「専門用語」を正しく使うことって・・・とても大事 !!
医療系ではない専門領域の方と話をする機会がありました。話題のひとつが、「副作用」という用語。学生時代、「薬物学」研究室で学んだので、この用語の使い方、ずっと気になっています。そこで、今回、次の3つの「用語」の違いを整理します。➀有害事象(adverse event : AE)②副作用(side effect)③薬物有害反応(adverse drug reaction : ADR)「作用」と「反応」・「事象」の違いは ? 「作用(effect, action)」は、「薬」自体が持つものです。一方、「反応(response)」と「事象(event)」は、患者で認められるものです。 NSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)を例に挙げます。NSAIDs投与時に患者で認められる胃腸障害は、主に「COX-1阻害による粘膜防御因子(プロスタグランジン)の減少」と「薬物自体の直接的な酸性刺激」というNSAIDSが持つ2つの作用によって起こります。この2つの作用は、「副作用」です。この2つの作用により、胃粘膜血流が低下し、胃酸への抵抗力が弱まることで、びらんや潰瘍、消化管出血という「有害反応」が患者で認められます。 つまり、「作用」と「反応」・「事象」の違いは、「薬」と「患者」のどちらから見るかにあります。3つの「用語」の整理 続いて、3つの「用語」を整理します。➀有害事象(adverse event : AE)・「薬」を投与された“患者“で認められる「あらゆる好ましくない出来事(事故や病気も含む)」のこと。・投与された「薬」との因果関係は問わない②副作用(side effect)・ある治療目的で投与する場合、その目的の作用が「主作用」で、それ以外の作用が「副作用」となる。ただし、「薬」の中には、複数の治療効果が期待される作用を持つものがあるため、「副作用」のすべてが「好ましくない(有害)」なものではない。・投与された「薬」との因果関係がある(or 可能性がある)。・日本では、「副作用」を「好ましくない(有害な)副作用」の意味で使用していることが多いですが、海外では、「好ましくない(有害な)副作用」は「adverse drug effect(薬物有害作用)」という用語が使用されているようです。③薬物有害反応(adverse drug reaction : ADR)・予防、診断、治療の目的で通常用量の「薬」の投与中に、“患者”で認められた有害で意図しない反応のこと。・投与された「薬」との因果関係がある(or 可能性がある)。・日本で、通常、使われる「副作用」は、この「薬物有害反応」のことです。「異常」に最初に気づくのは、患者 医師の処方による薬物治療中、あるいは、OTC薬を服用中に、「異常」を最初に気づくのは、患者(一般市民)あるいは、その人の身近な人(家族、友人、訪問看護師、介護士など)です。 「薬」の専門家である薬剤師は、薬局や病棟でのインタビューや観察を通して、患者の「異常」の気づきに注視することが重要です。その「異常」が重大な健康被害につながる可能性があれば、処方医への受診を勧めることで、「異常」への対応が早くなります。 その際、「副作用シグナル確認シート」がお役に立てると思います。生成AIで、説明イラストを作ってみました この機会に、生成AI(ChatGPTとGemini)にイラストを作っていただきました(2026年4月23日)。指示➀ 「薬物有害反応」のイラストを作ってください。●ChatGPT (Open AI)●Gemini(Google) また、Gemini (Open AI)で、「薬物有害反応」と「副作用」の説明スライド(英語版)を作りました。英語版を指定にしたのは、世界的に見て、どのような違いがあるかを知るためです。専門用語は、世界共通の理解が必要ですので。もちろん、これらから日本語翻訳版も作れます。両方を比べてみてください。指示② Please create an explanatory illustration about "adverse drug reaction".指示③ Please create an explanatory illustration about "side effects".