辛坊正記ブログ-金融、経済、そして旅と人- -3ページ目

アトリオあざみ野が20数年の歴史に幕を下ろします

 

連休二日目、近所のジムにひと汗流しに行きました。20年近く通ったジムですが、来年1月末をもって閉鎖されることが決まっています。バブル経済末期の1994年にオープンしただけに、ジャグジーがあってせせらぎが流れる中庭も食堂もロッカールームもすべてゆったりした造り。ゆったりしすぎているがゆえの閉鎖きかもしれないけれど、このゆったい感が堪らないんです。閉鎖とともに私のジム・ライフも終わりかな・・・ 柔軟、筋トレ、プールにジャグジー、お風呂に入って昼食とって、残り少ない晴天のジムライフを楽しんだ午前中でした。

東宝シネマズ日比谷のマハラジャ公演「ダンガル きっとつよくなる」、面白かった (^^;)

明日からゴールデンウィーク、ということで、仕事帰りに東京ミッドダウンのTOHOシネマズ日比谷へ映画「ダンガル きっと、つよくなる」を見に行きました。お面とタンバリンが配られて、声を張り上げて応援するもよし、タンバリンを叩き躍り騒いで応援するもよし、というマハラジャ公演です。オープニングで写真に納まり全体で15枚配られたサウンドドラックのCDの抽選にも当たって絶好調。東宝と言えば懐かしのゴジラ。ゴジラファンの小生は、いいオッサンがと自ら恥じ入りつつもこれを見るとついつい燥いでとまらない・・・ 

日本の食料自給率について、ラジオで話す機会がありました。

農林水産省が発表する食料自給率には「カロリーベース」と「生産額ベース」の二つの指標があり、前者は農水省が生みだした日本独特の指標、後者は世界の国々が普通に使う指標です。

前者で測った2016年度の日本の食料自給率は38%ですが、後者で測ると68%。世界の国々が普通に使う自給率なら日本はドイツやスイスとほぼ同じ、イギリス辺りと比べると我が国の方が高いくらいです。

最近でこそ農水省は両者を共に公表していますが、20年以上に亘って前者が使われ続けた結果、我が国の食料自給率は低いというのが常識になっています。

今回取り上げたのは「食料自給率38%に低下、政府目標達成困難に」という見出しのニュース。この指標、実はコメを中心とした農業補助金を効率的に配るために農水省や農協が作り出したという側面があるんです。

https://www.youtube.com/watch?v=B_z_VetwspA&feature=youtu.be

 

J-WAVEの生放送で新卒一括採用での就活と日本型雇用の関係を語ってみました ^^;

 

 

今日の午前、J-WAVEというFMラジオに生出演する機会がありました。時折やっているサブテーマの組織や人事の話の中から雇用慣行に焦点をあてたものです。その時の内容が音声と文章で下のURLに公開されています。

 

https://newspicks.com/news/2206352/body/?ref=index

 

日本の大手企業の多くは、真っ白な新人を大学や大学院の修士課程を卒業した時点で纏めて採用し、社内で育成しながら定年まで長く働いて貰う仕組みを今でも残しています。

一方、私の話を誘導して下さったパーソナリティのサッシャさんやスタジオの現場で働く皆さんは自分の実力をベースに自由な生き方をされている方が多く、仕事を自分で選べない一括採用の仕組みが今も日本に残っていることに不思議な思いをなさっているように見て取れました。

新卒で一括採用されて仕事も働く場所も時間も会社の命令に従う義務を負う代わりに定年まで仕事と給料を会社が保証する仕組みは、社員にとって安心である半面、社員が自分の意思で仕事や働き方を選べない、という不自由さを伴います。

自分の意思で自由に仕事を選んで働いているスタジオの皆さん、あるいはそういう働き方が当たり前のドイツの経験を知るサッシャさんにはある意味不思議な制度に見えるのかもしれません。

私もこれからの日本は、働く人が自分で職業人生のキャリアを自律的に描ける仕組みを充実して行くべきだと考えています。

ただ、諸外国でしばしば問題になる未熟練の若者の高失業率が我が国ではそれほど深刻にならない背景に、真っ白な新人を学卒時に採用して社内で育成する新卒一括採用の慣習があるのも事実です。

職業訓練、職業斡旋、会社を離れた人達への支援といった社会の仕組みを総合的に見直して、若者も高齢者もそれぞれが仕事のスキルを自律的に磨き、スキルに応じて自律的にキャリア形成ができる採用や雇用の仕組みを作り上げていくことの大切さを改めて考えさせられました。

 

高尾山、冬の太陽は真っ直ぐには沈まない!?

