とりあえずプレイした感想を。良かった要素は大体設定考察に使えそうな要素なので、単純な感想はほぼ不満しかありません(笑)。感想編=ネガティブ感想編、考察編=ポジティブ感想編だと思ってください。
正直3のリメイクがかなり微妙だったので、ネット上の評判を見てから買おうと思ったのですが、とりあえず決定的な決め手となる情報があったので購入しました。それは、「おおぞらに戦う」が使われているという情報を得たからです。ドラクエ8のラスボス曲であり、ラーミアの曲「おおぞらをとぶ」をバリバリに戦闘向けにアレンジした曲は、ロトシリーズにこそ使われて欲しい曲と思っており、3の新しいボスに使われることも期待していたのですがそれもなく残念に思ったところ、2の裏ボスで使われているとのことなので、素直にそこまで見届けようと思ったのです。
ただ1の評判は非常に悪かったので、配信でストーリーだけ確認して、2だけをプレイしました。それは間違っていなかったと思っています。というか、今回のHD-2Dリメイク自体が、2のクリア後追加要素を描くためだけに作られたんじゃないかというくらいで、リメイクの変更点を抑えたいのであれば、基本的に2だけやれば3さえやらなくても良いと思います。これから購入を検討する人は、セール時に購入して2だけやれば良いですね。
(1)ドラクエ1の戦闘バランス
1については、ストーリーの大幅改変よりも、ゲームバランスが問題で、一言で言えば「3のバランスのままで一人旅をさせられる」ゲームでした。3の一人旅はバラモスを倒したときに褒美があるなど、一種の公式縛りプレイとして知られていますが、それを強制されるのがリメイク1です。何故なら、パーティーは一人だけなのに、敵の出現・行動パターンも、手に入るアイテムも、呪文特技の仕様も3のままだからです。
まず敵は複数出てきます。1体しかでないエンカウントもちょくちょくありますが、それもフィールド上のみで、ダンジョンに入ると当たり前のように3と同様に複数のモンスターが出てきます。また、2や3に登場するモンスターも当たり前のように出てくる上、行動パターンもほぼ3と一緒で、例えばシルエトは2回行動でザキも使ってきます。一人旅で即死は即ゲームオーバーなのですが、それを当然のように使ってきます。それも、難易度を上げるためではなく、単に3のデータを流用しているだけとしか思えないため、ものすごく手抜きに感じます。言ってしまえば、3のROMを改造して素人が作ったゲームをやっているような感覚です。
手に入る武器防具も全て3の流用で、数値も効果も概ね同じです。一部1にしかない装備は当然出てきますが、わずかです。杖やローブなど他作品では勇者には装備できなそうな武具も装備できるため、1の勇者はある意味FF5の「すっぴん」のような存在になっています。ただそこまでして3に登場したアイテムを全て出す必要があるか?というのも疑問であり、単にデータを流用してるから出してるだけとしか思えません。そして、一人旅のための3からのシステム的な変更点は特にないので、3由来の大量のアイテムを駆使して自分の知恵でどうにかしろ、というのがリメイク1のバランスです。
呪文特技はさすがに3に登場したもの全てを覚えるというわけではありませんが、3の勇者が覚えなかったような技も多く覚えます。特に強いのが「うけながし」で、これまでの作品では使った本人が狙われないと効果を発揮しないのであまり使い所がありませんでしたが、今回は一人旅なのでほぼ確実に発動でき、自分で攻撃するよりも強いという状況になります。さすがに物理攻撃にしか発動しないので、呪文や息攻撃主体の敵には使えませんが、それ以外の敵は受け流してるだけで勝てるというバランスになってしまっています。リメイク3の魔物呼びポジションですね。最終的にこれが一人旅の救済策になってしまっています。どこまで意図したものか分かりませんが。
正直自分がコマンド入力1回しかできないのに、敵は複数、しかも後半は複数回行動を当たり前のようにしてくるので、難しいというよりも理不尽という感想しか出てこず、単に調整が足りていないとしか思えません。おそらくリメイク1&2は2から作って1の最後の調整は間に合わなかったんだろうと思います。そういう意味では、リメイク1は2のついでに作られただけの作品に成り下がっています。
