ドラクエモンスターズ3の設定から考察する天空シリーズ3部作の繋がり | どらくえ考察ブログ

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がんだまぁBlogから派生したドラクエ考察ブログです。
かつてはアーケードカードゲームの日記に使っていたので過去記事に残っています。

 酷評したDQM3ですが、基幹となる設定は悪くありませんでした。今回は設定面から天空シリーズについて考察を深めたいと思います。

 

(1)ロザリーヒルの塔の仕組み

 今作におけるロザリーヒルの塔は、それそのものが次元を転移し、各魔界へ移動できるようになっています。このことから、天空への塔(とその先にある天空城)も、同様に塔のみが次元を転移できる可能性を視野に入れることができるようになりました。要するに、ドラクエ4〜6の世界はそれぞれ別世界で、天空への塔(天馬の塔)だけが次元を転移していると考えることができるということです。

 これにより、4〜6の世界が全く異なる形状であることについて、無理に辻褄を合わせる必要はなくなったと言えます。5では、天空城が落ちてしまい、他の世界への転移もできなくなっていたと考えることもできます(5のエンディングで天空城が高く昇っていくのは、転移機能を取り戻したとも言えます)。ただ5の世界に天空装備があることや、4の勇者の伝説がわずかに残っていることから、4の勇者一行が5の世界に転移し、天空装備がそこに残され、仲間の誰かが5の世界に残ってテルパドールの国を拓いたのは間違いないのかなと思います。

 

(2)複数ある魔界

 DQM3は魔界が複数存在し、4に登場した地下世界も「覇王城の魔界」というその中の一つでしかないことになっていました。このことから、5の魔界も複数ある魔界の一つでしかなく、魔界はいくつもあって良いということが示されたことになります。6のはざまの世界も一種の魔界でしょう。

 5の魔界はエルヘブンの民に封印されていましたが、これはおそらくエスタークを封じているからなのでしょう。4ではアッテムトからあっさり発掘されてしまったので、絶対にうっかり発掘などされないよう処置を施したのだと思います。ミルドラースはその際に一緒に魔界に閉じ込められた存在なのでしょう。

 この考え方なら、5でパパスが何故天空の勇者じゃないと魔界に行けないと思っていたのかもなんとなく説明できそうです。エスタークを封印しているのはエルヘブンの民ですが、倒すなら勇者でないと無理なので、非常事態において、勇者であれば魔界の門を開いても良いという決め事があったのかもしれません。3つのリングの存在意義はよくわかりませんが。

 

(3)エスターク

 エスタークが3柱神だというのは今回の驚きの設定の一つです。従来「エスターク」と呼ばれていたのは「クーク」であり、DQ10に登場するエスタークそっくりの「真・災厄の王」が「イスナ」、さらに完全新規のエスタークが「ジュマ」ということになりました。また、それらは全て悪の天空人イシュカが生み出したものとなりましたが、この辺は小説版4のエビルプリースト絡みの設定を参考に生み出されたようです。ピサロに兄弟がいたという設定もここからですね。

 「クーク」は作中で復活を果たしますが、肉体に魂が戻る前に勇者に倒されたことになっており、4と5のエスタークの戦闘力の差はそこにあるということができます。

 基本的にエスタークは不死の存在であり、それ故に封印することでしか完全には対処できないと考えられ、5のエスタークは完全復活してしまったが故に魔界ごと封印されたものと考えられます。ただ記憶を失っていることから、何らかの理由で魂が損傷したか、肉体だけが長い時間をかけて力を取り戻しているだけということなのかもしれません。ただDQM3のエスタークが全員茶色であることを考えると、4の青いエスタークは魂のない状態で、5の茶色いエスタークは魂を取り戻していると考えた方が説得力はあるのかなと思います。

 ピサロが進化の秘法を使うとエスタークと同じ姿になるという点については、おそらく「クーク」を生み出したものと同じ進化の秘法を使ったということなのではないかと思います。デスピサロはそこから更に進化するので、「クーク」も更に進化する可能性もありますが(他のエスタークもデスピサロっぽさが混じっているので進化後の姿なのかもしれません)、デスピサロの進化は失敗であると解釈することもできるので、まぁなんとも言えないですね。

 

(4)6の世界と4の世界の関係

 今回、4の遠い過去としてイシュカがエスタークを生み出したことになっていますが、まだマスタードラゴンが存在していない6の世界はそれよりも前ということになります。6は時系列的にはかなり昔ということになり、4と6の時代的距離感は、1と3よりもだいぶ遠く、むしろ1と11くらい離れている可能性があると言えそうです。

 マスタードラゴンはともかく、天空人はかつてのゼニスの城の住人=夢の世界の存在であると考えると、イシュカを生み出したのも人間界の夢見る心であった可能性が考えられます。人間ではなく竜が統治するようになったのも、その辺に理由があるのかもしれません。

 

(5)5の世界と4の世界の関係

 5の世界は、先述の通りエスタークを封印した魔界の扉がある世界で、その際に4の勇者(あるいはその次の世代の勇者)とその仲間たちがその封印に関与していたと考えられます。

 DQM3には、魔法を研究しているベネットというキャラが登場しますが、5のベネットじいさんと同一人物と考えるには長命すぎると考えられるため、好意的に解釈しても名前を受け継いだ子孫というのが限界かなと思います。ルドマンの家系とともに、エスタークの封印に関与した勇者の仲間にベネットの血族がいたと考えても面白いかもしれません。

 

(6)まとめ:設定はよく練られていた…。

 というわけで、DQM3の設定はかなり天空シリーズの解像度を上げてくれる良い設定が多く、その点では買って良かったなと思っています。しかし、それにつけてもピサロを主人公として扱う下手さと、途中で設定変更したとしか思えない4の時系列への侵犯が実に悪手でした。いずれアップデートでランディオルやディオロス、ザガンギエル、イシュカや他2体のエスタークが配合で作れるようになるんでしょうか。それとも完全版が出るとか?