 「沈まぬ太陽」みたいな意味深なタイトルじゃありません。考えてみれば当たり前の話です ^_^;

 正月2日の昼下がり、晴天に誘われてふと思いつき、ミシュランの星で国際的に有名になった高尾山を訪れました。流石にいろいろな国の言葉が耳に飛び込みます。

今日は富士山見えないね、という声が展望台に広がるのを耳にして、そんなはずはないだろう・・・という気になり、眩しく輝く太陽を手のひらで覆ってみつめると、その真下に富士山がうっすらと見えました。折しも夕刻。あ、頂上に沈む夕陽が見える、と思って待っていると、太陽は次第に富士の稜線を下り、沈んだところは中腹でした。

 そういえば半世紀以上も前のこと、理科の時間に教わった冬の太陽の黄道は子午線のずっと南に寄って斜めに描かれていたっけな。多くの人には常識でしょうが、私は人生初めて、それを実感した次第です。

晴天の日、似たような光景に出合ったら、試しに太陽を隠してみて下さい。決して目に良くはないでしょうけど、綺麗な富士が見えますよ (^_^)v

日本は計画経済の国だっけ? 政府が内部留保に課税することも検討と聞いて思うこと。

企業が内部留保をため込むのはけしからん、と安倍総理や麻生大臣が怒っていらっしゃるとしばしば報道されますね。今日も毎日新聞に「内部留保 増え続け377兆円 賃上げ、投資 迫る政府」という見出しの記事がありました。今日は石原伸晃経済再生担当大臣です。政府内では「内部留保に課税し、企業が賃上げや投資に回さざるを得ない仕組みを作るべきだ」との強硬論もくすぶる由。

http://mainichi.jp/articles/20161106/k00/00e/020/165000c

 

記事が指摘する通り、内部留保は配当せず企業に残した税引き後の利益金。性格的には増資して得る資本金と同じです。内部留保分の現金を100%投資に回しても、内部留保は減りません。内部留保が減るのは赤字を出すか、利益以上に配当するか、自社の株式を買い戻して償却するときくらいです。
賃金を増やせば利益が減って内部留保の積み上がりペースは落ちますが、それでなくても日本企業のROEは低いと言われるなか、それを政府が強要するのが正しい道とは思えません。算盤に合わない投資をして減価償却費が投資リターンを上回れば内部留保は減りますが、それも正しい道ではないでしょう。自己株式を買ってROEを高める道はありますが、それこそ企業の投資余力を潰すだけ。
企業が借入を減らし、企業部門全体が資金余剰になるという世界でも稀有な状況にありますが、これは低金利・低成長が長期化して負債で資本コストを下げるメリットが享受できなくなっているからです。内部留保が借入に代わる資金調達手段になっているわけで、企業にとって極めて合理的な行為です。
「だが、政府は納得しておらず」・・・ 政府が企業会計の基本を理解していないのか、あるいは金融緩和と財政拡大が限界に来て企業に圧力を掛けるしかないと腹を括って理解できない振りをしているのか、どちらかだろうと勘ぐってしまいます。
企業に圧力を掛けて経営リスクを高めさせることにばかり注力せず、世界銀行に34位と言われるまでに落ちてしまったビジネス環境を改善するため、政府自身がリスクをとって構造改革を進めるべきであるように思います。こんな圧力を強めたら、ビジネス環境の国際競争力がますます落ちてしまいます。

ちなみに、世界銀行がつける日本のビジネス環境のランキングは

2007年版11位、 2012年版20位、 そして2017年版は34位に急落です。

そりゃそうなりますよね・・・・。

 

 

 

