フィクション≒ノンフィクション / 狂想ドッペル | 安眠妨害水族館

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フィクション≒ノンフィクション/狂想ドッペル

 

1. フィクション≒ノンフィクション

2. Re:創狂(LIVE AT 寺田町Fireloop 2023.10.7)

3. 天国の審判

 

連続リリースの第二段となる狂想ドッペルの2ndシングル。

 

第一弾「長堀橋エレクトリックラプソディ」と同様、DISC版は少数限定でのリリース。

メインは配信となりますが、DISC版は1,000円という低価格プライスに、追加曲まで収録されているので、こちらを買わないという手はないのですよね。

表題曲は、Vo.ハルタコウヘイさんが作詞、Gt.INOさんが作曲を担当したメロディアスチューン。

ファンタジックなシンセの音色と、ダンサブルなリズムが特徴で、彼らにとっての新境地と言えるでしょう。

 

ポエトリーリーディングやポエトリーラップを用いて、ドキュメント性を高めるアプローチに強みを持っている彼らだけに、正直なところ、この音使いは意外でした。

ポップではあるけれど、どこか幻想的で、ともすれば非現実的な歌詞が似合いそう。

路線変更も見据えているのかと思わせるのですが、よくよく耳を傾けてみると、なんだかんだで彼らが歌っているのはリアルでしかないと納得できるのでは。

フィクションめいた想像であっても、起こってしまえばノンフィクション。

しみったれたロマンティシズムだって、生々しい現実のひとつなのです。

美しく光が見える展開の中で、Bメロ部分に強引なシャウトパートを突っ込む捻くれ方も彼ららしいな、と。

 

カップリングには、「Re:創狂」のライブテイクと、ポエトリーラップ「天国の審判」を収録。

前者は、代表曲となりつつある緩急織り交ぜたナンバーで、ライブにおける静と動の使い分けや、"静"においてすら激しさをぶつけるスタイルがよくわかるテイクになっていました。

後者は、ほんのりダークでアダルトなトラックに、演説のように持論をぶちまける、もはや彼らには欠かせなくなってきたタイプの楽曲。

クールダウン用のおまけにしては豪華すぎる構成で、いぶし銀といったところです。

 

ここにきて新しい武器を示した狂想ドッペル。

正攻法でも戦えることを証明した1枚でした。

 

 

 

<過去の狂想ドッペル(diverse effect in Doppelgänger)に関するレビュー>

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