“スズメ”の次は“カラス”という……(板倉町農耕地~渡良瀬遊水地) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

先日、つつじが岡公園でニュウナイスズメを撮影しましたが

今回の記録はその翌日のお話。板倉町の農耕地から

渡良瀬遊水地にかけて廻った際のことをお話します。

 

板倉東洋大前駅を降り、駅前のニュータウンを通過して

徒歩で農耕地へ。道中の池も一応チェックしました。

 

 

 

 

 

 

夏羽に変わりつつあるカンムリカイツブリ(左)と

眠っている(?)ミコアイサのメス(右)を確認。

この他、マガモなどのコモン枠の水鳥も多く見られました。

 

 

 

 

 

農耕地周辺はスズメの数も多く、

いきなり100羽以上が足元から飛び立つなんてことも。

もしかしたらニュウナイスズメが紛れていたかもしれませんが

あの集団から探し出そうとすると発狂しかねないので

今回はスルーしました。(前日に撮影したばかりでしたし)

 

 

 

 

 

農耕地へ。相変わらずここはミヤマガラスの数が多め。

上の写真で電柱や電線にとまっているのも

ほとんどがミヤマ。よく見るハシブトは少なめです。

ちなみにミヤマとハシブトは仲が悪いのか(?)

一緒の場所に固まっていることはまずありません。

 

 

 

 

 

ミヤマガラスをクローズアップ。

 

同じカラスの仲間でもオナガやカケスと違い

黒色のまんま“カラス”な風貌。違うのくちばしの付け根だけ。

知らない人が見たら「こんなもん撮って何になる?」

私のオツムを疑うかもしれません(爆)

 

 

 

 

 

正面から見るとこんなん。

ちなみに警戒心の強いカラスゆえ、

気づかれるのは仕方ないにしても

極端に接近すればすぐ逃げられます。

 

さて、ミヤマガラスは確かに都心部では見かけない鳥で

東京都内では恐らくカワセミよりエンカウント率が低いですが

今回わざわざ板倉町まで足を運んだのは

本種だけが目的だったわけではありません。

 

今冬ここに飛来していたという、あるカラスの情報を掴み

旅立ってしまう前にチェックしておこうと思ったのです。

そのカラスは「ミヤマガラスの集団の中に紛れ込んでいる」という

SNSでの情報を頼りに、広い農耕地内でミヤマの集団を探し

逃がさないように慎重に近づきながら目標の種がいないかチェック。

かなり足がボロボロになりましたが、探すこと約2時間半

ついにその鳥は姿を見せました。↓

 

 

 

 

 

この集団。ほとんどがミヤマガラスなのですが

身体に白い羽を有したカラスが2羽混じっているのが

わかりますでしょうか?↓

 

 

 

 

 

相当の遠距離からの撮影だったので写りはイマイチですが

どうにか証拠写真を押さえることはできました。

今回の目的だったコクマルガラスです。

 

遭遇率・・・2 (多々良沼や板倉町では割とよく飛来するとか)

インパクト・・・4 (サイズはミヤマガラスとほぼ同じ)

美しさ・・・3 (白色がよく目立つ)

俊敏性・・・4 (後述しますがコイツも警戒心が強くよく逃げる)

知名度・・・2 (鳥図鑑には載っているが一般認知度は低い)

 

できればもう少し接近して撮りたかったのですが

残念ながら警戒心を抱かせてしまったらしく、

上の写真を撮ってすぐに飛ばしてしまいました(汗)。

この後、かなり離れた場所の電線に止まったのですが

大きく迂回しなければ行けないような場所だった上

時間もかなり押していたので、とりあえずこれでOKと納得。

今年7種目の新顔として登録させていただきました。

 

 

 

 

 

ちなみにこのカラスどもは

私を見るといつもすぐ逃げるくせに

ノスリが来ても微動だにしません

(私ナニカワルイコトデモシマシタカ…?orz)

 

 

 

 

 

田んぼの一角に着陸したミヤマガラスの大群。

ちなみにミヤマとコクマルの識別ポイントとして

鳴き声が異なるという大きな差があります。

コクマルは、どこか猫を彷彿とさせる鳴き方で

一般的なカラスの声質とは大分異なります。

 

超遠距離であったり、逆光で色の差がわからなかった時

存在を確認するために利用できるはずです。

 

 

 

 

 

さて、午後になり渡良瀬遊水地に向かう途中

上空に小さな猛禽類の姿が。

かなり高い位置を飛んでいたためにこれが限界でした。

 

顔まわりの模様やサイズからしてハヤブサのように見えましたし

実際撮影中もハヤブサだと思い込んでいましたが……↓

 

 

 

 

 

建物のアンテナに止まったところです

よく見ると、江の島でよく見るハヤブサと異なり

お腹よりやや下に褐色の部分があります。

 

これらの特徴を基に色々と検索してみた結果、

どうやら正体はチゴハヤブサ(稚児隼)らしいとわかりました。

名前からもわかる通り、無印のハヤブサよりもサイズが小さめ。

ひょっとしたらツミと同程度だったかもしれません。

 ▼

読者様からのご指摘により

どうやらチョウゲンボウの雄らしいと判明しました。

訂正してお詫びいたします。

 

 

 

 

 

 

夕方直前に渡良瀬遊水地に到着。

と言っても、前回の訪問時にある程度チュウヒも撮っていましたし

この日の本命(コクマルガラス)は一応撮影済だったので、

ほぼ「ついで」のような感じで立ち寄りました。

 

ヨシ原には結構な数のカシラダカの姿が。

左写真のオスは、徐々に夏羽に変わりつつあります。

 

 

 

 

 

ヨシ原を舞うチュウヒの姿。

もうこの時点で16時を回っていましたので

空も大分暗くなってきています。

そろそろ「ねぐら入り」の時間であり これ書いてる私も今ねぐらに入りたい

チュウヒおよびハイイロチュウヒを狙うのであれば

ここからが本番とも言えます。

 

 

 

 

 

ヨシ原の中に生える木は、チュウヒの格好の休憩ポイントです。

ただし人の入れる散策路からは大分離れているため

それこそ砲台クラスのカメラでなければ鮮明には撮れません。

 

 

 

 

 

残念な写りでしたが、近くにいたオッチャンの話だと

ハイイロチュウヒのメス……らしい(定かではない)。

オスと違ってチュウヒとの差が少ないため

どうしても誤認はつきものですし、もし撮影するのであれば

やはりあの美しい青灰色のオスを撮りたいものです。

 

今冬はもう渡良瀬に行く予定はありませんので

また年末辺りに時間を見つけて足を運べればと思っています。

 

 

 

【2/21 板倉町農耕地~渡良瀬遊水地で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、オオジュリン、オオバン、カシラダカ、カルガモ、カワウ、カワラヒワ、カンムリカイツブリ、キジバト、キセキレイ、ケリ、コガモ、コクマルガラス、シジュウカラ、ジョウビタキ、セグロセキレイ、ダイサギ、タヒバリ、チョウゲンボウ、チュウヒ、ツグミ、トビ、ノスリ、ハイイロチュウヒ(?)、ハクセキレイ、ハシビロガモ、ハヤブサ、ヒドリガモ、ヒバリ、ヒヨドリ、ホオジロ、マガモ、ミコアイサ、ミヤマガラス、ムクドリ、モズ

昆虫類・・・キタテハ、セイヨウミツバチ

 

★生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」を

 2021年4月17日(土)、18日(日)に開催いたします。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらをご覧ください。