新しい日本の秋祭り? ハロウィーンの渋谷の夜は更けていく。

渋谷の10月31日午後9時40分、外国からのお客さんも沢山混じってハロウィーンのお祭り騒ぎは絶好調。揃いのコスチュームに身を固めたグループが無数にあって、グループ同士が互いに写真を撮り合って、ゲームじゃ味わえない連帯感かもしれないな。
今年の我が国のハロウィーン関連市場の規模はバレンタインを超えそうとのことですが、さもありなんという感じです。一生懸命拡げても恋人へのチョコレート以外はなんとなく義務感が漂うバレンタインと異なって、こっちは気心が合う仲間を広く募って際限なく盛り上がれますもんね。まだまだコスプレが消費の中心のようですが、アメリカ張りの飾り付けをしてお菓子を大々的に配ったら、市場はますます広がりそう。いつかクリスマスを超えるかな? もっとも、小さい我が家じゃどうやってもアメリカ並みの飾り付けは無理ですが。湿りがちな最近の日本の消費、楽しそうなことはなんでもやって不景気風を吹き飛ばそう・・・大好きなゴジラのコスチュームを見つけたら買ってみようかな、今日は出会わなかったけど。(^_-)-☆

高速増殖炉「もんじゅ」と敦賀の街に思うこと

取扱いを巡る議論が進む「もんじゅ」と美浜原発を遠目に眺める機会に恵まれました。綺麗な海と松林を通して見る静かな佇まい。
原発が止まって街が寂しくなり、人影もすっかり減ったとコンビニのおばさんに聞きました。シャッターが目立つ通りは確かにひっそりとしています。原子力発電を巡って地域の意見が厳しく割れる現実の一端を垣間見たような気がします。
敦賀は素敵な街ですね。白砂青松の気比の松原、静謐な氣比神宮、日本海さかな街も新鮮でした。街なかには銀河鉄道999の鉄郎とメーテルのモニュメント。講演の合間を縫っての見学なので時間は限られましたけど、観光資源は豊富です。再生に掛ける地元の意気込みも同時に感じた一日でした。

ドナルド、花束、百薬の長。人生の旅路の元気の元ですね。


前職を退任してから今日で丁度2週間、本当にあっと言う間に過ぎました。43年間の常勤生活は一区切り。職場の皆さんが大勢集まってそっと開いてくれたサプライズな送別会。本当に嬉しかったなぁ。その後お礼にも行けていないけど、会社の事業は変わらず驀進しているに違いない・・・ お前がいなくなった分だけ一層うまく行っている、という声が聞こえて来そうです。うーん、それもちょっと寂しいな ^^; みんなが贈ってくれた大きなツムツムのドナルドと、大輪のヒマワリと黄色いバラの花束、最近は手に入りにくくなったお酒。これが私のイメージなんだろうか (・・? うん、それ、当たってる (^^♪
これからちょっと一息置いて、これまでとは一味違う日常が7月初旬を期して始まりそう。2ヶ月前からピックを始めたNewspicks、フォローしてくれる人が1200人を超えました。退任前夜にちょうど1000人を超えたのが、何か不思議な気がします。今後も私はかつての職場の応援団。人生の一こま一こま、人々との出会いは素晴らしい。感謝が続く毎日です。

「G7、財政出動 各国が判断」という見出しを見て想うこと

 今日の日本経済新聞の見出しに「G7、財政出動 各国が判断 財務省会議閉幕」というのがありました。 どこの国の政府も中央銀行も、景気を良くするために使えるマクロ的な手段は「財政、金融、構造改革」の3つです。この3つしかありません。これらを各国の実情に応じて使うことに反対する国はないはずで、問題はその先のです。
 日本が自ら財政支出を拡大したいと言えば、赤字の日本が危ないな、感じることはあるにせよ、どの国も、日本に理解を示すはず。フランスの「余裕がある国は財政政策を使うべきだ」」という言い方は、その象徴かも知れません。どの国も、他国の内需拡大は自国にとって有難い話ですから。しかし、各国が自国の赤字を膨らませ(あるいは黒字を減らして)日本の要請に応えるかどうかは別問題。日本ほど鷹揚に財政を考える国は少ないように思います。
「大胆な金融緩和」が行き詰まりの兆候を見せ始めたので今度は「一層機動的な財政政策の拡大」というのでは、日本が息の長い本格的な成長軌道を取り戻すのは難しいかもしれません。ドイツの主張ではないですが、構造改革も含め、世界の安定に向けて意義ある合意ができるといいですね。