劇場公開時は、あの北野武監督が描く大好物の戦国モノ、しかもまさかのクイア映画！？と聞たんで、かなり気になりつつも、あまり良い評判を聞かずどうなんかなぁ？どうするかなぁ？とか思ってる間に終わっちゃういつものパターンでしたが、この度オレ的映画TOP10 year end chart 2023の候補作の一本としてネット配信での鑑賞をしましたので、ザックリ感想をば。
※当ブログの映画感想系記事は、基本的にモロネタバレは避ける方針で書いておりますが、感想上必要な範囲内で物語の核心に触れたり触れなかったりしますので、その辺ご了承の上お読みくださいませ。
『首』 北野武監督
冒頭、戦場の川に武者の戦死体が流されてるシーンを見ておお！カッケー！こいつは楽しみだ！！と期待値爆上げしたんですが、尺が進むにつれうむむむ～ん…、と…（苦笑
何よりこの映画の一番ダメなトコは、肝心要（であるはず）の光秀と村重の関係がとてもじゃないが男色性愛関係に見えなかった所。
一応濡れ場もあるんですが、ホンマただのコントみたいで色気も何もあったもんじゃない、戦国時代の男色と今のゲイは違う、云々、とかいう以前のレベルで、もう全然ダメでした。
※刀餅のシーンは良かった、エグすぎて見るに堪えないけども…汗
それに比べれば信長のサディスティックな性癖の描き方はまだマシでしたが、それにしてもステロタイプ感から抜け切れてない感じで…
例えば、光成の前で蘭丸とこれ見よがしにやるシーンとか、蘭タチ信受けでムッチャハメられてるまま、いつものどサドキャラ炸裂する信長さま、とかの方が面白かったのでは？ある意味、リアルだし…（笑
ホモネタ周りに関してはクイアからは程遠く、まぁ思いついたんでやってみた、の範疇から一歩も出てない感じで、正直いらんのでは？と思いました。
※冒頭や高松城戦などの戦場シーンは基本的に良かった、ゲイエロ的には微妙なホモ濡れ場よりも無駄に下帯男衆が駆け回る戦場シーンの方が推しやも…（笑
ひとつのシーン、ひとつのセリフにピリッとしたいい瞬間はちょこちょこあるんですが、それがバラバラとただ流れてゆくだけで、ストーリーが大きなうねりになっていかない感じ、まぁ殿の映画はいつもこんなんといえばこんなんかもだけど…
上手に繋がってれば、光秀の謀反の原因が信長との同性愛関係にあった、というトンデモ戦国絵巻になり得た感があったような気もします、残念み。
(追記、光秀の信長に対する思いが劇中の台詞通りだとすると、同性愛的というよりホモソーシャル的かもしれんなぁ、と思い直してみたり…)
むしろ「芸人」ビートたけしが、「世界のキタノ」を茶化し尽くすために、豪華俳優陣と15億の制作費をかけて作った一大コント作品、と思って見た方が、楽しいしよりセンシティブな芸術品としての味わいが出てくるかもしれません。
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