丘陵公園から多摩ニュータウンを歩いて(長池公園~京王堀之内駅&井の頭恩賜公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

今回ご紹介するのは初訪問のスポット。

八王子市内にある長池公園を起点として、

京王堀之内の駅まで歩いてみました。

 

長池公園の池には、

今冬複数のトモエガモが飛来しているという情報があり

早速チェックしてみようと思ったのです。

 

 

 

 

 

園内の梅園。この時点では2月末だったので

まだウメの最盛期でした。

 

 

 

 

 

 

ウメがあれば、ウグイス……でなくメジロ(左)が飛来するもの。

一方でガビチョウ(右)の飛来も確認しており、

自然度は高いものの、課題も多いことが窺えます。

 

 

 

 

 

これはちょっと驚き。背中が灰色のメジロです。

上記の一般的なメジロの集団に1羽だけ紛れていました。

一瞬、日本に迷い込んできた迷鳥かと思いましたが

どうやらメジロの色素異常個体のようです。

 

今冬は白いアトリ然り、こういうのと縁があるのか?

 

 

 

 

 

巣材にするつもりなのか、羽根を咥えているエナガ

歴代のエナガの写真の中では多分一番クリーンです。

 

 

 

 

 

横からのアングル。この鳥も可愛いと評判ですが

近似種であるシマエナガがあまりにアイドル的人気を得ており

少々不遇かもしれません。(差は黒い眉毛状の模様だけなのに)

 

 

 

 

 

 

長浜公園のビジターセンター。

各種資料を貰えるので、まずはここを訪ねましょう。

何か見たことのあるコンテナもありますね。(右)

 

 

 

 

 

 

田んぼを中心とした里山風のスポットも。

この日は暖かかったため、キタテハ(右)も活動していました。

 

 

 

 

 

噂に聞いていたトモエガモですが、確かに集団で来ていました。

これだけの数が飛来するのは長池公園でも久しぶりとのこと。

本ブログでもこれまでトモエガモを紹介する際は

どれも1羽だけだったので、なかなか感慨深いものがありました。

ただ、距離はかなりあり、若干日照条件も悪かったので

顔の巴模様が鮮やかに写せなかったのはちと残念です。

 

そういえば印旛沼には多数来ていたと聞いておりますが

あいにくそちらはまだ見に行けておりません。

スケジュール的にも、来冬に期待するしかないかも?

 

 

 

 

 

オスだけでなく、メスも相当数確認できました。

過去に一度メス単体のみで撮影したこともありますが

他のカモ同様地味なので、メスのみではほとんど識別不能です。

 

 

 

 

 

何気に今まで撮れたことのなかった

陸に上がっているトモエガモ

サイズはカルガモより一回り小さいようです。

 

 

 

 

 

 

トモエガモはとりあえず撮れたので、

お昼過ぎた所で長池公園を後にし、

川沿いの緑道を歩いて京王堀之内駅に向かいます。

 

道中は、いわゆる多摩ニュータウンの中を歩く形に。

その名の通り新しいマンションが並ぶお洒落な住宅地ですが

小川沿いに緑が連なっており、散策にはもってこいです。

 

 

 

 

 

こんなマンションの目の前にある

コンクリート護岸の小さな水路ですが……

赤い園内に注目。

 

 

 

 

 

なんと、こんな所にカワセミがいます。

水路はかなり浅いのですが、どうやらここで餌をとっている模様。

水場の多い長池公園ではこの日見かけませんでしたが

思わぬところで遭遇することとなりました。

 

 

 

 

 

カワセミを探せ!