そもそも3のシステム流用の時点で1人旅前提のゲームにするには作り直しレベルの作業になったと思うので、それが難しいのであれば、潔く1も仲間を増やせばよかったと思います。実際に仲間になりそうなキャラが何人かおり、ローラ姫もパーティーキャラとして仲間になる予定だったんじゃないかという演出が多々あることから、当初はパーティーキャラを入れる予定だったところ、スタッフの偉い誰かが「いや、1は一人旅じゃなきゃだめでしょ」って言ってストップがかかったんじゃないかと想像できてしまうような作りをしています。FF4のように、シナリオ進行に合わせて仲間が入れ替わり、最後はローラ姫含む複数のキャラから4人選べるシステムで良かったと思います。1人旅でやりたい人は縛りプレイとしてやればいい、ということにしておけば良かったはずです。その判断ができないということは、責任ある立場の人間がテストプレイをしていないということなのでしょう。
(2)ドラクエ1のシナリオ
シナリオ部分はゲームバランスに比べればマシですが、1人旅であるが故に守りきれないキャラが存在し、2では仲間を増やすという伏線にされる(1人旅を強制されるのにそれが悪いことかのように扱われる不快さ)ことや、ボイスのあるメインキャラが不自然なくらい固有名詞を持たないので、誰が誰だかよく分からなくなるということに違和感がありました。特に違和感を強く感じるのは妖精関連で、登場する人物が多い割に、みんな「◯◯の妖精」という名前なので、誰が誰だか分からなくなります。しかもそれとは別に「妖精の里長」「妖精の族長」などという似たような肩書も出てくるので、更にわけが分からなくなります。その上、この里長と族長は3の精霊のほこらにいる妖精と同一人物なのですが、固有名詞がないので台詞からしか同一人物であることが判断できません(グラフィックも同じではあるのですが…みんな同じような外見なので)。このあたり、プレイヤーにシナリオをきちんと伝える気がないように思えます。これがずっと引っかかるのに、全体のシナリオの大半が妖精がらみということになるので、違和感をずっと引っ張ったまま物語に没入しにくくさせてしまっていました。
ローラ姫が攫われた理由を補強したのは良かったと思います。当時から何のために竜王が姫をさらったのか不明で、SFC版では姫の台詞として竜王の妻にされるというものがありましたが、竜王に人間の妻を娶るメリットが何もなさそうなので、それはそれで違和感がありました。今作では、その台詞はそのまま残っているものの、幻影のローラ姫の台詞となっており、本物のローラ姫はルビスの予言を聞き出すために6の大賢者マサールと同じ目に合わされているというなかなかハードな拷問を受けていたことになりました。ただそれ故に、その危機から救い出してくれた勇者に惚れるのも理解できる展開となっており、助けただけで惚れて宿屋でお楽しみするローラ姫という印象は大きく変わることになりました。声優の演技も良かったと思います。
勇者がロトの子孫であるという証拠も何もないため、結果的に血筋よりも行動で勇者としての証を示していくという展開も良かったと思います。家族がいない以上子孫であることは証明しようがないですからね。竜王が光の玉を奪ったのも、本来自分のものであったからだということが確定したのも良かったです。
総じて、シナリオ面は妖精関連以外は割とよかったと思います。5つの紋章を1の物語内で作るというアイデアも良かったと思うのですが、作り方もそのへんに落ちてた素材(設定上は激レア)で作るだけなのでなんか雑だなと思いましたし、後述しましたがあえて1で作ったことにしなくても良かったような気がします。せいぜいクリア後の追加要素くらいで良かったんじゃないでしょうか。そういえば、1にはクリア後の要素が何もないことも、1が2のついでに作られたんだろうなと感じてしまう理由の一つです。
(3)ドラクエ2の戦闘バランス
2はそもそもパーティーキャラ前提、しかも中盤で1人増えて4人パーティーになるので、普通に3と同じ感覚でプレイできます。転職の必要がない分、全キャラがバランスよく呪文特技を覚えてくれるので、3より楽に感じると思います。ただ3のアイテム呪文特技が大体出るというのは同じで、しかも強力な装備は終盤にまとめて手に入るので、雑だなという感想は同様です。とにかく手に入るのに使わない、またはすぐ不要になるアイテムが多すぎます。
