ミリオン座にて鑑賞。

19世紀中頃のイタリアが舞台。ユダヤ人家庭の6歳の息子が、カトリック教会に誘拐される。実際にあった事件を元にしている。宗教が、教義を離れて権力として君臨する。そのグロテスクな姿を、2時間の間突きつけられた。そもそも生まれたばかりの赤ん坊に洗礼を授けるということが、本来の目的から逸脱している。宗教の権威を笠にきた者の姿。宗教だけでなく、権威あるものを笠にきて横暴に振る舞う者の姿。洋の東西を問わず、その姿は醜く愚かしい。幼いエドガルド役の子役が素晴らしかった。音楽、衣装等もとても重厚で、真実味のある素晴らしい作品になっていた。