和竿 寸法、尺 寸 等のこと  | 惣治の日々

惣治の日々

「悠々として急げ」とは彼の巨匠 親父の呟き
開高健に憧れ・・江戸和竿に魅せられ
回顧録を兼ねて綴る
4代目竿治 参乃治会 惣治 

さて、小刀、鑢と一番使う道具を紹介してきたけれど・・・今日は 寸法を課題に


和竿では今でも尺、寸が定法となっている。


これまで、子供の時から釣竿を買う時、一番不思議なことは、グラスロッドであれ、カーボンロッドであれ


5.4mとか3.9mとか半端な長さで、なぜ5mとか4mとかしないのか・・・

外国の竿はmではなくFt フィート・・・・

日本の釣竿は、単位こそmになっているけれども、これは「尺・寸」を「m」に換算表示しただけで


子供のころ、買って今でも川釣で使う5.4mのカーボン振り出し竿は、

3間の竿と言ってもいい、18尺なのです、「丈8」とは言わないらしい。


日本の釣竿は今でも尺が単位なのだと思う。

釣をする子供達にとっても「へー」とちょっとした「トリビア」かもしれない。


当初、竿治親方とお話をするとき、いつも頭の中で「換算」して、その長さをイメージしなければいけない

イメージできない自分が悲しかった・・・


親方は「間」(けん)を使うこともあった。1間は6尺で 18尺は3間

長めの釣竿は3間、3間半、


明治時代の"度量衡法において1間=6尺と定められた。また、1"坪" (歩)の面積の正方形の1辺が1間である。

「丈」(じょう)を使うこともあった、1丈は10尺


また、「丈」は「竿丈」として竿の全長という意味にも使われる。


いわゆる「身の丈にあった」・・の「丈」(たけ)

講釈が長くなってしまった、いつもの悪い癖である。



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江戸和竿では「何尺元何本継ぎ」
というのを常々使用される。

これは○尺元○本継ぎでおおよその仕舞寸法と全長が分かるから。

たなご竿は 8寸元がよく使われる。これで後は、継ぎ数何本用として仕掛けを作る。

換え元で、使用する継ぎ数を調整し、釣り人はその川やホソに適した継ぎ数で語っていたらしい。



代表的な真鮒竿では、仕舞寸法2尺元の竿という具合。


2尺元6本継ぎ・・・・丈一(11尺で3.3m)

2尺元7本継ぎ・・・・2間(12尺で3.6m)

2尺元8本継ぎ・・・・丈三(13尺で3.9m)

2尺元9本継ぎ・・・・2間半(15尺で4.5m)


ただ、3尺3寸元 以上のものは2間半5本継ぎと表すようだ。


継ぎ竿は、一継ぎの長さで、(ここで言う一継ぎが、一般に「一節」といっています。)  

「小竿」 8寸~1尺8寸

「中竿」 2尺~3尺

「大竿」 3尺3寸~6尺位まで


物差しは、竹製の尺寸法のものを使います。竹製は狂いも少なく、

なんとっても材料の貴重な竹を計るときに、不用意にぶつけても、竹材に傷をつけない。

金属製の尺は使わない。


参乃治会での初めての課題が「1尺元・・・」というのは、このへんから来ていて、最初のころは面食らった!


和竿は、尺、寸で語られるという寸法のことを整理、まとめてみました。


参考の写真の物差しは4代目竿治親方が昭和46年7月に求め使用されていたものです。