小平市を中心に活動する

さくらジュニアオーケストラです飛び出すハート

 

さくらジュニアの音楽監督 伊藤先生の

オーケストラこぼれ話第3話後半です。

第3話のテーマは「アガる」(全2回)ルンルン

前半はこちら↓


今までのこぼれ話

第1回 指揮者って何? 

第2回 遅刻 

 

オーケストラこぼれ話

第3話 アガる②

 

 私は単純な方ですね。

著名な方でもかなりあがり症の人はいます。

今お話しした森先生も舞台の袖で奥さまに「怖い、行きたくないよ」と泣き言を言われたそうです。

チェロの有名なソリストでも同じように「イヤだよー、出たくないよー」と駄々をこねて、奥さまに「しっかりしなさい!」と蹴っ飛ばされるように舞台に出されるんだけど、いざ出ると別人のように落ち着いた感じで演奏も素晴らしい、という話を聞いたことあります。


私がオーケストラに所属していた間に共演できたもっとも有名な人は、世界3大テナーの1人、プラシド・ドミンゴ氏だと思います。

何度か本番の機会がありました。

その中で必ず入っていた曲が、プッチーニのオペラ、トスカより、星は光りぬ、という曲です。

通称星ピカといってクラリネットのソロから始まる素晴らしい曲です。

初めての時はすごくアガりました。

出ない可能性がきわめて低い、出しやすい音から始まるのですが、もし出なかったら、とかひっくり返った音が出たら、とかバカバカしいと思うほど頭がいっぱいになったのを覚えています。

これはドミンゴ氏があまりにも偉大な歌手だからです。

そのドミンゴ氏もナーバスになっていたことがありました。

ミレッラ・フレーニというこちらも世界的なソプラノ歌手と共演したのですが、フレーニが絶好調!一方でドミンゴは風邪気味。

結局素晴らしかったのですが、あの時のドミンゴ氏の不安そうな表情、そして舞台の袖で十字を切ってから出たことをよく覚えています。

ドミンゴでも神頼み、と思うとちょっと嬉しいような気もします。


あと印象的な方ではある楽器の素晴らしい演奏家なのですが、極端なあがり症で常にウィスキーを持ってちょくちょく飲んで本番をやる、という方がいました。

一度ウィスキーが紛失した、と大騒ぎになったことがありました。

普通は酔って演奏なんて許されないのですが彼だけは黙認でした。

でも演奏も人柄も私の大好きな方でした。


さて、どうすればアガらずに演奏できるか…。

昔、客席にジャガイモが並んでいると思え、なんて言われたことがありましたが効果ありませんでした。

やはりしっかり練習して自信を深めれば、より音楽に集中できて精神的に少しは前進できるかなと思います。

あと私はアガるということを前向きに捉えるようにしました。

負け惜しみみたいですが、アガるからこそ本番でプラスアルファのものが出せる場合がある、アガる自分を嫌がらずに仲良くしよう、そう思うことで少しだけ気が楽になりました。


以上、プロでも大物でもアガる人はたくさんいるということです。

ただプロのオーケストラは本番が多く、年に100回は軽く超えます。

ですので難易度がそれほどでもなく、やり慣れている曲などはほとんどアガりません。

でもそんな時に突然大事故が起こったりします。そんな夢もたまに見ます。

おー、コワいコワい!

 

 

伊藤先生、ありがとうございました拍手

 

星は光りぬは、オペラ『トスカ』の中で、カヴァラドッシによって歌われる有名なアリアです。

フィギュアスケートでも競技曲として選ばれることがあり、浅田真央さんも現役時代この曲で演技されていますバレエ

ちなみに、イナバウアーで有名になった荒川静香さんが演技したのは同じプッチーニが作曲した『トゥーランドット』の誰も寝てはならぬ、です。


星は光りぬは、死刑を宣告されたカヴァラドッシが、処刑前夜、恋人トスカへ別れの手紙を書きながら感極まって歌うアリアで、伊藤先生のクラリネットが冒頭奏でたメロディーをテノールが引き継ぎ、短い曲でありながらドラマチックで美しい曲。

このオペラを初めて観たのは高校生の頃でしたが、美しい曲と衝撃的なエンディングがしばらく頭を離れませんでした。

そんな星は光りぬを『星ピカ』と呼ぶんですね!

この曲の悲劇的な背景とかわいい響きとのギャップがなんだか気になります流れ星


プロの方でも、一流と呼ばれる方でも、本番前緊張したり、不安になったりするのだと思うと、私たちもアガることが悪いことだと思わず、でも、自信を持って本番を迎えられるよう、日々の練習を大切にしたいなと思いますねキラキラ


 

 

 

音楽監督/指揮   伊藤 裕悦

 

国立音楽大学卒業。皇居桃華楽堂新人演奏会に出演。 
1981年東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に入団。 
1987年ウィーン国立音楽大学に1年間留学。 
帰国後、同オーケストラに復帰し、2013年9月の退職までオーケストラをはじめ、ソロ、室内楽、指導など多方面でも活躍。 
2014年12月より国際交流基金のオーケストラ海外支援事業で1年間バンコク交響楽団に所属。

現在は、演奏活動のほか東京学芸大オケ、東京理科大オケ、小平市民オケ、品川区民管弦楽団、高砂香料吹奏楽部などの指導も行っている。

(さくらジュニアオケHPより)

 

さくらジュニアオーケストラでは
現在団員を募集しておりますキラキラ
詳細はHPをご覧くださいルンルン

年度途中は経験者の方のみですが
初心者の方の入団は春頃、体験会を行いますバイバイ

*2023年の初心者ヴァイオリン体験会はありませんが

 初心者対象の体験会の計画を進めておりますので

 続報をお待ちください!*

お問合せ大歓迎ですハート

 

さくらジュニアオーケストラHPジンジャーブレッドマン