読者情報を元に足を運んだ結果……(草加公園&見沼自然公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

本ブログの読者様より

「草加公園には10種類以上の水鳥がいる」という情報があり、

地図で場所をチェックして早速足を運んでまいりました。

 

最寄り駅は越谷レイクタウンですが、駅からは少々歩く模様。

平坦かつ周りに高いビルもない開けた街を歩き、

約20分かけて公園に到着しました。

 

 

 

 

 

決してそこまで広い公園ではないのですが、池の面積はなかなかのもの。

芝生広場や多数の遊具もあり、親子連れには嬉しい公園かも?

 

 

 

 

 

そして池に目を向けると、なるほど頂いていた情報の通り

かなりの数・種類のカモが浮かんでいました。

果たして本当に10種類の水鳥が観察できるのか?

チェックしてみるとしましょう。

 

 

 

 

 

お馴染みのキンクロハジロ♀

潜水をするカモゆえ、全身に水滴を纏っています。

水をはじく羽毛であることが写真でよくわかることでしょう。

 

 

 

 

 

厳しい雨にも負けず、ひたすら食事をするハシビロガモ

……嘘です。単に噴水の下にいるだけです(汗)

いつものように水面をぐるぐるしていましたが

あんな所に餌があるのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

ヒドリガモ(左)にオカヨシガモ(右)。

前回の浦安の海岸に引き続き、やはりヒドリガモが多かったですが

それ以外のカモも多数見られ、バリエーションが豊富です。

 

 

 

 

 

 

左写真は、オナガガモ♀(下)とホシハジロ♀(上)。

右写真は休憩中のコガモです。

 

トップの方で池の面積はなかなかのものと書きましたが

広さはせいぜい横浜の大池公園(こども自然公園)と同程度。

そして大池公園といえば毎年飛来するのはキンクロハジロかスズガモくらいで

カモの数・種類共に多いとは言えません。

 

草加公園は周囲が森というわけでもなく

決してそこまで自然度が高いとは言えないのですが

面積比で考えるとカモの数・種類共に大池公園より圧倒的に上。

加えて、近くにありなおかつ水場の広い越谷レイクタウンと比べても

やはりこちらの方が優れているようです。

 

 

 

 

 

おっと、これはアメリカヒドリ(雑種かも)ですね。

まさかここにも飛来していたとは思いませんでした。

 

 

 

 

 

さらにもう1羽。こちらは未成熟の個体なのか

まだ顔のグリーンのラインがくっきりと出ていません。

昨冬、浮間公園で観察した個体と同じですが

あちらと比べてもまだ緑色が薄いように感じます。

 

 

 

 

 

陸地で餌を探しているヒドリガモ

その他の鳥としてはムクドリが目立ちますが

左の奥の方に、後ろ向きですがバンの姿もあります。

 

それにしても、この「陸地で食事をする」カモというと

なぜほとんどがヒドリガモなのか?(カルガモも稀にやりますが)

食料が限られる中、競合しないようにと

異種間でも食事場を分けるような「協定」が存在するのか……。

まあ、競合を避けるためにそういう方向に進化したといえばそれまでですが(汗)

 

 

 

 

 

上の写真とは違う個体のバン

このほか、写真はないですがオオバンも確認できました。

 

なお、この時点で観察できた水鳥が

アメリカヒドリ

オオバン

オカヨシガモ

オナガガモ

カルガモ(これも写真がないですが)

キンクロハジロ

コガモ

ハシビロガモ

バン

ヒドリガモ

ホシハジロ

と、11種類に。

頂いた情報がデマや誇張でなかったことが、これで立証されました。

情報提供者のみーすけ様、誠にありがとうございました。<(_ _)>

 

 

……やっぱリこういうのってちゃんと自分の目で確かめに行かないと

意味をなさないんじゃないかな?と個人的には思います。

今回、頂いた情報を元に直接足を運んだことで

面積がさほど広くなくとも、条件が整えば、

飛来するカモの多様性が増すということもわかりました。

(具体的にどういう条件がそうさせたのかまでは専門家でもないのでわかりかねますが)

また、それほど公園が広くない割にカモの種類が豊富というのは

ビギナーの方がカモの識別について勉強するのに適しているとも言えます。

カモとの距離も近く、浦安のように寒い海風に曝されることもないので(汗)

ここでカモ撮影の基礎を学ぶ……という公園の使い方もアリかもしれません。

 

 

 

 

 

岸辺でくつろぐヒドリガモハシビロガモ

近くに親子連れがいるのですが、あまり怖がる様子はありません。

 

 

 

 

 

 

樹木も多く、シロハラ(左)とジョウビタキ(右)も確認しました。

また、写真はアップしませんが妙にシジュウカラが多かった気がします。

地上に降りて何やら種のようなものを頬張っていました。

 

というか、何となく今年は首都圏全域で

シジュウカラとメジロの数が多いような気がしないでもない。

冬鳥の飛来数も多いという意見を聞きますし、

何かあったんでしょうかね?

