セミを狙って現れたのか……?(浮間公園の夜→朝) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

毎年梅雨が明けると、会社帰りに必ず立ち寄る浮間公園

自宅の最寄り駅は戸田公園なので、

1つ隣(浮間舟渡)で下車してすぐ目の前です。

セミの羽化を撮影するにはちょうどアクセスしやすく、かつ歩きやすいんですよね。

 

園路がちゃんと整備されていて視界も利くため

うっかり幼虫を踏んでしまうという悲劇を大幅に防いでくれます。

(芝生レベルでも草が広がっていると、見えなくて事故る可能性が高い)

 

 

 

 

 

ただ、この時は梅雨明けからあまり日が経っておらず

アブラゼミやミンミンゼミなどのメジャー所は軒並みまだほとんど土の中

一応、写真のように出てきた個体もいくつか見かけましたが

7月下旬の真夏期と比べると圧倒的に少なかったです。

(写真は上げませんが、この1週間後に訪れた際にはわんさかと見られました)

 

で、そんな少ないセミの代わりに妙に多数出てきたのが……↓

 

 

 

 

 

 

なんと、結構な数のヒキガエルが森の中をうろうろしていました。

確かに夜行性の傾向が強いカエルではありますが

この日は1時間程度の滞在で計10匹くらい見かけました。

一度にこんなに遭遇したのは多分初めてですね。

 

右の写真、木の根元に2匹しがみついているのがわかりますでしょうか?

セミがまだいない中、同じポジションに貼り付いている感がありますが

さすがにヒキガエルでは木の幹を登ることはできないでしょう……多分……

 

 

 

 

 

何? もっと間近で拝みたいと?↓

 

 

 

 

 

お望みどおり、正面からクローズアップ

距離にして約20センチくらいでしたが、逃げる様子は全くありませんでした。

この角度で撮る場合、必然的に地面にしゃがみこむ必要がありますので

怪しまれて24されないよう気をつけましょう。

 

 

 

 

 

サイズ感がわかりそうな画像。

この日見かけた一番大きな個体を、私の靴と一緒に撮影。

ちなみに私の足のサイズは27.5cmです。 革靴がボロい件は触れないでください

 

 

 

 

 

 

上記の通り少なかったのは確かですが

一応、アブラゼミ(左)とミンミンゼミ(右)もそれなりには羽化していました。

羽化して殻から出た後であれば、背中の色などからある程度識別することができます。

特にミンミンゼミは白味を帯びた緑色が美しく、個人的に気に入っています。

 

 

 

 

 

これはニイニイゼミです。何気に羽化シーンは初めて見ました。

アブラゼミ等とはサイズが明らかに違い(小さく)、

かつ抜け殻が土塗れになっていますので容易に識別できます。

 

 

 

 

 

殻から出て少し経ったニイニイゼミ。

翅の色が均一でないのが特徴です。

 

このセミはアブラゼミ・ミンミンゼミが発生する前、梅雨明け頃から発生し始めますが

体格で2種に劣るため、餌場などでの争いを避けるべく羽化時期をずらしているようです。

実際、この日も2種のいない所で、ニイニイゼミだけでまとまって羽化していました。

 

 

 

 

 

これは翌々日の朝です。ヒキガエルが気になったので見に行きましたが

残念ながら朝探してもどこにもおらず……。

上記の通り夜行性なので、寝てしまったのかもしれません。

 

なお、この公園にはヒキガエルのみならずウシガエルも生息しています。

ウシガエルはヒキガエルのオタマを捕食してしまう天敵であり

サンクチュアリでカメの群れに混じっていたり鳴き声が聞こえてきたりします。

生きものの多様性が豊富な浮間公園ではありますが

その他多くの都市公園と同じく、外来種問題も多数抱えています。

 

 

 

 

 

カルガモ親子がここにも。

ピッタリとくっついている子ガモがなんか和む……。多分6匹。

 

 

 

 

 

おっと、サンクチュアリにササゴイが現れました。

毎年ここで繁殖することで有名なシンボル種ですが

このように開けた場所に出てくることは結構稀だったりします。

全身が露になった状態だと、ゴイサギとの差がよくわかりますね。

 

 

 

 

 

人工浮島にも1羽きていました。上とは別の個体です。

こういうバックに邪魔のない環境であれば

それ相応のカメラさえあれば図鑑もびっくりの鮮明な画が撮れます。

 

 

 

 

 

毛づくろい中。リラックスしている証拠ですね。

 

気が立っている時には、15m以上離れた岸辺を人が歩いただけで

飛んで逃げてしまうこともあります。

撮影する側としては結構ストレスがたまりますが(爆)

この暑い中それしきでオーバーヒートを起こすのもアレなので、まあ我慢。

 

この日は朝だったので寝ぼけていただけかも?

 

 

 

 

 

ちょっと何かをたくらんでいるような、ずるそうな目。

 

食性などはゴイサギとほぼ同じで、水中に嘴を突っ込んで魚を捕ります。

上記の通り表に出てくること自体が少ないので

食事シーンを押さえるのはなかなか難しいこと。

私はこの日、別の公園に出かける予定だったので

とりあえず可能な限りクローズアップで撮影しまくり、

魚を捕るところは結局撮れないまま、6時には移動してしまいました。

 

まあしかし、歴代のササゴイの写真の中では

これでも一番鮮明に撮れたものだったりします。

台湾に持っていったような会社所有の高性能なヤツなら

もっときれいに撮れたかもしれませんが……。

まあとにかく、近場の公園に2回ぶらりと寄っただけながら

なかなか美味しい収穫がありましたので、個人的には結構満足です。

 

同日に出かけた公園につきましては、次回の記事にてお話させていただきます。

 

 

 

【7/12・14 浮間公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、カルガモ、ササゴイ、ムクドリ

昆虫類・・・アブラゼミ、コフキトンボ、ショウジョウトンボ、ニイニイゼミ、ミンミンゼミ

その他・・・アカミミガメ、アズマヒキガエル