A(中央左の手摺の上にいます。水面にも姿が写っています

 

 

 

 

 

水面を見下ろすカワセミ

このあとダイブして水路にいたドジョウを捕らえましたが

上手く捕まえられなかったのか地面に落とすという

何とも間抜けなミスを犯し、そのまま飛び去って行きました。

 

哀れ、残されたドジョウは地べたを這いまわっており

放っておけばすぐに死ぬのは明白。

そして、カワセミは地上の餌を狙うことはまずありません。

もし、カワセミの狩りを邪魔してドジョウを生かそうとしたならば

それは食物連鎖に対する過干渉と言えるかもしれませんが

狩りの失敗で地面に落としたもの……しかも下がブロックで

自然分解もされないとなれば話は別。

放っておいても腐るか、カラスなどの餌になるだけです。

 

その場にいたのも何かの縁と考え、私がドジョウを救出しました。

 

 

 

 

 

ただ、水に戻す前にしっかり撮影だけはする辺り

私も大概だなと自分で感じております(汗)

 

ちなみにこうして手に持つと、ねっとりした粘液を分泌し

私の手に貼り付いてくるので少々気持ち悪かったです。

もちろん、ちゃんと生きたまま水路に戻してやりました。

 

 

 

 

 

 

上記の間抜けカワセミと遭遇した場所より、さらに下流へ。

こちらの方にもカワセミが出張してくることはあるようです。

「清流の宝石」などとかつては言われていましたが

上手いこと都会に順応し、こういう場所でも割とコンスタントに

観察できるようになってきました。

水場の鳥としては、コモン枠と言ってもいいかもしれません。

 

 

 

 

 

水路に何か魚がいましたが……何だろ?これ。

ちょっと手元に魚の図鑑がないので判然としません。

わかる方いらっしゃいましたら、教えてください。<(_ _)>

 

京王堀之内駅に到着した後は、ちょっと時間が余っていたので

京王線を乗り継いで井の頭恩賜公園に向かいました。↓

 

 

 

 

 

井の頭恩賜公園です。

休日ということもあるのでしょうが、かなり混んでいました。

無論マスクは着用していましたが、極力人混みは避けて

池をぐるりと一周してみます。

 

ボートだらけの池の東側には

カイツブリとカルガモくらいしかいませんでしたが

西側ではキンクロハジロやホシハジロも確認できました。

基本的にこの公園はオーソドックスな種しかいませんので

冬ガモの撮影に適しているとは言えません。

そういうわけでこの日も収穫はないかと諦めかけていたのですが……。↓

 

 

 

 

 

暖かかったためか、日向ぼっこ中のカメに遭遇。

クサガメかなと思い一応記録写真を撮りましたが

顔といい、甲羅の形といい、何かがおかしい……。

 

早速調べてみたところ、どうやらニホンイシガメらしいと判明。

もちろん飼育されていた種が逃げ込んだ可能性もありますし

ハッキリとした特徴はないですがクサガメとの雑種かもしれません。

ただ、ニホンイシガメの特徴はしっかりと出ています。

 

遭遇率・・・1 (井の頭恩賜公園には以前から生息しているという話あり)

インパクト・・・4

美しさ・・・2 (カメなので仕方がない)

俊敏性・・・2 (カメなのでry ただし水中に逃げる時はそれなりに俊敏な模様

知名度・・・4 (名前を知っていても会ったことはない人が多いかも)

 

ニホンイシガメは日本の在来種であり、固有種。

数は大分減っているという話ですが(実際私も初撮影)

上記の通り、井の頭池では何度も撮影記録が挙がっていますし

そこそこの率で見られるようです。この日は温暖だったため

甲羅干ししていたカメに運よく出合えた……という感じです。

 

 

 

 

 

顔をクローズアップするとこんな感じ。

逆光だったのをPhotoshopで加工していますが

それでもまだ影が濃く、ちょっとイマイチな写りです。

それでも顔の感じ(特に目の周り)が

クサガメやアカミミガメと異なるのはわかります。

 

ついで感覚で立ち寄った井の頭ですが

なかなか良い収穫がありました。

 

 

 

【2/28 長池公園&井の頭恩賜公園で撮影した生きもの】

赤文字は井の頭恩賜公園で撮影したもの

鳥類・・・アオサギ、ウグイス、エナガ、オオバンカイツブリ、ガビチョウ、カルガモ、カワウ、カワセミ、カワラヒワ、キジバト、キンクロハジロ、シジュウカラ、ツグミ、トモエガモ、ハクセキレイ、バン、ヒヨドリ、ホシハジロマガモ、メジロ、モズ、ヤマガラ

昆虫類・・・キタテハ

その他・・・ドジョウ、ニホンイシガメ

 

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