謎の金融日誌 -17ページ目
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株式価値評価方法:考え方の基本(1)

株式価値の評価方法についてのまとめです。
ここでは実務的に使われる計算方法を概観します。より本質的な「資産の価値を評価するための理論的な基礎」みたいな話はここではしません。

1.評価方法はさまざま。目的によって異なる
・  株価評価の方法は複数あり、どれが唯一絶対ということはありません。目的・場合に応じて適切な方法を選択して使います。ただし、「どの場合にはこれ」と いう形で機械的に決まっているわけではありません。またそれぞれの方法も規制上かなり形式的に決まっている方法から、変数の選択などにおいて評価者の裁量 でかなり変わるものまであります。
・ 主な方法を考え方によって分類すると主として以下の4つのパターンがあるとされています。

(1)インカム・アプローチ
(2)コスト・アプローチ
(3)マーケット・アプローチ
(4)その他

・(1)は、企業が一定期間に生み出す利益やキャッシュフローという、一定期間における「稼ぐ力」をベースに評価する方法です。企業活動の価値の最大の源泉はこの「稼ぐ力」にあると考えて、それを株価として測定しようという方法です。
・(2)は、企業の財務諸表のうち、貸借対照表(バランスシート)の数字をベースに評価する方法です。貸借対照表の資産と負債の差=純資産はおおまかにいえば株主の所有に帰属するものですから、その価値が株価に反映されるという考え方です。
・(3) のマーケット・アプローチは、評価の対象会社と事業・業種が似ていると思われる会社のうち、株式(持分証券)が公開の証券取引所に上場されている会社の株 価を参考にする方法です。似たような会社の株価は似たような評価を基礎とするのが合理的である、という考え方に立つ方法です。
・(4)は、以上の いずれにも属さないものです。たとえば個人の資産家が相続財産の評価を行わないといけない場合といった規制上・税制上の評価方法などがこれに当ります。し かし、上記(1)~(3)についてもこの分類だけが正しいというのではなく、今まで実務で用いられてきた方法が慣習的に分類されているだけです。したがっ て、なんらかの合理的な基礎・考え方があれば、分類や名称にあまりこだわる義務はありませんし、新しい方法を生み出すこともできるといえます。
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