ミリオン座にて鑑賞。
太平洋戦争末期、アメリカ軍の沖縄上陸の直前に沖縄県知事になった島田叡のドキュメンタリー。「カメジロー」シリーズを監督した佐古忠彦作品。日本軍の「軍民ともに玉砕」という方針に異を唱え、沖縄県民を救おうとした知事の姿を、沖縄戦を生き残った人々や文献などから描き出す。沖縄戦当時、日本軍がいかに民間人の命を軽視したか、生き残った人々の口を通して語られる。「泣きやまない赤ちゃんを、母親に殺させた」「親を亡くした悲しみにくれている女の子の頭を拳銃で打った」「子どもが持っている食料を奪い、抵抗したら殺した」「アメリカ軍へ投降しようとする民間人に、軍刀で切りつけた」等々。無敵の皇軍などという勇ましい呼称とは程遠い、おぞましく醜い日本軍の姿が浮き彫りになる。沖縄の人々に多大な犠牲を払わせておきながら、今なお沖縄の人々に基地という負担を押し付ける日本という国。情けなさで胸がいっぱいになった。