昨日、自民党本部で国防議連を開催し、「ミサイル防衛」について

 

①    イージスアショアの代替案について

②    新型ミサイル対応について

 

議論を行った。

 

まず、国家安全保障局(NSS)と防衛省から各項目について説明が行われた。

 

イージス・アショアは、多数の弾道ミサイルの対処とイージス艦の負担軽減を目的として導入を計画していたが、ブースターの落下に関する安全確保が困難になり、事実上の断念に至った。取得費用は、FMS契約の本体が約1,399臆円(内97臆円が支払済)、DCS(一般輸入)のレーダーは約350臆円(内65億円支払い済)、VLS(垂直発射装置)約115億円であり、全てにおいて違約金の額は未だはっきりとしない状況である。

 

続いて、総合ミサイル防空について説明が行われた。これは、米国のIAMD(統合ミサイル防衛)に相当する概念であり、今後は、極超音速滑空兵器等が主流になる可能性が高いため、新たな対応策が求められる。現状、わが国は、JADGEとリンク16でネットワークを繋いでいるが、通信速度が遅いという課題がある。米国はそれを補うためにCEC(共同交戦能力)を導入している。わが国は、「まや」「はぐろ」及びE2DにしかCECを導入していないため、今後は他のイージス艦にも導入の検討が必要である。更に、小型コンステレーション、無人機の必要性、終末の迎撃手段としてPAC3の能力向上、中SAM改の改良のための調査研究費が計上されていると説明があった。

 

事務局から佐藤が、イージス・アショアの代替案について各長所・短所などを整理して提示した。

 

 

出席した国会議員からは「これからの脅威はHGV。それに対する備えを考えなければならない」と政府に求める意見が出た。PAC3と中SAM改の改良型では、近い距離でしか対応できないため、遠くからHGVを迎撃することを考えなければならない。また、「衛星コンステレーションは日本製を導入すべき」と政府に求める意見も出た。

 

イージスアショアの代替案は、十分な効果が得られるものを導入しなければ意味がないため、今後も政府と調整しながら検討を続けていく。次回は、飽和攻撃や新型ミサイルへの対応が不可能な場合の「新たな抑止力」として敵基地攻撃能力に関して議論する。