 

 

 

 

 

草加市とアメリカ カーソン市の

国際姉妹都市友好記念モニュメント。

池の畔に設置されています。

 

 

 

 

 

 

草加公園での撮影を満喫し、越谷レイクタウン駅に向かう途中。

車道に挟まれた草原でタヒバリ(右写真)やツグミを確認できました。

殺風景で荒れた環境に見えますが、これら2種の冬鳥は

むしろこうした環境を好むように感じます。

 

草加公園があまり広くなく、散策にそれほど時間が掛からなかったので

もう一ヶ所、見沼自然公園に向かいました。

前回訪問した際にはお目当てのトモエガモに会えなかったのですが

これまた読者様より「トモエガモは来ている」と情報を頂いたので

2020年の内に確かめておこうと思ったのです。↓

 

 

 

 

 

見沼に到着した時には、もう既に大分日が傾いていました。

この公園もあまり面積は広くないので、

トモエガモを探すだけならそんなに時間もかからんだろうと思ったのですが

肝心要のトモエガモがなかなか見つからない……。

ヨシ原に隠れているのか、それともどこかに移動しているのか、

いずれにしても待っているのは寒いだけだったので(汗)

先に園内をぶらりと歩いてみることにしました。↓

 

 

 

 

 

 

今年は数が多いという噂のアトリ(左)が、

そこそこの数確認できました。

また、やや早めにソシンロウバイが開花しており

目の前を通過しただけでスパイシーな香りが……。

 

ちなみにこのソシンロウバイ、既に満開だったためか

マスクをしていても目の前を通ると香ってくるほどニオイが強烈!

良い香りだとは思うのですが、香辛料っぽさを嫌う人もいるので

苦手な方は迂闊に顔を近づけないよう気をつけましょう(汗)

 

 

 

 

 

で、そんなこんなで30分ほど園内で時間を潰しつつ

今日はこれまでかと半ば諦めかけていたら

帰り際にやっとトモエガモが池に現れました。

 

夕暮れ時ゆえに色は昨冬に比べると少々見劣りしますが

近距離だったのでそれなりに鮮明に撮れました。

情報提供いただきましたKJ様、誠にありがとうございました。<(_ _)>

 

 

 

 

 

ちなみに1羽だけだからなのか、

トモエガモだけ外れた所に浮いていました。まさにクラスで浮いてた私状態

何か寂しくなる写真ですが、ちゃんと群れて行動することもあるので

他のカモからハブにされているというわけではないようです。

引き続き次の冬以降も観察できれば嬉しいところですね。

 

 

 

<今日のカワセミ君>

見沼自然公園にて。夕日を浴びてややハレーション気味。

(あと正確に言うなら♀なのでカワセミちゃんと呼ぶべきか)

この手の公園の場合、むしろ「いない」方がイレギュラー。

もし見当たらない時は少し時間を置いてみると

いつの間にか戻ってきていたりします。

 

 

 

最後に、緊急事態宣言が発令されましたが

こちらも別に遊び歩いているわけではないですし

(下記の「準備」や情報収集を兼ねています)

今冬は取材のために鎌倉方面へ足を運ぶ必要もあるため

今回は特別行先を制限する予定はありません。どうせ1人ですし。

そういうわけで今後とも何卒よろしくお願いいたします。

 

 

 

【12/27 草加公園~見沼自然公園で撮影した生きもの】

アオサギ、アトリ、アメリカヒドリ、オオバン、オカヨシガモ、オナガガモ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、カワセミ、カワラヒワ、キジバト、キンクロハジロ、コガモ、シジュウカラ、ジョウビタキ、シロハラ、ダイサギ、タヒバリ、ツグミ、トモエガモ、ハクセキレイ、ハシビロガモ、バン、ヒドリガモ、ヒヨドリ、ホシハジロ、ムクドリ、メジロ

 

★現在、生きもの探索ツアー開催に向けて準備中! ご期待ください。m(_ _)m