ちょっと違うサギ(?)とスズメについて(多々良沼&つつじが岡公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

九州の某所で例年にないほど多数のツルが飛来していると

鳥関連のSNSで知りましたが、どうやら多々良沼の白鳥

昨冬より飛来数が多いそうな。これには東北・北陸等での

大雪も多分に影響しているらしいですが、

実際のところ飛来状況はどうなのか?2月に確かめに行ってきました。

 

左の写真の奥の方に見える白い「点」はほぼ白鳥です。

直線距離なら大したことないですが、そこは橋もない巨大な沼。

白鳥の近くまで行くにはぐるりと大回りする必要があります。

歩いている間に靴裏が破け石が入り込んできて大層痛うございました

 

 

 

 

 

アオサギカワウヒドリガモなどが群がる中

右の杭にカワセミが乗っかっていいます。

普通の池沼ならこれでも十分びっくりする密度です。

 

 

 

 

 

白鳥は皆が1ヶ所にまとまっているわけではなく

いくつかのグループ(?)に分かれて行動しています。

写真の個体はコハクチョウです。

少し、アメリカコハクチョウの血が混じった個体もいるかも?

(アメリカヒドリとヒドリガモに通じるものを感じます)

 

 

 

 

 

飛ぶ、コハクチョウ

かなり高い位置を飛んでいましたが、

それでもサイズ感のわかる巨大な鳥です。

猛禽類ほどではないものの、ゆっくり飛ぶ分、

撮影もしやすいかもしれません。

 

 

 

 

 

こんなふうに間近にくることもしばしば。

あまりにもありふれた存在だからかもしれませんが

散歩で来ている地元の住民らしい方々は

あまり驚いた様子を見せませんし、関心を示しません。

 

 

 

 

 

浅瀬で羽を休める白鳥たち。

と、思いきや……。

 

 

 

 

 

これ、ヘラサギやないか。

(上写真の中央にいる個体)

本ブログでも過去一度しか紹介していない超レア種。

名前にサギとついてはいるものの、

実はサギ科ではなくトキ科で、やや離れた種だったりします。

まさにネーミング詐欺。イソヒヨドリに通じるものを感じる

 

ダイサギよりもサイズが大きく、もし縮こまって頭を隠していたら

白鳥と勘違いする人もいたのではないでしょうか?

というか私自身が途中まで勘違いしていました(汗)

たまたま顔を上げてくれたおかげで気づけたに過ぎません。

 

 

 

 

 

レア種のヘラサギとは打って変わって、

水鳥のコモン枠であるカイツブリ……ですが

この日は珍しく陸に上がっている個体を撮れました。

 

足のヒレがカモとは違い、かと言ってオオバンとも違う……

(どちらかと言えばオオバンに近いが、より発達している)

潜水頻度が高いため、より泳ぎやすいように進化したのでしょう。

滅多に見られるものじゃないので、これも嬉しい収穫です。

 

 

 

 

 

その後、トップのカモ軍団のすぐ近くに

何とコウノトリの姿が。渡良瀬の方から飛んできたのか?

 

それにしてもこの配置だと、如何にデカい鳥かがよくわかる……。

ピンと首を伸ばせば、一般女性の背丈近くはあるような巨鳥です。

こうして離れて撮っている分には優雅さを感じるものの

もし間近に現れたりでもしたらビビッて逃げ出しそう(汗)

 

 

 

 

 

実際、目つきもヤバい(爆)

もしもそのクチバシを凶器として振るうことができるのなら

人を●すことだってできてしまうのではないだろうか?

もちろん、あちらにそんな気は毛頭ないだろうが(汗)

 

ただ、巨体を維持するためなのかもしれませんが

かなりの大食漢であるらしく、それだけに餌が豊富でないと

生き永らえることができないそうです。

ここのところ渡良瀬などでもコウノトリを見ますし

個体数が回復傾向にあるのかもしれませんが

これを維持するには餌となるドジョウなどの生きものが

豊富にいるような環境づくりが必要不可欠となります。

強そうに見えて、ちょっとした環境変化にも弱い生きものなわけですね。

 

言い換えるなら、本種が今来ている多々良沼も渡良瀬遊水地も

そういう健全な環境に戻りつつあるということかもしれません。

 

 

 

 

 

デカい水鳥ばかり続いたので、ちょっと小鳥の話も。

この日の多々良沼ではオオジュリンやジョウビタキなど

色々な冬鳥に出合えましたが、ベニマシコにも何度か遭遇。

しかも歴代の写真の中ではトップクラスに良い写り。

 

で、この画像をPhotoshopでちょいと加工してやると……↓

 

 

 

 

 

