こんにちは、Sarahです。

大手住宅メーカー勤務の

インテリアコーディネーターです。

 

住空間を通して


人を幸せにすることが

インテリアコーディネーターの責務です。


インテリアに興味があり、

自宅を自らの手でおしゃれにしたいと思う方に

手に入れておくと役にたつ基本的なセオリー(理論)をご紹介します。



〜こだわりを形にし、想いを叶えたインテリア〜


インテリアに対するこだわりはありますか?
具体的でなくても、ふわっとしたイメージでも
大丈夫です。
こだわりや想いは、住まいづくりの第一歩であり、
大きな軸になります。

・飾りたい絵やオブジェを持っている。
・趣味で集めたNゲージ(鉄道模型)を段ボールから
出し、毎日見て、触って過ごしたい。
・好きな車を眺めながら、音楽を愉しみたい。
などは、モノへのこだわりの例です。

・両親から結婚祝いに贈られた6人掛けの食卓を
これからも大切に使い続けたい。
・建て替えのため、取り壊す自宅の欄間(らんま)を
新しい家に持っていきたい。
などは、モノに込められた沢山の思い出に対する
こだわりの例。

家族の思い出をたっぷりと纏った家具を、
新居でも愛着を持って使い続けたいという想いは、
受け取る側にも温かく伝わります。

例に挙げたように、こだわりや想いを言葉に出し、
伝えてもらうことで、コーディネート方針が
立てやすくなります。

今回は、30代前半のお客様の例をご紹介します。

お客様から送っていただいた写真です。
家に対するこだわりをわかりやすく、表現している
一枚だと思います。
今回、ブログ掲載の許可をいただきました。

床の間に見立てた床板を無垢オーク材チョウナ(釿)
仕上げで張りました。チョウナ(釿)とは、大工道具
の1つで、チョウナを使って木材の表面を規則的に
はつっていく工法です。
和の伝統美を意識した仕上げです。

奥様が設えた花器と和花、大谷石が
静かな和空間に凛とした空気感を放っています。
大谷石は壁仕上げ材の実物サンプルとして
取り寄せたものです。
本来なら廃棄処分されるサンプルを上手く活用
されていると感じ入りました。


大きな窓を覆っているのは、
強化和紙製のプリーツスクリーン。
障子をイメージしたスクリーンは、
光を柔らかく通しながら、外部からの視線を
遮る役割を担っています。

床に置かれたスタンドライトは、
伊東豊雄(Ito Toyo)デザインのマユハナ。
三層に重ねられたシェードが美しく光を
放っています。
マユハナの採用を決めたのは、お客様ご自身です。
この2枚の写真が現している
和風・和モダンのインテリアスタイルが、
ご夫妻のこだわりでした。

LDKや玄関も和のテイストで揃えました。
ひのきやオーク材などのナチュラルな木肌色。
壁や天井は、ベージュ、ゴールド、黒。
タイルやカーテンには濃紺や藍色を採用。
ソファの貼り地やクッションにも同じ色を重ね、
全体の色数は、5色までに抑えました。

ベーシックカラーは、ベージュと木肌色。
床と天井、扉や収納家具の面材など、
全体の80%を占め、背景となっています。

アソートカラーは、黒と藍色。
壁面タイルやキッチンセットの天板や扉に
使いました。15%ぐらいのボリュームですが、
最も印象に残る色です。

アクセントカラーはゴールド。
写真では、分かりづらいですが、和室の正面一面と
ダイニングテーブルの上に吊るした
スポットライト型ペンダントに使いました。
5%のゴールドが、空間に映えています。

和風・和モダンにこだわったインテリアが
完成しました。
お二人の想いがたっぷりと詰まった空間です。

理想の家づくりを目指すため、
こだわりと家に対する想いを大切にすることを
お勧めします。