百花千紅/ハイダンシークドロシー
1. 百花千紅
ハイダンシークドロシーによる、4thデジタルシングル。
1stアルバムの完成以降、ライブ活動を継続する中で、"盛り上げる楽曲"への意識が高まったという彼ら。
その意図を反映するように、この「百花千紅」は、90年代ヴィジュアル系へのノスタルジーをハイダンシークドロシー流に昇華した、攻め気の強いナンバーに仕上がっています。
もちろん、難解さを纏いつつお洒落に仕立てた楽曲も魅力的なのですが、 Vo.谷琢磨さんに歌ってほしかったのは、まさにこのような疾走チューン。
シーンへの参入を果たした暁には、その圧倒的な歌唱力でコテコテ色の強い楽曲を歌ったらどうなるか、というのを見てみたかった、聴いてみたかったリスナーは多かったはず。
その願望を現実にしてくれたと言えるでしょう。
それは、Gt.情次2号さんや、Ba.ジンさんにも同じことが言える。
アングラ路線での活動が長かった彼らが、正統派で勝負したら、どんなものが出来上がるのか。
勢いの中にも気の利いたフレーズを織り込んで、確かなテクニックで違いを作っていく演奏っぷりは、圧巻でした。
その辺のニュアンスは知り尽くしている、というDr.靖乃さんがリズムを支えているのも力強く、ど真ん中で突き進んでこそ、彼らの真髄がわかるものだと。
なんていうか、良い意味で別物感。
もはや別次元と言ったほうが適切だったりするのかもしれないな。
7月にリリースした本作に続き、8月には会場限定シングル「飾られた私と棘と事切れの部屋/Aglaophotis」をドロップ予定。
更には、9月に2ndアルバムも発売決定と、3ヶ月連続でのリリースを敢行するハイダンシークドロシー。
従来のアーティスティックなスタンスに、ライブ感の追求が加わったことで、いよいよ完成が近づいてきた感がありますね。
先行シングルの時点で、この充実度。
待ち受けているリリースラッシュに、期待せずにはいられません。
<過去のハイダンシークドロシーに関するレビュー>