影の部分がスッキリして鮮やかに。

そこそこの図鑑でも使えそうな写真になりました。

遅ればせながら最近仕事で覚えた手法です。

これを用いれば、逆光やシャドウによる写りの悪さも

ある程度はカバーできそうです。(過度な期待は禁物ですが)

 

 

 

 

 

ヨシの皮をひっぺがすオオジュリン

最近ヨシ原でパリパリ音がすると大抵シジュウカラだったのですが

この日は本種をかなり多く見かけました。

 

多数の白鳥やヘラサギ、コウノトリ、ベニマシコなど

なかなかの成果が挙がったところで、昼食を挟み、

今度はつつじが岡公園に向かいます。↓

 

 

 

 

 

つつじが岡公園の一角。カモの数はそれなり。

写真だとすごく多く感じますが、多分多々良沼の方が上です。

こういう写真だけでは勝手に脳内補完されて

写っていない部分にもたくさん鳥がいるように想像してしまうため

くれぐれも注意しましょう(撮った自分が言うのもアレですが)

ワイドショーがよくやる鎌倉や渋谷の人口増加報道と似た手法を用いています

 

 

 

 

 

白鳥は殆どが多々良沼の方に移動していたのか

この日つつじが岡で見たのはオオハクチョウが1羽だけ。

ぼっち1羽で悠々と陸に上がり、草を食べていました。

 

ちなみに実態不明のコウノトリと違い

オオハクチョウは間違いなく怒らせると怖い鳥。

以前に一度、突進されたことがあります(マジ)

あの巨体で、尖ってはいないものの固いクチバシを持っているので

最悪の場合は骨をやられる可能性もなくはありません。

 

上の写真のように、適度な距離感を保つことが求められます。

 

 

 

 

 

 

こんな感じの穏やかな顔(?)で草を食べている白鳥ですが

ゾウやサイよろしく、怒らせたら巨体に物を言わせて

思わぬ反撃に出てくる可能性があるのでくわばらくわばら……。

 

ちなみに水草を食べる印象が強いのですが

ヒドリガモなどと同じく、陸に上がって食事することもあるようです。

 

 

 

 

 

ミコアイサにも遭遇。今年は本種にもよく会う気がします。

と言っても、つつじが岡公園は比較的本種の出現率が高め。

新横浜公園ほどではないですが、割とコンスタントに会えます。

 

 

 

 

 

しかもこの日は集団で出現。

メスの方がかなり多いのは新横浜公園でもよくあることです。

(オスが複数いますのでハーレムではない……かな?)

 

 

 

 

 

その後、沼をほぼ一周したところで聞きなれない鳴き声が……。

上方を見るとスズメの姿が見えたので一応写真を撮ろうかと

カメラを構えたところ、即、これが普通のスズメでないことに気づきました。

 

これこそ、以前に板倉町農耕地で探し求めた

ニュウナイスズメに違いありません。

 

遭遇率・・・1 (板倉によく出るミヤマガラスよりは遭遇率が低め)

インパクト・・・2 (サイズはほぼスズメに準じる)

美しさ・・・3

俊敏性・・・4

知名度・・・2 (知らない人は「ちょっと変わったスズメ」と誤認しそう)

 

 

 

 

 

ニュウナイスズメと普通のスズメの識別方法としては

体色のほか、スズメにある頬の黒い班がないことが挙げられますが

やや鳴き声のトーンが高いといいますか、

明らかに一般的なスズメとは別物なので、

これを聞き分けることで遠方にいても識別が可能です。

 

中部地方以西では群れることもあると聞いていますが

関東の場合は今のところ、ノーマルスズメの群れの中に

たま~に交じっているだけと言われています。

無論、無数に群れるスズメの中から本種を見つけ出そうとすると

発狂することもあり得ますので、無理はなさいませんように(汗)

 

 

 

 

【2/20 多々良沼~つつじが岡公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、アオジ、オオジュリン、オオハクチョウ、オオバン、オナガガモ、カイツブリ、カシラダカ、カルガモ、カワウ、カワセミ、カワラヒワ、カンムリカイツブリ、キジバト、コウノトリ、コガモ、コハクチョウ、シジュウカラ、シメ、ジョウビタキ、セグロカモメ、ダイサギ、ツグミ、トビ、ニュウナイスズメ、ハクセキレイ、ハシビロガモ、ハマシギ、ヒドリガモ、ヒヨドリ、ベニマシコ、ヘラサギ、ホオジロ、ホシハジロ、マガモ、ミコアイサ、ムクドリ、メジロ、モズ

昆虫類・・・キタテハ、ナナホシテントウ

その他・・・アカミミガメ

 

★生きもの探索ツアー開催に向けて準備中! 2021年4月開始予定です。

 次回の記事で情報公開しますので、ご期待ください。m(_ _)m