません。
ただし、借換え期日がいつ頃になっているのかは要注意です。この冬と来年3月の2つの資金繰りの山を越えた時期であれば今のような急激な危機への政策的対 応策なども整っているでしょうが、それまでに山場がくる場合はより注意したほうがいいかもしれないですね。各社のウェブサイトで借入の足がみれます。以下 の表では来年の5月までの借換え期日をまとめています。
(借換え期日:~2009年5月末)
表 をみると12月注に日本レジデンシャルで152億円、スターツで39億円、ケネディクスで20億円の借換えがあります(11月にも日本レジで20億円、 DAオフィスで25億円ありますが期近なので載せていません)。1月以降はケネディクスが1~3月に毎月期日が到来します。またジャパン・ホテル・アン ド・リゾーツは2月に190億円・4月に102億円と比較的大きな借換えを予定しています。またケネディクスは4月まで毎月借換えの到来があります。日本 コマーシャルは3月に165億円の山があります。このように1年以内の期日といっても来春までに頻繁な借換えが生じる先があります。一方でクレッシェンド のようにそもそも短期借入がゼロとかFC・ラサールのように当面借換えが無いという先もあるので資金繰り面の評価が株価に出ている可能性はあるのかもしれ ません。
(短期借入比率・金利悪化度・地銀借入比率)
(注)データ出所:「週間ダイヤモンド」(11月15日号)
まず借入金全体に占める短期借入金(1年以内返済)の比率ですが、ラサールで4割、ジャパン・シングル・レジデンスと日本ホテルファンドで3割前後ありま すが、その他の銘柄では0~13%程度とそれほど高くありません。REITは不動産ファンドといっても長期保有が前提で私募ファンドのように短期でレバ レッジ効果を狙う必要はないため、この水準は普通です。
一方、借入金の調達条件の悪化度合いとして調達金利の上昇(ベーシスポイント)をみ ると、クリード、プロスペクトの70bp以上悪化をはじめとして大半が20bp以上の悪化しています。期間よりも金利による圧迫感が強いといえるでしょ う。金利は相当上がってきているので、銘柄によっては分配金の減額⇒予想利回りの低下を招く場合もあるかもしれません。
なお借入先として地銀の シェアが高い場合にも注意が必要です。地方金融機関は業績悪化から融資の引き揚げ圧力が高まっている可能性が高いからです。そもそもREITに融資する際 にも親密なメガバンクや信託に”ぶら下がる”形での融資が多いと思われ、市場環境が悪化すれば一挙に回収されるリスクは否定できません。
ただし、借換え期日がいつ頃になっているのかは要注意です。この冬と来年3月の2つの資金繰りの山を越えた時期であれば今のような急激な危機への政策的対 応策なども整っているでしょうが、それまでに山場がくる場合はより注意したほうがいいかもしれないですね。各社のウェブサイトで借入の足がみれます。以下 の表では来年の5月までの借換え期日をまとめています。
(借換え期日:~2009年5月末)
表 をみると12月注に日本レジデンシャルで152億円、スターツで39億円、ケネディクスで20億円の借換えがあります(11月にも日本レジで20億円、 DAオフィスで25億円ありますが期近なので載せていません)。1月以降はケネディクスが1~3月に毎月期日が到来します。またジャパン・ホテル・アン ド・リゾーツは2月に190億円・4月に102億円と比較的大きな借換えを予定しています。またケネディクスは4月まで毎月借換えの到来があります。日本 コマーシャルは3月に165億円の山があります。このように1年以内の期日といっても来春までに頻繁な借換えが生じる先があります。一方でクレッシェンド のようにそもそも短期借入がゼロとかFC・ラサールのように当面借換えが無いという先もあるので資金繰り面の評価が株価に出ている可能性はあるのかもしれ ません。