ソフトバンクのCDO(続報)
「ソフトバンク 特損、最大で750億円も CDO巡る疑念浮上」 日経2008年11月18日
ソフトバンクが保有する「合成CDO(債 務担保証券)」と呼ぶデリバティブ(金融派生商品)に全額焦げ付きの恐れが出てきた。二〇〇九年三月期にも最大七百五十億円の特別損失が生じる可能性があ る。米国発の金融危機が波及した形だが、なぜ複雑な金融商品を購入する必要があったのか疑問の声もあがる。
「あと二銘柄デフォルト(債務不履行)すると特損が七百五十億円ある」。孫正義社長は先月二十九日の決算説明会でこう説明した。
一般的に合成CDOはクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を組み合わせて構成する証券化商品。CDSの対象企業の信用リスクをまとめて肩代わりす る形で「保証料」を受け取る仕組みだ。ソフトバンクの場合は、百六十の構成銘柄のうち八銘柄がデフォルトすると七百五十億円の全額が損失になるという。前 期の連結純利益の七割に当たる損失発生の可能性があるということになる。
孫社長によるとCDOは、買収先の旧ボーダフォンの社債を事実上繰り上げ償還したのに伴って購入したものという。
〇六年四月、ソフトバンクは英ボーダフォンから日本法人(旧ボーダフォン)を、短期のつなぎ融資を使って買収。短期融資を、事業証券化で調達した長期資金 に置き換えようとしたが、その際に、旧ボーダフォンの社債千億円(償還済み二百五十億円)を繰り上げ償還する必要が生じた。
社債を投資家から買い戻して償還するのは無理なため、償還額に見合う資金を別途確保することで実質的に繰り上げ償還の効果を得る財務手法を活用。その一時的な資金の預け先(運用先)に選んだのが合成CDOだった。
こうした場合、会計の実務指針では資金の運用先についても「元利金が保全される高い信用格付けの金融資産」を求めている。ソフトバンクは「国債も検討した」(孫社長)が、結局はゴールドマン・サックスが組成してAAの格付けだった合成CDOを選んだ。
「元利金が保全される」商品として国債並みの高格付けを与えたムーディーズ・ジャパンの大槻栄美子氏は「二年前にデフォルトは想定されていなかった」と話す。
ルール上は繰り上げ償還社債の担保の開示義務はない。ソフトバンクは「アナリスト説明会で言ってきた」。デフォルトが六銘柄に及び、損失の可能性を一般投資家に伝えた。
CDO格下げの可能性に対応し、みずほコーポレート銀行と七月末に信用補完契約を結んだ。全額焦げ付いても社債の償還資金にみずほコーポの事実上の保証が 付き、携帯事業の融資も保たれる。「今の情勢では全損は確実」(外資系証券会社)という。一〇年八-九月に再び七百五十億円の償還資金が必要になる見通し だ。
ソフトバンクが保有する「合成CDO(債 務担保証券)」と呼ぶデリバティブ(金融派生商品)に全額焦げ付きの恐れが出てきた。二〇〇九年三月期にも最大七百五十億円の特別損失が生じる可能性があ る。米国発の金融危機が波及した形だが、なぜ複雑な金融商品を購入する必要があったのか疑問の声もあがる。
「あと二銘柄デフォルト(債務不履行)すると特損が七百五十億円ある」。孫正義社長は先月二十九日の決算説明会でこう説明した。
一般的に合成CDOはクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を組み合わせて構成する証券化商品。CDSの対象企業の信用リスクをまとめて肩代わりす る形で「保証料」を受け取る仕組みだ。ソフトバンクの場合は、百六十の構成銘柄のうち八銘柄がデフォルトすると七百五十億円の全額が損失になるという。前 期の連結純利益の七割に当たる損失発生の可能性があるということになる。
孫社長によるとCDOは、買収先の旧ボーダフォンの社債を事実上繰り上げ償還したのに伴って購入したものという。
〇六年四月、ソフトバンクは英ボーダフォンから日本法人(旧ボーダフォン)を、短期のつなぎ融資を使って買収。短期融資を、事業証券化で調達した長期資金 に置き換えようとしたが、その際に、旧ボーダフォンの社債千億円(償還済み二百五十億円)を繰り上げ償還する必要が生じた。
社債を投資家から買い戻して償還するのは無理なため、償還額に見合う資金を別途確保することで実質的に繰り上げ償還の効果を得る財務手法を活用。その一時的な資金の預け先(運用先)に選んだのが合成CDOだった。
こうした場合、会計の実務指針では資金の運用先についても「元利金が保全される高い信用格付けの金融資産」を求めている。ソフトバンクは「国債も検討した」(孫社長)が、結局はゴールドマン・サックスが組成してAAの格付けだった合成CDOを選んだ。
「元利金が保全される」商品として国債並みの高格付けを与えたムーディーズ・ジャパンの大槻栄美子氏は「二年前にデフォルトは想定されていなかった」と話す。
ルール上は繰り上げ償還社債の担保の開示義務はない。ソフトバンクは「アナリスト説明会で言ってきた」。デフォルトが六銘柄に及び、損失の可能性を一般投資家に伝えた。
CDO格下げの可能性に対応し、みずほコーポレート銀行と七月末に信用補完契約を結んだ。全額焦げ付いても社債の償還資金にみずほコーポの事実上の保証が 付き、携帯事業の融資も保たれる。「今の情勢では全損は確実」(外資系証券会社)という。一〇年八-九月に再び七百五十億円の償還資金が必要になる見通し だ。