本日、『内閣第一部会・国防部会・外交部会合同会議』、その後『国防部会・外交部会合同会議』が開催された。
中東における自衛隊の活動、またレバノン情勢を受けた邦人保護について、内閣官房・外務省・防衛省から説明があり、佐藤からは下記のような発言をした。
 
 
≪中東における自衛隊の海賊対処行動について≫
 
国際社会にとって重要な海上交通路であるソマリア沖・アデン湾における海賊行為に対し、現在、我が国では自衛隊護衛艦1隻及びP-3C哨戒機1機を派遣しているが、それら護衛対象の日本関連船舶はフーシー派の攻撃を避けるため、アデン湾ではなく、喜望峰回りにシフトしていると承知している。日本関連船舶は海賊対処行動地域をどのくらい通過をしているのか、最新の状況を教えていただきたい。
 
現地で護衛にあたっている護衛艦あけぼのは、以前、フーシー派から対艦弾道ミサイルを撃たれ、その際には回避行動をとった。しかしあけぼのには、限定的なドローンや巡航ミサイルに対応する能力はあるかもしれないが、対艦弾道ミサイルへの対応能力はない。ジプチ基地には防空火器がない。先般の閣議決定で、ジブチ基地は海賊対処拠点だけでなく、人道復興支援の拠点、邦人保護の拠点として施設整備が引き続き行われている。そのジブチ基地はフーシー派の各種ミサイルの射程圏内で、隣には米軍基地がある。
護衛艦に対する防御能力と、ジブチに対する防御能力が前の計画のままでいいのか。検討をされているのかを含め伺いたい。
 
 
≪レバノン情勢を受けた邦人保護について≫
 
イスラエルとレバノン間の緊張が高まるなか、まずは邦人保護を最優先で考えていただきたい。また輸送手段についても速やかな輸送を行うため、自衛隊輸送機以外にも様々な選択肢を考えておくべきでだと考えるが、見解を伺いたい。
 
自衛隊輸送機の領空通過許可について。レバノン情勢を鑑み、防衛大臣は9月27日、外務大臣の依頼を受けて自衛隊輸送機をレバノン近くのヨルダンおよびギリシャまで移動させて待機することを命令した。しかし10月2日現在も自衛隊機の関係国の領空通過許可を取り付けている状況のため、未だ日本で待機中である。これは一般的に考えれば時間がかかり過ぎている。様々な事情も発生しているからであろうが、今後、緊迫した状況下で自衛隊機を進めるのであれば、外務大臣は早め早めに要請を出すべき。「備えあれば憂いなしか」が、「憂いあれども備えなし」では邦人の命は救えない。救出委間に合わなければ意味がない。
 
また、イスラエルはヒズボラが使用するポケベルやトランシーバといった通信機器を攻撃し、命令系統を寸断して、更には主要な指導者を空爆で殺害し、そして地上侵略を開始した。この攻撃は建前上イスラエル国民を国内北部へ帰還させるとしているが、ここまでやれば中東地域全体が緊迫するのは誰が見てもわかること。イランはイスラエルへ弾道ミサイルによる大規模攻撃をし、イスラエルはおそらく報復をするだろう。このようなネタニヤフ首相の一連行動の意図について、外務省はどう考え、どのように対応しようとしているのかを伺いたい。