2をプレイして感じたのは、呪文の強さですね。3は魔物使いなど新しい特技を中心にプレイすると呪文の出番が非常に少ないのですが、普通に僧侶魔法使いで冒険したほうが楽しかったんだろうと思うくらい、呪文で弱点をついたり、バフ・デバフをかけて戦うと楽に勝てるバランスになっていました。また、ローレシアの王子が攻撃特化な分、物理攻撃を使わざるを得ないことから、物理技の強さについても概ね把握することができました。3だと戦士や武闘家を使わないとなかなか出番がないのですが、はやぶさの剣や疾風のレイピアを装備して使う剣技が非常に強かったです。ある意味、3のバランスもこの2から逆算したんじゃないかとさえ思いました。実際は、3から修正されている部分があるのでしょうけど。最後はいかにローレシアの王子にバフをかけてはやぶさ渾身斬りを使うかどうかのゲームになってましたね。
(4)ドラクエ2のシナリオ
シナリオの改変点は2もも多いのですが、自由度を下げて強制的に必須イベントを通らないと先に進めないつくりになっているのに、鍵が手に入るのが遅いので、しばらく鍵のかかった扉を開けられず、しかも宝箱にも鍵がかかっているものがあるので、「今はまだ開けられない」ストレスが物凄いです。最後の鍵なんてロンダルキアのほこらまで手に入りませんからね。正直意味がわからないです。そこまでやって最後の鍵を使って手に入る装備が重複していて全部使い切れないという配置の雑さもあり、このアイテム配置のまずさは3以上でした。そもそも3はアイテム入手のバランスはSFCから大きく変わっていないので、変えた結果より悪くなったのが1&2ということになります。
2は仲間キャラがボイス付きで多く喋るようになったのですが、声優の演技が良く、キャラへの愛着は感じやすくなっているものの、ほとんどのシナリオを仲間キャラの会話だけで進めるので、主人公であるローレシアの王子が置いてきぼりになっているように感じてしまいます(ロトの剣を掲げる必要があるイベントではローレシアの王子がそれをやるんですが、システム上全員装備できるのでなんで彼なのか分からない…)。他のドラクエ作品では、ちゃんと主人公に判断が委ねられたり、主人公の目的を理解して仲間が行動してくれたりするんですが、今回は全員の目的が一致しており全員勇者の子孫ということもあり、どんどん仲間たちだけで会話を進めてしまいます。例えば5の嫁が街につく度にその街のキャラと会話をしたでしょうか、6でハッサンが各地の王様と会話したりしてたでしょうか。これは「主人公が喋らない」という前提でシナリオを作れていないことに起因しています。ほぼサマルトリアの王子とムーンブルクの王女の二人旅のように感じてしまうのは単純にシナリオライターの力量不足だと思いますね。
2のシナリオ改変部分は、内容よりも順番の方が問題で、1番げんなりしたのは一通りロンダルキアの洞窟に行くために必要なアイテムが揃った段階で、深海に潜るために必要なアイテムは人魚の女王が昔男に振られて捨てちゃったって話がくるところで、それはもう少し前に解決しておくべきイベントだろ…と思ってしまいました。水の羽衣も終盤になって手に入るので、ロンダルキアの洞窟くらいでしか活躍しないのも微妙なところです(その後手に入る最後の鍵で最強クラスの防具が複数手に入るため)。もう少し早く手に入るべきでした。原作同様ベルポイ後にそのままテパに行けるようにすべきだったと思います。妖精の城のイベントはもっと後で良かったです。というか妖精の城は5、マーメイドハープは6からのイベントで取ってつけた感がすごいので、1同様、妖精がらみの追加シナリオはクリア後のイベントでも良かったんじゃないかと思いますね…。
2はミリエラの存在感も強かったですが、そこまで掘り下げる必要があったかというと正直微妙でした。SFC版で追加された幻のローレシア城のバニーガールから引っ張ってきたのはすごいと思いましたが、悪霊の神々に並ぶ4人目のボス扱いにするほどだったのかなとか、それに伴う魔物側は連携バラバラ、それに対し味方側は連携強固っていう描写もちょっと子供向けの話っぽくてドラクエらしくはなかったかな、と思いました。ベリアルが人間に化けて悪さしているというのもあんまりキャラに合ってないなと思いましたし。そういうのはキャラ的にはバズズのような気がします。ベリアルの名前の元ネタ(悪魔の方)でも別に姿を変えるという設定は聞かないですしね…。ハーゴンが人間の邪悪な心を必要として教団を作っていたというのも、5の光の教団っぽさがありましたが(というか5が全体的に2っっぽいんですが)、破壊神を信奉する終末論者っていうイメージだったんでちょっと違和感がありました。
