天空三部作の世界のつながりを考える | どらくえ考察ブログ

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がんだまぁBlogから派生したドラクエ考察ブログです。
かつてはアーケードカードゲームの日記に使っていたので過去記事に残っています。

 ドラクエ5は明確にドラクエ4の続編とされていながら、世界の大陸の形が全く違うという矛盾があります。これは、世界をリセットした方がゲームを作りやすいという、制作上の都合でしかないのですが、それにもかかわらず天空への塔や天空城だけはちゃんと4のマップを踏襲していたりして、どうにも解釈が難しい部分があります。

 更に、ドラクエ6もドラクエ4の過去の話であることが明示されていますが、こちらはさらに接点が少なく、ゼニスの城が後の天空城、天馬の塔が後の天空への塔らしいということくらいしか接点がありません。ただ、接点が天空城と天空への塔だけという点は共通しています。

 この天空三部作の世界がどのような関係なのか、明確にしたいと思います。

 

 

 以前、各ドラクエの国家体制を考察した時に、すでにほとんど答えが出ているのですが、5の世界は明らかに「城」の数が少ないので、4の世界とは異なる次元の新世界なのではないか、という説を唱えました。5の世界は国家規模という意味では2に非常に近く、その2はルビスが作った新世界だったことから、同じように5の世界も、4の世界よりも新しい、創造されて間もない世界であったと考えられるからです。

 ただ、そこで引っかかるのが、天空への塔と天空城の構造が4と同じであるということです。天空城と塔だけは次元を超えて存在できると考えることもできますが、やはりこの2つだけは4と同じ建造物だと解釈したいところです。

 その前提に立つと、実は答えは一つしかありません。5の世界は「ゴッドサイド大陸」のある世界を元に作られたということです。4の世界の中で、ゴッドサイド大陸だけは別マップ扱いになっています。ただ単に縮図になっているだけであるように見えますが、あれが実は別世界(気球で行き来できるので、別次元と言うよりは「上の世界」「下の世界」の関係)であると考えれば、辻褄が合います。

 

 逆に言えば、ゴッドサイド大陸にしか天空城と天空への塔がないのであれば、4の世界自体がマスタードラゴン的には異世界ということになるでしょうか。4の世界にはエスタークがいましたから、マスタードラゴンはエスタークの存在を知り、ゴッドサイド大陸の世界から4の世界へ干渉したと考えることもできます。

 その後、何らかの理由でゴッドサイド大陸を新たな世界として創造しなおしたと考えられます。5の天空への塔がある大陸は、ゴッドサイド大陸とは全く違う形ですが、特にセントベレス山の有無が大きいと言えます。ただ、ゴッドサイド大陸の地下には、デスキャッスルとデスマウンテンがあったので、これが表に出てきたと考えることもできます。デスマウンテンが後のセントベレス山だったのであれば、デスキャッスルの位置にあるのは妖精の城ということになります。もしかしたら、デスマウンテンのある闇の世界を作り直す意図が、5の世界創造の裏にはあったのかもしれません。

 

 5の世界には、魔界へ通じる門があり、それを守る門番としてエルヘブンの民がいます。これは、5の世界を作った後に魔界の門が生まれたのか、魔界の門があったから5の世界を作ったのかで話が変わってきます。ただ、魔界の門があることが分かっていて人間を住まわせるようなことはしないでしょうから、魔界の門が現れたのは5の世界が出来てからなのかな、と思います、

 そして、5の世界にはかつての勇者の仲間が興した国であると明示されているテルパドールがあります。そのため、4の勇者の仲間、あるいは4の勇者の子孫の仲間が、5の世界にやってきたことは確実です。何のためにやってきたかと言えば、それは5の世界に魔界の門が開かれ、それを封印するための戦いがあったからなのではないでしょうか。

 

 ところで、ドラクエ6の世界はどうなったのでしょうか。ゼニスの城はおそらく確実に後の天空城であり、天馬の塔が天空への塔になったと思われる演出もあります。このことから、ドラクエ6の世界=ゴッドサイド大陸=ドラクエ5の世界ということになってしまいます。だとすると、ドラクエ6の世界は、ドラクエ7の世界のように、一度一つの大陸を残して滅んだということにならないでしょうか。

 一体ドラクエ6の世界に何があったのでしょうか。滅ぼしたのはエスタークかもしれませんし、それ以前に現れた別の魔王か何かの仕業かもしれません。ただ、一つ言えるのは、4~6の天空城・天空への塔がすべて同じものであるという前提に立つ限り、6の世界は滅んだことになってしまうということです。6をプレイした人にとっては夢も希望もない話ですが、6には夢の世界があったため、世界が滅んだとしてもそちらに逃げることが出来ていたんじゃないかとも思いますし、6の世界の住人を逃がすために作られたのが4の世界であるとという解釈も可能です。

 エスタークとマスタードラゴンの戦いは激しいものだったとも言われているので、両者が本気で戦った結果6の世界が壊滅して、住人は4の世界に逃がしたものの、エスタークを完全に殺すことが出来ず4の世界に逃がしてしまったため、やむなく封印したという解釈も可能ですね。

 

 つまり、天空城・天空への塔は全て同じものである説を取ると、4~6の時代は以下のような経過をたどったと解釈できます。

 

(1)6の物語の後、エスタークが出現。マスタードラゴンは世界の住人を4の世界に移住させ、エスタークと激しい戦いを繰り広げる。

(2)6の世界を壊滅させる戦いの末でもエスタークは倒せず、4の世界に逃げられてしまったため、やむなくマスタードラゴンはエスタークをアッテムトの地に封印する。

(3)4の物語。デスピサロがエスタークを目覚めさせようとするが、目覚めたエスタークは倒され、世界は平和になる。

(4)世界が平和になったため、マスタードラゴン(歴代ドラクエでは龍に世界創造の力があるとは言えないことが多いので、別の神かも)は6の世界だった場所に新たな世界を創造し、5の世界が生まれる。

(5)5の世界に魔界の門が開かれ、ミルドラースが侵攻しようとしたため、4の勇者(またはその子孫)と仲間たちがそれを阻止、魔界の門は封印される。

(6)5の物語。

 

 このように考えれば、一応の説明はつくと思いますね。5の世界にはエスなんたらが勇者に倒された伝説を語る人がいるので、4の世界から5の世界へ移住した住民もいるのではないかと思います。3の世界からアレフガルドに移住した人間がいたように。

 6と4の間の話、4と5の間の話で一作品作れそうな気がするので、11みたいな話が作れるならいずれ作られたりするかもしれません。というか作りませんか?(笑)

 

 ちなみに、アッテムトで倒されたエスタークが何故魔界の地下にいたのかという謎もありますが、これはミルドラースが魔界にエスタークの亡骸を連れ去った(復活させようとしたが、失敗した)という可能性が考えられます。5の魔界自体が元は4の世界だったという可能性もありますが…さすがに夢がないですね。

 どちらかというと、5の世界の上には4の世界があるという方が夢があるかと思います。5の物語の後、成長した双子が2つの世界を股にかける冒険が繰り広げられる話なんてのも想像できて楽しいですね。