長堀橋エレクトリックラプソディ/狂想ドッペル
1. 長堀橋エレクトリックラプソディ
2. ララバイ (LIVE AT 神戸PADOMA 2023.4.16)
3. ジャパニーズサバイヴデジタルエンドロール (INO REMIX)
連続リリースが発表され、勢いに乗る狂想ドッペルによるシングル。
配信版は表題曲のみとなっていますが、先行的にDISC版もごく少数のみリリース。
過去に発表された楽曲のライブ音源やリミックスが収録された全3曲となっています。
屋根裏ロマネスクによるディスク印刷も相変わらず丁寧で、見る人が見ればどこの写真かわかるのであろうジャケットも、地元密着的なノスタルジーを感じますね。
「長堀橋エレクトリックラプソディ」は、昭和歌謡とデジタルラウドの両立を追求してきた彼らが辿り着いた新境地か。
ケバケバしいディスコ風のノリに、郷愁的なセンチメンタリズムを強引に上乗せ。
地域性を強調することで、そのリアリティをピンポイントで刺しに行こうとするバンドは少なくないものの、大阪でそれをやってしまうのが、彼らの斬新性なのですよ。
地方バンド、あるいは地方出身者のフロントマンがいるバンドの特権だと思っていたら、まさか大都会・大阪でもやってのけるとは。
ライブ音源が収録されたのは、前作「ひかりのようなもの」にも収録された「ララバイ」。
幅を広げて見せるのではなく、表題曲と近い音楽性で押し切ろうとしているのかな。
煽りの掛け声もそのままパッケージされていて、会場の盛り上がる姿が目に浮かびます。
見せ場となるのが、Vo.ハルタコウヘイさんの表現力。
デジタルなアレンジは、生々しいライブの音像に塗れると、こういう風に化けるのか。
ディスク版のおまけではなく、意図を持って収録されたのがわかる1曲でした。
最後は、Gt.INOさんがリミックスを手掛けた「ジャパニーズサバイヴデジタルエンドロール 」。
オリジナルは、デジタルラウドの色を強めたアッパーチューン。
diverse effect in Doppelgänger時代の楽曲とはなりますが、1、2曲目の流れがあれば、この楽曲を持ってくるのは正解......と思いながら、再生してみてびっくり。
大人びてお洒落、どちらかと言えば静けさを印象づけるアレンジに。
1周回って正攻法でのクロージングに、随分とやってくれるなと頬が緩みます。
デジタルで攻めつつ、アナログの良さも守ろうとするダブルスタンダードも、彼らにかかればワクワクする企画に早変わり。
本作を聴くことで、11月にリリース予定の「フィクション≒ノンフィクション」がどのような仕上がりになるのか、どんな仕掛けが潜んでいるのか、より楽しみが増していきます。
これで1,000円はコスパが良い、と唸らされる1枚。
<過去の狂想ドッペル(diverse effect in Doppelgänger)に関するレビュー>