ムーンブルクの王女がずっと悲壮感を漂わせているのも、一国を滅ぼされたのだから当然だろうとは思うものの、その悲しみと恨みとどう付き合うかというところがシナリオの大半を占めてしまっているので、やや食傷気味ではありました。王女が仲間になった段階ではまだ話が暗いので、フィールド曲が「果てしなき世界」になることが合っていないようにも感じました。イベントの展開的に、風のマントを使ってから曲が変わるくらいでも良かったんじゃないかと思いますね。あそこでちょっと楽しげになるので。
追加キャラのサマルトリアの王女は、最初にゲストキャラで加わる時はいかにも追加イベントっぽくて、エヴァのマリのような異質なキャラクターっぽさを感じましたが、3人揃った後だと、サマルトリアの王子とムーンブルクの王女がずっと2人で話を進めてしまうので、逆にいてくれて助かったという感じがします(笑)。キャラ的にも、グイグイ引っ張っていくサマルトリアの王女は、ビアンカ・マリベル・ベロニカの系譜という感じがあって、無口の主人公とは相性が良いです。カップリングはローレ王子&サマル王女と、サマル王子&ムーン王女しか考えてないんだろうな…という印象も抱きました。FC版当時はサマル王子が親友キャラ(顔の作りが初期のクリリンっぽい)、ムーン王女がヒロインっていうイメージだったのに、時代は変わったものです。サマル王女はキャラ性能的には器用貧乏なところがあって、他の3人それぞれと同じような役割をできる分どれにも特化していないので、結果的に補助呪文とアイテム係になってましたね。ルビスの剣を手に入れたら雑魚戦はずっとギガデイン撃ってる係でした。
そう言えば今回、プレイヤーキャラに5つの紋章モチーフの名前をつけてプレイしました。ローラ姫の名前がラテン語由来なので、その子孫もラテン語由来がいいかなと思い、太陽からソルがローレシア王子、月からルナがムーンブルク王女というのは確定で、あとは星がステラ、水がアクアでどっちも女性名っぽいなと思っていたところ、星にはシドゥスという単語もあったのでこちらをサマルトリア王子にし、アクアをサマルトリア王女の名前にしました。5つの紋章なのにキャラは4人なので、特別っぽい命は外したんですが、なんか実質5人目みたいな新キャラがいるだろうと思っていたところ、ロンダルキアの王子というキャラクターが出てきたので、お前が命のヴィータだ!って勝手に思ってました。固有名詞をキャラに付けない方針のおかげでここはそういう妄想ができました。彼はロトの子孫じゃないことは気にしません。
(5)2のクリア後追加要素の感想
11との繋がり、6や8との繋がりをちゃんと考えられていたのは良かったです。この辺は考察編で掘り下げます。ただ3との接点というところは微妙なところで、一言で言えば、リメイク3で掘り下げられたオルテガの要素であるオルテガの兜が光の兜になる追加イベントを、最後に回収するために作られたのがリメイク2ということなのですが、そのために3の勇者が地上に帰れなかったと確定させてしまったのは微妙でした。当時堀井氏は地上に帰れた可能性もあると示唆していましたし、ゲームブックでも帰れるエンドがあったりと、可能性だけは常に残っていたのに、それをゼロにしてしまったのは微妙です。それをもって兜はアリアハンに帰れましたとさと言われても…というのが素直な感想です。上下の世界の行き来は、ラーミアでできちゃうわけですし、ルビスは他の次元に移動できるし、ハーゴンと竜王もギアガの大穴が閉じた後に下の世界に降りてきただろうに、それで3の勇者だけ戻れなかったというのは無理があります。その無理がある設定を前提としたエモい演出だったので、素直に乗ることはできませんでした。
