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さくらジュニアの音楽監督 伊藤先生からオーケストラこぼれ話キラキラ

第1回話のテーマは「指揮者って何?」(全3回)②ですルンルン

 

前回のおはなしはこちらから↓


スタートですにっこり

 

 

オーケストラこぼれ話

第1話 指揮者って何?②

 


さて、私が思う指揮者の良し悪し、好き嫌いのお話です。


プロオケとアマオケの最大の違いの一つに、あるコンサートのためにどのぐらい練習時間をとるか、ということがあります。プロオケではたとえば定期などの練習は3~4 回くらいです。大きなオペラなどではまれに6~7回、名曲コンサートなどのポピュラーなものだと1~2回といったところです。

 一方、アマオケは学生も一般も一つのコンサートのために数ヶ月は練習しますし分奏などもありますから二桁回数は確実です。そんなわけで当然ですが 私の印象ではアマチュアの方がはるかに曲の理解度が高いと思います。私が特に無知な方かもしれませんけど、持ち時間が違いますから。ですのでプロオケを相手にするなら指揮者の指示はシンプルなほどいいと思います。 


最悪なのは感覚や概念ばかり言う人。「そこは、祈りです。絶望的な気持だ がかすかな希望がある。暗くて寒い。これを作曲してた頃の○○はこんな気持だったのです。」なんて言われたら、「うるさい!そんなことどうでもいい。もっと大きいのか小さいのか、硬めか柔らかめか、粘るのかサラッとか、高めか低めか、具体的なこと言わんかい!」と思ってしまいます。 逆に具体的なことばかり要求されて練習していくといつのまにかすごい響きや流れになる、ということがあります。こういう人は尊敬します。 

あと暗譜力。長い曲を完璧に暗譜する指揮者は多くいます。 カラヤンはかなりの歳になってから自家用ジェットを持ちました。まあ、ジェットを買えることにはさほど驚きませんがなんと自分で操縦していたのです!パイロットの免許はいくらお金があっても実力がないと取れないでしょう。つまり歳をとってなお頭脳明晰、運動能力抜群、と思われます。


 もう一つ、日本を代表する著名なピアニストに聞いた話。 ある場所でアシュケナージ(世界的なピアニストで指揮者としても活躍してい る)がピアノトリオの練習をする時にそこに居合わせる、というチャンスがあってもちろん興味津々だったのですが、残念ながら入れなかったのでドアに耳を付けて聞いたそうです。

当然アシュケナージが練習の主導権を握っていたようですが、彼の練習はとても細かく2~3小節やったらすぐ止めていろいろ注意する、という感じだったそうです。

しばらく練習して3人が出てきたのを見てビックリ。なんとアシュケナージは手ぶらで出てきたそうです。 つまりヴァイオリンやチェロのパートまで完璧に覚えており、なおかつどん なふうに演奏したいのか細部まではっきりと思い描いていたということです。話してくれたピアニストだってコンチェルト3曲を一気に弾く、なんてこ とができる人です。もちろん暗譜で。その彼が本当に驚いたそうです。すごいですね。


 どうでしょう?音は出さずとも人によってはとても価値のある立場であると理解していただけましたか?あくまで人によっては、です。これといって魅力のない指揮者はたーくさんいます。そういう人には演奏者は冷たいです。

 

 

この続きは、来週27日水曜日にアップする予定です鉛筆

指揮者って何?最終回キラキラ

お楽しみに気づき


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音楽監督/指揮   伊藤 裕悦


国立音楽大学卒業。皇居桃華楽堂新人演奏会に出演。 
1981年東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に入団。 
1987年ウィーン国立音楽大学に1年間留学。 
帰国後、同オーケストラに復帰し、2013年9月の退職までオーケストラをはじめ、ソロ、室内楽、指導など多方面でも活躍。 
2014年12月より国際交流基金のオーケストラ海外支援事業で1年間バンコク交響楽団に所属。

現在は、演奏活動のほか東京学芸大オケ、東京理科大オケ、小平市民オケ、品川区民管弦楽団、高砂香料吹奏楽部などの指導も行っている。

(さくらジュニアオケHPより)


 

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