本日、自民党本部で「尖閣諸島問題における有効支配(行政力)」について石垣市議会から砥板先生を招き、ヒアリングを行った。

 

まず、字名変更についての説明があった。「字登野城尖閣」と変更した背景には、現行の「字登野城」は、石垣島と尖閣諸島の両方に付されており、土地や本籍等の表示を一見しただけでは「石垣市内にある字登野城」なのか、「尖閣諸島の字登野城」なのか区別がつかない。実際に、混同してしまい行政事務手続きにミスが出た例もあるとのことだ。そこで、委員会を設置し検討を重ねた結果、字名を「字登野城尖閣」とするに至ったとのことだ。

 

ただし、字名変更は単に地方行政の観点だけでなく、「尖閣諸島は石垣市である」ことを市民及び国民に訴えたいという強い思いが根底にあるとのこと。

 

これに対し、台湾政府からは、領有権の主張に利用するつもりはないとの声明が出された。一方、中国は東シナ海の50カ所の海底地形に名称をつけた。その中には、尖閣諸島の中国名である「釣魚島」の名前を使った「釣魚窪地」などの名前があった。

 

次に、石垣市の取組として「八重山ビジターズビューロー教育旅行誘致委員会」(会長は石垣市長)の活動が照会された。この組織は、学生の教育旅行先として第11管区海上保安部の見学を受入れ、誘客する活動を行っている。学習活動は、国境を支える海上保安官の講和や、現場の見学を通して、尖閣諸島問題の重要性などを勉強する機会となるため、政府にも活動を支援して欲しいとの要望があった。

 

他にも、石垣市からの要望として、東京にある「領土・主権展示館」の出先機関の設置や気象・海象観測施設、灯台、無線施設、漁港の設置を求めた。

 

席上、国会議員から「資料館をつくるとしたら、国の施設か?市の施設か?」という質問が出た。これに対し、国の支援を受けた市の施設が良いのではないかとの意見が出た。東京都にも14億円の基金があるので、それを利用するのも一つの手である。

 

また、「遺骨収集に関して、70名~100名程の遭難者の遺骨が尖閣諸島に残っている。早急に実施すべきである」と政府に求める意見が出た。厚生労働省は「しっかりと状況を把握し対応したい」との回答を得た。

 

他にも「中国人が、海上保安庁の桟橋をドローンで撮影した事案があった。規制を設けるべき」と政府に求める意見が出た。「自衛隊と同様、海上保安庁の施設に関しても規制を設け、改善したい」と回答された。

 

石垣市議会から現場の生の声を聞く貴重な勉強会となった。佐藤は、事務局長として、勉強会を重ねていくと共に、これまで国防議連で議論してきた、防衛力、警察力、有効支配(行政力)の観点から政府への提言を纏めていく。