「おおぞらに戦う」の使い方も、流れた時は感動しましたが、ラーミアが出てきた理由が唐突過ぎる上に、ボスの闇の衣を剥がすと勇者の挑戦に変わってしまうので、あまり楽しめませんでした。闇の衣を剥がさず戦えばたくさん聞けるんでしょうけど、めちゃくちゃ強いみたいなので…。それに至るまでの設定部分、光の玉を竜王のひ孫に返してロトの剣を実質「勇者のつるぎ・真」に戻すというイベントは良かったです。ハーゴンは実質的にウルノーガと同様の存在だったという解釈も良いです。11との整合性は良かったのですが、結局ルビスはなんでアレフガルドを作ったのかとか、ルビスと竜の関係は何なのかというところは掘り下げられなかったのでそこは残念でした。3の時点では、竜の女王の死因は世界が2つになったからで、2つ目の世界を作ったのはルビスなので、ハーゴンはルビスを恨んでいるのだろうと思っていたのですが、いつの間にか死因は光の玉を勇者に与えたことになっていて、ハーゴンは勇者を恨んでいることになってしまったので、ルビスが掘り下げることから逃げた印象を受けました。そんなに設定を考えるのが面倒なのか、ルビス…。1では竜王の世界全体に広がる闇の力を抑えるほどの力を発揮したのに、2では原作通りハーゴンの幻術を打ち破る以外に役に立ってないのも微妙でした。裏ボスとの戦いでは一応協力してくれましたが、ラーミアが来たのはルビスの意思じゃないらしいし…。
ルビスが3と1の間不在だったのは別の次元(おそらく6の世界)にいたからだということにされましたが、1と2の間の不在は闇の魔の手から逃れるためという後ろ向きな理由だったので、それならいっそのこと1の間ずっと不在で、2で紋章の力で別世界から召喚する設定にしても良かったんじゃないかと思います。というか、FC・SFC版のロトシリーズではそういう解釈にしていいいのだと思います。1で紋章を作るイベントを追加したかったのだと思いますが、わざわざ竜王の脅威を強化してまでルビスを1で呼ばなくても良くない?と思ってしまいました。ローラ姫を通じてルビスの力を一部発動できれば良かったんじゃないかと。ローラ姫とルビスに関連を持たせたのは良いと思いましたけどね。総じてルビス周りは大体不満ですね(笑)。
ローレシアの王子は最後王様になりますけど、追加エンドの時は王様になることを断ってからの展開にしてほしかったです。王様になることを受けいれたけどやっぱり冒険に出るっていうのはちょっと意味が分かりません。そういうところも雑なんですよねぇ。
(6)1・2共通の問題点
1と2の共通の問題として、アイテム配置の下手さとモブキャラの固有名詞の少なさ、モンスター配置の雑さは目立ちます。
アイテム配置の雑さは、先述のように3のアイテムがほとんど全部適当に出てくるというのもそうですが、各地のツボやタル、キラキラ、何もない場所にあるアイテムに無意味なものが多すぎるという点です。SFC版5以降、確かに家の中にステテコパンツがあったりと、単に生活感を感じさせるためだけのアイテムが増えましたが、それがあまりにも多いです。ダンジョン内にツボがあったりするのも(これは3からですが)意味が分かりません(今回マップ上に宝箱を表示する機能が追加されましたが、ツボの位置はわからないので結局コンプするには隈無く回る必要があるので時短にならないというお粗末さ)。鍵がかかった宝箱も普通のダンジョンにもあったりするので、鍵を手に入れたらもう一度同じダンジョンに入り直す必要が生じたりします。トヘロス使えば敵は出なくなるものの、そこまでしてプレイヤーに探索させる意図が感じられません。ただ面倒なだけです。それも含めて、アイテムの配置に意図を感じられず、適当に配置しただけというのが目立って感じられるため、単純にスタッフの力量不足なのだと思います。あるいは「こんなもんでいいや」っていう雑な思考ですね。
モブキャラの固有名詞の少なさも先述のとおりですが、特に妖精は1キャラずつ全て名前が異なるというこだわりようで、でも見た目は服の色と髪型が微妙に違うだけなのでよく分からないですし、そこまでこだわっている意味が分かりません。3のオルテガの仲間だったドワーフの時点でなんで固有名詞がないんだろうと思っていたのですが、それに拍車がかかったのが1&2ですね。繰り返しますが本当に意味が分かりません。あとなんでエルフじゃなくて妖精だったのかの意図もよく分かりませんでした。SFCのまではアレフガルドでルビスに仕えているのもエルフでしたし、エルフはリメイク版でもちゃんと3の上の世界にいるのに、それと区別して妖精にしたのか…。羽が生えているのもドラクエでは違和感があります。5の妖精は羽がありませんでしたし。
