小林アキヒトの一生:泣 / 鐘ト銃声 | 安眠妨害水族館

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小林アキヒトの一生:泣/鐘ト銃声

 

1. トンボ

2. 剃刀

3. ループ

4. 秋葉原〇✕丁目

5. はぁと

 

"Q" 三部作の第二弾となる、鐘ト銃声のミニアルバム。

 

"小林アキヒト"シリーズとしては第四弾。

予約開始から3分で完売となったことから、即時追加プレスが決定した作品です。

もともとは2月29日の出荷の予定でしたが、プレス機器の故障により発送がずれ込むアクシデントもあって、付与曲折の末、ようやく手元に届いたといったところでしょうか。

 

前作「小林アキヒトの一生:急」が、比較的激しい楽曲が集められていた印象だったので、「小林アキヒトの一生:泣」では、泣かせる歌モノを固めてくるのでは、なんて予想をしていたものの、そんなことはありませんでしたね。

意図的に軽さ、薄さを意識して、重厚なシャウトパートを引き立てる「トンボ」、ロック色の強いリフと、ワンフレーズを繰り返すサビが耳に残る「剃刀」、ハイスピードで駆け抜ける2分ちょっとのファストチューン「ループ」と、むしろ、より激しさを増したとすら言えそうです。

 

前半戦は、彼らにしてはシリアス。

心なしか、下ネタは控えめで、少年記ゆえの残酷性に目を向けた楽曲が多くなっているように感じるのですが、続く「秋葉原〇✕丁目」のぶっこみ具合いには、再び評価を見直すことに。

ヘヴィネスを重視したロックサウンドとは裏腹、声に出しては読みたくない歌詞No.1。

ポップ度を急激に高める「はぁと」についても同様で、最後の最後に戻ってきた感。

ミニアルバムとしては、"急"以上にハードにまとめつつ、落とすべきところに落としました。

 

最後の"咎"がどんな作品になるかは未知数ですが、近くに見ると同一系統、俯瞰して見るとバラエティに富んでいるのが、ここまでの流れ。

"急"と"泣"を通して聴けば、シリアスな前3曲もアクセントとなって、1枚のフルアルバムとしてしっくりくるのでは。

三部作の最終章は、このシリーズを見事に完結させるのか、あるいは、彼ららしく崩壊させるのか。

どちらに転んでも面白そう、と思えてしまう彼らのキャラクターがとにかくズルいのです。

 

<過去の鐘ト銃声に関するレビュー>

小林アキヒトの一生:急

S.V.R.S.E.X

「褪色」「嫉」

真夏の扉 Ⅱ

五月花

【小林アキヒトの一生:破】

「灰景の空」「君ハ本能」「真夏の扉」

【小林アキヒトの一生:序】