J-WAVEの生放送で新卒一括採用での就活と日本型雇用の関係を語ってみました ^^; | 辛坊正記ブログ-金融、経済、そして旅と人-

J-WAVEの生放送で新卒一括採用での就活と日本型雇用の関係を語ってみました ^^;

 

 

今日の午前、J-WAVEというFMラジオに生出演する機会がありました。時折やっているサブテーマの組織や人事の話の中から雇用慣行に焦点をあてたものです。その時の内容が音声と文章で下のURLに公開されています。

 

https://newspicks.com/news/2206352/body/?ref=index

 

日本の大手企業の多くは、真っ白な新人を大学や大学院の修士課程を卒業した時点で纏めて採用し、社内で育成しながら定年まで長く働いて貰う仕組みを今でも残しています。

一方、私の話を誘導して下さったパーソナリティのサッシャさんやスタジオの現場で働く皆さんは自分の実力をベースに自由な生き方をされている方が多く、仕事を自分で選べない一括採用の仕組みが今も日本に残っていることに不思議な思いをなさっているように見て取れました。

新卒で一括採用されて仕事も働く場所も時間も会社の命令に従う義務を負う代わりに定年まで仕事と給料を会社が保証する仕組みは、社員にとって安心である半面、社員が自分の意思で仕事や働き方を選べない、という不自由さを伴います。

自分の意思で自由に仕事を選んで働いているスタジオの皆さん、あるいはそういう働き方が当たり前のドイツの経験を知るサッシャさんにはある意味不思議な制度に見えるのかもしれません。

私もこれからの日本は、働く人が自分で職業人生のキャリアを自律的に描ける仕組みを充実して行くべきだと考えています。

ただ、諸外国でしばしば問題になる未熟練の若者の高失業率が我が国ではそれほど深刻にならない背景に、真っ白な新人を学卒時に採用して社内で育成する新卒一括採用の慣習があるのも事実です。

職業訓練、職業斡旋、会社を離れた人達への支援といった社会の仕組みを総合的に見直して、若者も高齢者もそれぞれが仕事のスキルを自律的に磨き、スキルに応じて自律的にキャリア形成ができる採用や雇用の仕組みを作り上げていくことの大切さを改めて考えさせられました。