モンスター配置の雑さは、3のデータ流用で済ませていることに限らず、3のモンスターが1と2の世界に登場するのが最も気になった点です。スタッフは誰も違和感を感じなかったのでしょうか。モンスターの生態系的なものが全く考慮されておらず、3のアレフガルドで出現したモンスターが1の世界に出てくるなら分かるのですが、上の世界限定のモンスターが当たり前のように序盤から出てくるのが物凄い違和感でした。今までのドラクエって、出現する世界や大陸ごとにモンスターがある程度違っていて、生態系を感じさせるつくりをしていたんですが、それを完全に放棄していました。しかもボスモンスターとして4以降のモンスターも大量に登場するので(深海に6のモンスターが登場するのはまぁわかる、2に海のモンスターは少ないし)、PS版4の裏ダンジョンに7のモンスターが登場する違和感みたいなものをずっと感じながらプレイすることになります。ボスモンスターも格が高いカッコいいモンスターが使われるならともかく、雑魚敵の色違いばかりなので、なんでそのチョイス?と思わせることも多々ありました。というかそこまでそのダンジョンにボス必要ですか?というのもあり、しかも無駄に強かったりするので色々と違和感がありました。ボスが多いのにボス曲が原作にないのでずっと通常戦闘曲なのも微妙だったし、それでも悪霊の神々とミリエラにだけボス曲(SFC版2のOPイベントの流用ですが)があるので、そこだけ曲変えるんだ!?って思ってしまいました。とにかくモンスターの扱い方に愛情を感じることはありませんでしたね。黒いモーモンはいるのに普通のモーモンいないじゃん!とか。なんでそこで元のロトシリーズにいないモンスターにしてしまったのか。そう言えば黒いモーモンの殺し方も雑だと思いました。相手もそのへんのライオンヘッドの色違いみたいな奴だったので、回復が追いつかない演出もちょっと意味不明でした(エクスデスとは格が違う…)。
総じて、欠点は全て雑の一言で片付けられる出来で、よくこの完成度で商品化したなというのが感想です。3作ってる途中で急に1と2もこのシステム使ってリメイクしようぜって言われたのかもしれないですけど、この内容で出して良いと思ったプロデューサーやディレクターも含め、失望するしかありませんでした(堀井雄二氏は昔からシナリオ原作の担当で、プロデューサーとディレクターはずっと別の人物が務めてますので、彼らの責任です)。この辺の感想はドラクエモンスターズ3とほぼ同じなので、ドラクエの制作体制については本当に絶望しかありません。ドラクエ7のリメイクは別ラインっぽいのでまた違うと信じたいですが…発売日に買うことはないでしょう。
(7)1・2共通の良かった点
グラフィックは3同様良かったです。3の流用なだけあって、3にあった施設がそのまま(一部朽ちた形で)1や2に残っている演出も良かったですし、マップの配置も完全に同じになっている整合性も良かったです。雨のほこらがほぼルビスの塔なのはどうかと思いましたけどね。特に2では1階にほこらがなくなっているので、ほこらという名の塔になっているのも、その頂上に妖精がいるのに魔物は出る上ワープゾーンがないので毎回トヘロス使って最上階に上がらなきゃいけないのも意味不明でした。グラフィック面で気になったのは雨のほこらだけですね。
弱点が分かるようになったのは良かったです。それがあるだけでだいぶ呪文特技を選びやすくなりました。どうせ弱点かどうか分からないから、で火炎斬りなども結構避けがちでしたからね。ただやはり耐性値も見れるようにしてほしかったです。防御力が低いが耐性はある防具のレベル感が分からないのがもどかしかったですね。バフデバフの効果状態が見づらい、というか戦闘中のUIは全体的に見づらかったのは3と変わっていないので相変わらずです。
とにかく、3から含めたHD-2D版3部作は一言で言えばとにかく「雑」でした。やりたいことは分かるんですけど全然突き詰められてなくて、もっとこうすればいいのに!と思うことができていないというか。時間も足りなかったんでしょうけど、時間がないから「こんなもんでいいや」っていう手の抜き方がめちゃくちゃ伝わってくるリメイク三部作でした。同じ大人として、こういう仕事の仕方は残念としか言いようがありませんし、それを指摘する人間が内部にいないということになるので、スクウェア・エニックスに絶望するしかないという意味では、ドラクエモンスターズ3と全く同じ感想です。設定面的には面白かったよ、というのも含めて、本当に全く同じ感想になってしまったのでした。