シネマスコーレにて鑑賞。

香港が舞台。タクシー運転手と、難民の子どもとの交流を描く。タイトルの白日青春は、運転手と子どもの名前でもあるが、18世紀中葉の詩人による『苔』という五言絶句からの言葉を引用しているとのこと。主役のアンソニー・ウォンの鋭い目つきが印象的。アル中のしがない運転手だが、かつて中国本土から逃げてきて、妻を失った悲しみを堪えつつ逞しく生きてきた強さを感じさせる。映画の中で、香港が難民の中継地点であるということが分かる。古い流れものと新しい流れもの。複雑な社会のありようが、巧みにストーリーに込められている、面白い映画だった。